たかが目薬にしても、症状や予算も含めて分かってるのは患者本人だから、代理人に選ばせるのは酷です

 お客様から目ヤニの相談を受け、患者はご主人で痒みなどは無いというため、加齢による瞼のたるみが原因と考えられることをお話して、繰り返し使うことを考え生理食塩水の『ソフトサンティア』と、疲れを癒やすビタミンB12製剤の『ソフトサンティアひとみストレッチ』を紹介した。
 人間の防御機能というのはたいしたもので、自分の瞼が目に当たると異物が入ろうとしていると誤認して、追い出そうと目ヤニを分泌するのだ。
 あれ?
 人間の防御機能、駄目じゃね?
 いややいや、安全性を高めるためには脳を通さずに自動防御したほうが素早く対処できるから、致し方なし。
 お客様は、その後に迷ってる様子だったので、改めて案内を申し出たところ、ご主人は以前に『新Vロート』を使って満足せず、その前は価格の高めの目薬も使ってたというのだけれど、価格と効き目には直接的な関係は無いことを説明した。
 目はデリケートな部分でもあるから、目薬に使って良い成分はガチガチに決まっており、新発見の素晴らしい成分という物は入っておらず、成分の組み合わせや濃度を変えているだけ。
 価格は、その開発費と申請費用が反映されているだけ。
 旧来の安い製品は、すでに開発費を回収済みだから。
 もちろん、ごくたまに新しく承認される成分はあるし、特定の成分が高濃度の物を試してみるというのは悪くないのだけれど、それを選択するかどうかは予算も含めて本人が決めること。
 そういう意味ではも、代理の人に薬を選ばせるというのは酷だから、本人の来店が望ましい。
 お客様には、目薬の点し方の問題もあるかもしれないので教えたうえで、『スマイル40EX マイルド』をお買い上げいただいた。
 この話をすると、案外と目薬を点した後に「上を向いたまま」とか「瞬きしてる」とか「溢れたのをティッシュで拭っている」という人に遭遇したり、1日に数回使わなければならないのを1回だけ、あるいは反対に1時間ごとに点してるなんて人もいるから、たかが目薬1つ販売するのにも一言声をかけない訳にはいかない。
 特に目薬の点し方は重要で、上を向いたままでは目薬が目の裏側から喉へと流れてしまい目に残らず、瞬きをすれば睫毛に目薬が持っていかれ、ティッシュで拭ってしまっては浸透圧により目薬の大半が吸われることになる。
 目薬を点したら静かに目を閉じて少し下を向き、最低でも1分間、できればスマホで好きな曲でも聞きながら5分間は閉じ込めておくのが良い。
 それから、お客様にはお湯を浸したタオルや、『めぐりズム』のようなホットアイマスクを使って、目の周りを温めて細い血管を開くことを勧めた。
 老廃物を回収し、目の疲れを癒やす成分や修復する材料を運ぶのは血液だから。

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 やや高齢のお客様から抗菌目薬を求められ、目ヤニに使うというので、状況によっては適応しないかもとお話すると、目ヤニは緑色だとのことから『ロート抗菌目薬EX』を紹介し、目ヤニの色が抜けてからの乗り換え先に『新緑水b』を紹介したところ、一緒に購入された。
 加齢による瞼のたるみが原因の目ヤニと違い、黄色や緑色などの場合は何か異物を包み込んでいる可能性が高く、抗菌剤の入った目薬を優先したほうが良いし、異物が取り除かれたら炎症を抑えつつ修復成分も必要になる。

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 外国人のお客様から、昔ながらの水枕を求められたけれど置いていないため、『やわらか水枕』を案内した。
 背中が痛み、自転車の乗りすぎが原因に思い当たるそうで、温めた方が良いか訊かれたのだけれど、昨日のことというため、まだ冷やすようにお話した。
 そして、ビニール袋を二重にして氷水を入れる方法を提案したところ、お帰りになった。
 あと2日ほどしたら、温める方に転じた方が良いだろうとも伝えた。
 捻挫や打撲などもそうだが、急性症状は最初期に冷やすことが重要。
 患部は脳に異常を報せるために痛みの伝達物質を生成し、困ったことにその量を調節できないものだから作りすぎてしまい、それが痛みを長引かせる原因となる。
 そこで氷水などを使い、感覚が無くなるまで急速に冷やせば患部の機能が低下し、低下すれば痛みの伝達物質を生成する能力も抑えられるので、予後の痛みを軽減できる。
 ただし、あくまで痛みの伝達物質の生成を抑えているだけで患部の修復には、材料を運ぶ血流が良くなければならない。
 だから、日が経ったら今度は温めてあげる。
 そのさいには湿布を温感にするより、カイロなどで実際に温めてしまったほうが良い。
 入浴したり、お湯のシャワーを当てるのでも構わない。
 湿布の温感は、あくまで温かく感じるだけで、表皮に近いところの血流は良くなるかもしれないが、やはり直接的に温めるほうが効率的である。

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