胃痛と胃弱

基礎データー
 性別:女性
 年齢:60歳
 身長:───
 体重:38~40kg位

主訴
 いつも胃の調子がおかしい。
 痛みがあり、食欲が無く、毎日の食事も苦痛。

特徴的な体質
 痩せ型。虚弱体質。

生活環境
 仕事の上では自分の体の弱さを悟られないようにするために、わざと活発な態度をとっており、気丈夫で短気。
 市販の栄養ドリンクを常用。

症状分析
 気の昂ぶりが強く、胃の消化力が落ち、消化力が落ちているために栄養不足になり、栄養不足のために気が昂ぶりやすくなるという悪循環になっていると考えられる。

服用した漢方薬
 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
 安中散(あんちゅうさん)
 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきかしぎゃくごしゅゆしょうきょうとう)
 小柴胡湯(しょうさいことう)……不適合
 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
 双参(そうじん)…漢方薬外医薬品

弁証

治法
 

服用期間
 半夏瀉心湯安中散を適時2週間程度。
 当帰四逆加呉茱萸生姜湯小柴胡湯を1週間。
 半夏瀉心湯を昼間に適時、補中益気湯を夜と、双参を朝に適時。

服用後の経過
 さほど痛まない時には半夏瀉心湯を、痛みが強い場合には安中散を一緒に服用してもらったところ、胃痛はしなくなった。
 しかし、食欲不振は治らず、寒気に悩まされているようだったので当帰四逆加呉茱萸生姜湯と、胃腸を養うために小柴胡湯を併用してもらった。しかし、小柴胡湯は間違いだったようで期待した効果が現れなかった。この時点で、患者さんが強がりで、より虚弱な体質である事を知られないようにしていた事に気づく。虚弱すぎると小柴胡湯では、かえって食欲不振を招いてしまう。
 昼間の気持ちの昂ぶりを抑えるために、昼間は半夏瀉心湯を服用してもらい、疲れを感じた時には夜に補中益気湯を、朝には双参を服用してもらうようにした。
 その後食欲不振も解消され、体重も増加していった模様。
 半夏瀉心湯と双参を常備してもらうようになった。
 食欲不振と胃弱の改善には、半夏瀉心湯と双参の組み合わせが有効であるらしい。

※この症例は、あくまで参考資料です。同じような体質、同じような症状でも、同じ結果になるとは限りません。

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