あまり高齢者に便秘薬は使ってもらいたくない

 やや高齢のお客様から、自身が『コーラック』と『コーラック2』のどちらを使っていたか分からなくなったとのことで、違いを質問された。
 せめて、外箱は取っておきましょうよ(^_^;)
 理想としては、添付書の成分表示の部分を切り取って、お薬手帳なんかに貼っておく事だけど。
 とりあえず、共通する主成分のビサコジルは直腸粘膜を直接刺激する作用があって、2の方には界面活性作用で便の表面張力を低下させて腸内での滑りを良くするジオクチルソジウムスルホサクシネートが加えられていることを説明したら、2の方を買っていかれた。
 途中で、ビサコジルは慣れてしまうと、かえって便通を悪くしてしまうから、腸内の水分を吸収して便の量を増やす『サトラックス』を案内したんだけど、いつも便秘薬を使う訳じゃないからと関心を持ってもらえなかった。
 歳を取ってくると、食事の量が減って便も少なくなるから、毎日排便は無くても構わないんだけど、若い時の感覚とマスコミの健康情報に捕らわれて「毎日便通があるのが当たり前」という刷り込みが、余計に不安感をかきたてて腸の働きが悪くなり便秘に……という悪循環に陥りがちだから、あまり高齢者に便秘薬は使ってもらいたくないんだけどねぇ。

 お客様から虫刺されの薬を要望されて、棚を案内したら『プチキンカン』を選択したため、蚊ぐらいにしか効かないことを説明した。
 いや、ホント、営業妨害したい訳じゃないですよ(笑)?
 そしたら、お客様が全くの素人ではないらしく「肩こりですかね?」と訊かれたので、「その方が効果が期待できますね」と答えた。
 『キンカン』の成分はいずれも、炎症を抑えるとか痒みを緩和するというより、「痒いところを叩けば気が紛れる」という代替効果がメインだし。
 お客様には、野外に行くようであれば、『ウナ』や『ムヒ』のシリーズのほうが対象となる虫の範囲が広く、効果が期待できますとお話すると、子供に持たせるとのことで『ウナクール』を購入された。

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