説明してズコッとコケて、説明する間も無くてポカーン

 お客様から、イボに『ヨクイニン』が効くか質問を受けた。
 ヨクイニンに含まれるビタミンB群は皮膚の材料ですし、肌から出る皮脂の分泌をコントロールするけれど、血流や代謝機能も関係してくるため、一概には云えないことを説明した。
 本格的に治療を目的とするならば、集中して大量に服用することと経過観察も必要であるから、病院で処方してもらうよう勧めた。
 また、医師によっても治療方針が異なるため、病院を2軒以上は回って相談してみることを提案した。

 虫刺されの薬を求めて来店したお客様、患部は手首だそうなので見せてもらったら真っ赤に腫れ上がっている。
 刺されたのは昨日で、痒いというより痛くて熱感もあるという。
 これはもう虫刺されの薬より、ステロイド剤で一気に炎症を抑えることを提案し、『フルコートf』を勧めてお買い上げ頂いた。
 ただし、使ってみて症状が緩和しないか患部の色が蒼くなっているような事があれば、病院に行くよう勧めた。

 鎮痛剤の棚を眺めていたお客様から、『バファリン』の種類の違いを質問され、『A』と『ルナi』と『プレミアム』の成分の違いをそれぞれ説明した。
 これは『バファリン』に限ったことではなく、よく知られている薬の名前は単なるブランド名で、前後に数字や記号が付いたら、相互に縁もゆかりも無い成分だったりするため、使った物の成分表示は取っておくようお話した。
 今回の用途は頭痛と生理痛だそうで、頭痛は米噛みがズキンズキンとして血圧が高めというお話から、『釣藤散』を紹介してみた。
 でも、ここまでお話して最終的にお客様が『ルナi』の購入を決めた理由は、ポイントカードのポイントプレゼント企画のPOPが付いているからだった。
 ズコ~ッ( ノ_ _)ノ=3

 お客様が『ワセリン』を求めて来店されたので局方と『ベビーワセリン』を案内したら、顔の肌荒れに使いたいから「純度の高い物を」と希望された。
 『ワセリン』の純度なんて、考えたこともなかった。
 うちには純度の分かる商品を置いていないことをお話すると、サッお帰りになられた。
 調べてみたら、ウソかホントか局方で第4位の純度なんだそうな。
 

Screenshot of how-far-weve-come.blogspot.jp

 そもそも原料は石油で、特に保湿以外の効能がある訳でもなく、黄色ワセリンを精製したのが白色ワセリンだから、局方以上を望んで意味があるのかね?
 肌荒れなら、もっと治療寄りの物を検討した方が良いと思うのだけれど。
 欲しい物のことだけ言って、肝心の肌荒れについてのお話についてはされないままサッと帰ってしまったため、こちらとしては「ポカーン( ゚д゚)」といったところ。
 お店を歩き回って探す労力を考えたら、ネット通販の方が早いんじゃないかなと思ったり。
 でも、ネット通販だと、もっと相談する機会が無い訳で、実店舗を回るのであれば、ついでに症状についてのお話をしてみた方が良いんじゃないかな。
 皮膚疾患については私は不得意分野だけど、詳しい店員さんに当たる可能性もあるから、商品の有無だけを尋ねてすぐに出て行っちゃうのはモッタイナイと思う。

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