オタクの遺言状

 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を買いに患者さんがいらした。
 少し多めに飲んでも大丈夫かなと訊かれる。
 はい、大丈夫です(^-^)d
 奥さんが昼時に次郎を連れてきたが、店の前にお母んの車があり乗りたがる。
 なので、お母んが次郎を連れて、婆ちゃんの家に。
「正露丸ありますか?」と患者さんが来店。
 詳しく症状を尋ねると、下痢が続いてるらしい。
 思い当たる事は無いという。
 朝起きてから日に3回ほど下痢気味だそうだから、症状は軽くは無いようだ。
 しかし、夜にかけては大丈夫だとか。
 ふーむ、冷えが原因かもしれない。
 大建中湯(だいけんちゅうとう)真武湯(しんぶとう)を比較検討し、冷えだという確証が無いため大建中湯を試してもらう事にした。
 それから、念のために一度は検査を受けた方が良いとお話した。
 少し脅すようであるが、難病指定の下痢もあるのだ。
 今回だけではなく、結構頻繁に下痢しているようだし。
 バファリンを買いに、お客さんがいらした。
 成人の息子さんが、転んで膝を打ったらしい。
 治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)という物もありますと案内してみたが、とりあえず頼まれ物なのでバファリンを買っていかれた。
 夜になって、奥さんから携帯に電話。
 家への電話に出ようとして腰を捻ってしまい、歩けないくらい痛いと。
 馬鹿だねどうも。
 なんでそんなに慌てて電話に出る必要があるのか。
 なんのために常時、留守番電話を仕掛けてると思ってるのよ。
 寝てる時や、風呂やトイレに入ってる時でも慌てないで済むように、勧誘なんかの電話にいちいち出ないで済むようにでしょうが。
 大事な要件のある人はメッセージを吹き込むだろうから、留守録に入ってなきゃ気にしないでいい。
 とりあえず、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を持って帰った。
 安く済ませようと(笑)
 昨日の、と学会で買ってきた同人誌『オタクの遺言状 ~いつかかならず~』(発行:カラオケの艦隊)を読んだ。
 第一章のタイトルが、『オタクとは、「恥ずかしい財産を持つ人々」である』というのに、もう爆笑。
 そして、頬が引きつる(苦笑)
 そんなオタクだからこそ、遺言状を作っておこうというのが本誌の主旨。
 よく、「友人に即刻始末してくれと頼んであるから」と冗談めかして言う人もいるけれど、現実にはそれは難しい。
 オタクの友達同士が家族ぐるみで付き合ってればともかく、いきなり訪れた見知らぬ人を家に上げたり、ましてや故人の遺品を勝手に持ち出すのが許される訳がないと、ちょっと考えれば分かる。
 そんな時に役に立つのが、法的に執行する根拠となる遺言書。
 ところが著者は、遺言状を書こうと思って色々と調べてみて困ったそうだ。
 というのも、大抵の遺言状の作例では、愛する配偶者や子供達に宛ててといったものしか載っていないから。
 本誌の著者は、三十代の独身女性。
 両親は離婚して母親と兄がいる。
 結婚・出産歴ナシ。
 今のところする気も予定も無い。
 つまり、当てはまる作例が無いのだ。
 だから、無ければ自分で書こうと思い立ったそう。
 パチパチパチパチ(⌒人⌒)
 そして読み進めていって驚いたのが、法定相続人のくだり。
 知ってる人からすれば、「なんだ知らなかったの?」と言われそうだが、知らなかった。
 両親が離婚していても、親が生きている限り法定相続人として財産を持っていかれてしまうのだとか。
 私には残る財産なんて無いけれど、行方知れずの父親にも財産を渡さなきゃならないとは。
 しかも、もしその父親が誰かと結婚をして子供を設けていたりすると、なんと知らないうちに親族が増えてるなんて事にもなるそうな。
 つまり、相続人として誰が名乗りを上げてくるか分からない。
 これは結構怖いぞ。
 幸いにして(?)、著者も同じ境遇で実際に父親の戸籍を調べてみたら再婚相手がいて、相手の連れ子と養子縁組していた事が判明。
 それに基づいて作例が載っていたので役に立った(笑)
 他に、普通の遺言書ではあまり必要ないものの、オタクには必要だという事で、“遺言執行者”を遺言状で指定しておくようにと勧めていた。
 というのも、オタクの持ち物は、どれがガラクタで、どれがプレミアム物か分かりにくい。
 相続人同士が疑心暗鬼にかられるのを防ぐためには、ある程度価値の分かるオタク友達を遺言執行者に指名して、遺品の目録を作ってもらう事で円満に分配してもらおうという訳だ。
 ただし、事前に本人には知らせておくようにと。
 そりゃそうだ、いきなり任されたら本人も面食らってしまう。
 そうそう、この遺言執行人のもう一つ大事な役割がありました。
 それは、故人の名誉と家族の世間体を守る事。
 遺言執行人が指定されていれば、家族や親族といえども勝手には遺品に触れられない。
 人目につくと確実に困る、アダルトとかアダルトとかアダルトな物は、真っ先に封印してもらうのだ(笑)
 ところで、本誌によると漫画でも遺言状が作れるそうだ。
 ただし、人工物の貼り付けは認められないため、スクリーントーンなどは使用できず、おそらくはパソコンで描くのも駄目だろうとの事。
 ベタフラッシュや集中線、点描も直筆で描けと(苦笑)
 なんか、懐かしの漫画作品になりそうだな。
 ページが複数枚に及ぶ場合には、割り印も忘れないように。
 いやぁ、この同人誌、萌えキャラでも使って『萌える遺言状』とかいうタイトルを付ければ、商業出版しても売れるんじゃないかな。
 秋田県の藤里町で起きた小学1年生の男の子の殺害事件、男の子の2軒隣に住む女性が死体遺棄に関わっていたとして逮捕された。
 その女性は、4月に小学4年生の自分の娘が自宅近くで行方不明になり、水死体で見つかり、事故死ではないと訴えていた母親。
 やられた!
 最初の被害者の遺族が犯人とは、推理物としては面白い展開。
 自分の娘が事故死した事に納得できず、警察を動かすために犯行におよんだという話になるのか。
 この町は、知らない人にでも、子供たちが「おはよう」とか「さようなら」と挨拶しあえるのが自慢だったという。
 そういうものが防犯にはなりえない証明がまた一つ。
 次郎が夜中に起き出してきて遊び回る。
 明日は、私が奥さんの代わりに保育園に連れてく事になってるんだがなー。
 早く寝直しておくれよ。
 しばらくして、やっと次郎が横になってミニカーで遊び始めた。
 これは眠くなってきたしるし。
 寝入ったのを見届けて、こちらも就寝。


≪育児日記≫
 今日は、次郎がぜんぜん昼寝もしなくて、ずっといたので困った。
 どこか行こうかと思ったけど、あまり遠くには行けないので近くの公園に行ったりした。
 でも、それほど次郎はそういうところで遊んだりしないのは、なんでだろうかと思ったりして。
 とにかくよくわからない。
 でも、保育園ではよく砂場とかで遊ぶらしいけど、近所の公園では遊ばないんだなーと思った。
 帰ってきて、私だけ風呂に入って次郎に夕食を食べさせた。
 次郎は、後で旦那に風呂に入れてもらった。
 で、早めに寝てくれるかと思いきやぜんぜんで、私は肋骨も痛いのに、なんだかなーと思ったりした。

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