善意が人のためになるとは限らない

 お客様から『ディアナチュラ』シリーズの鉄葉酸+ビタミンCとヘム鉄+葉酸ビタミンB12の違いを質問され、前者は肌の状態などを良好に保つと考えられ、貧血であれば後者であろうと考えられることをお話しした。
 しかし、お客様の目的は貧血であるものの、ヘム鉄は胃に負担をかけるため病院の受診の有無を尋ねたところ、ヘモグロビン不足と診断されており、すでに鉄剤と胃薬が処方されていると分かった。
 病院に薬をもらいに行くのが面倒だからサプリでと考えたようだが、治療薬とは違うことと、使うのであれば担当医に報告をするよう話ししたところ、本日はお帰りになった。

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 お客様から、肝油ドロップを求められて用途を尋ねたところ、高齢の母親に複数の薬が処方されており、減薬する予定の薬が骨粗鬆症のための薬なので、代わりに使おうと思ってるというお話。
 しかし、ご本人は食事はちゃんとされているようで、お客様が「サプリなら安心だから」とおっしゃっていたため、肝油ドロップは医薬品であることとサプリメントだから安心とはならず、特に年を取って内臓機能が低下するとミネラルなどの体に良さそうな物も害になるので、まずは担当医と相談するよう勧めた。
 親のためにという気持ちは汲んであげたいところだが、それならばなおさら自己判断でサプリメントや市販薬を買うのではなく、まず担当医と相談するようにしてもらいたい。
 この仕事をしていると、善意が必ずしも人のためになるとは限らないということを痛感させられる。
 それはもちろん、こうしてアドバイスをする私にとっても自戒しなければならないところ。

 やや高齢のお客様がDHCの『快眠サポート』を求めて来店したが、取り扱っていないことを伝えた。
 ご主人に飲ませたいそうで、 ご主人は糖尿病の治療を受けており、怒りっぽい性格だというお話だったことから、『抑肝散陳皮半夏』を紹介したところ、家にあるという。
 それでしたら、まずは『抑肝散陳皮半夏』を先に使った方が良いと思うのだが、どうやらサプリの方が安心だと考えたようだ。
 サプリだから安心ということは無いし、もし使うのであれば担当医に相談した方が良いことを伝えた。
 お客様がお帰りになってから、肝心の『抑肝散陳皮半夏』が処方された薬なのか市販品を買ったのかを確認するのを忘れたことに気がついた。
 基本的なことなのに、話の流れの中でつい忘れてしまった。
 いかんいかん。

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