水虫、ウオノメ、日焼けなど、皮膚疾患は最初の判断が肝心! 先に病院を選択したほうが良いかも

 お客様から水虫の薬を求められ、ご主人から頼まれたそうだが医師の診断を受けたことは無いというため、強い薬を避けて『ダマリンLクリーム』を案内し、お買い上げいただいた。
 ただ、お客様に「強い薬は駄目なのか」と思われたようなので、殺菌剤は皮膚の細胞の成長を阻害してしまうので、水虫ではなく湿疹だった場合に良くないことを説明した。
 その逆に水虫に湿疹の薬を塗る分には、痒み止めと弱い抗炎症薬が入ってる程度なので、水虫だったら治らないものの悪化もしにくいから問題は少ない。
 ただし、ステロイド剤だと殺菌剤と同じく皮膚の再生を邪魔するうえ患部の免疫機能も落としてしまい、水虫は悪化する。
 そのため、ステロイド剤を塗って悪化したら水虫と判定するという方法もあるが、もちろんオススメはしない。
 皮が剥けるというのも湿疹でも起こるし、皮膚がガサガサになるのは靴などと擦れて患部の細胞が壊れる速さに治る速さが追いついていないというケースもあり、いずれにせよ顕微鏡検査をしない限り医師でも判別できないのが水虫なため、本人に伝えていただくようお願いした。
 水虫の薬は、手軽に買えるけど気軽に使って良い代物ではないのだ。
 にもかかわらず、製薬メーカー自身が「一週間チャレンジ!」とか訳の分からない宣伝をしていたりするのだから、患者の側で気をつけるようになってくれない限り、店頭の私たちは自動販売機にはなれないんである。
 そして時に、「売ってくれないんですか!?」とお客様に怒られる悲劇に見舞われる( ´Д`)=3

 お客様からウオノメの薬を求められ売り場を案内しヒアリングしたところ、3ヶ月ほど前からというので治るのに時間がかかることと、先に病院を受診する方法もあることをお話した。
 ウオノメというのは、皮膚の一部が硬くなって芯のようになり皮膚の内側へと成長してしまう訳だが、皮膚は一番表側の薄い部分が再生するだけでも4週間はかかる。
 そして、ウオノメの薬の主成分であるサリチル酸がやるのは、皮膚の表面をわざと腐らせて新しい柔らかい皮膚を身体自身が作るよう促すこと。
 つまり、硬くなった芯が厚ければ厚いほど治るのに時間がかかる。
 一つの目安として、ウオノメに気づいてから治療を始めるまでの期間の3倍はかかるともされており、今回のように3ヶ月も経っていては市販薬で治すのに1年近くを要する。
 だから、まずは皮膚科を受診して市販薬で対応できるかの可否を医師に診断してもらったほうが良い。
 そう説明したうえで、本日は『ウオノメコロリ液』をお買い上げいただいた。
 液剤と貼るタイプとでは処方内容が少し異なり、液剤にはサリチル酸の他に皮膚を柔らかくする乳酸が足してある。
 わずかでも、効果が高いようにと勧めた次第。
 でも、やっぱり病院の受診を優先してほしい。

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 お客様から『パンパス軟膏』を求められたけれど、うちのお店では取り扱っていない。
 お客様は「日焼けに効く」とネットで評判を見たそうで、内容を調べてみたところ、シッカロールに消毒薬と皮膚を早く捨てさせるサリチル酸の処方だった。
 確かに日焼けにも効くだろうけれど、日焼けというのはヤケドと同じ。
 広範囲には、勧めにくい処方である。
 お客様はUVに弱く広範囲が炎症するようなので、塗り拡げやすい『桃の葉ローション』と、保水しつつ皮膚の材料を運ぶ血流を良くするヘパリン類似物質の『ピアソンHP』も紹介したところ、前者をお買い上げいただいた。
 ただ、日焼けが酷いようであればヘパリン類似物質は保険の適用薬なので、病院で相談してみる手もあることをお話した。
 そして大事なこととして、日焼けは内臓にも影響を与えるので食事に気をつけなければならない。
 皮膚を治そうと血液が体表部に集まって、内臓の血流量が減り胃腸の機能が低下してしまうのだ。
 そのため、3日以上は食事を消化の良い物にするよう勧めた。

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