• タグ別アーカイブ: 葛根湯
  • 薬は、強ければお得ではありません、弱いのをダラダラと長く使うのもオススメしません

     お客様がジクロフェナトリウム製剤の『アンメルツNEO』レジに持ってきたけれど、主訴は肩こりということなので強すぎることと考えられることを説明し、鎮痛効果を一段落としてフェルビナク製剤に変更となった。
     『アンメルツヨコヨコ』の主成分はサリチル酸グリコールで、『トクホン』や『サロンパス』のサリチル酸メチルと似ている成分だから、効き目としては一番弱い。
     一方、『アンメルツNEO』は鎮痛効果が二段階くらい高く、成分は血液中にも入っていく。
     パッケージに「肩こり」と入っているので使っても悪くはないものの、同時にパッケージ書いてある言葉は「肩こりの痛み」となっていて、「痛み」の方がメインと考えられる。
     いわば、肩を上げるのも痛くてツライという状況でなければ使うほどではない。
     外用消炎剤は、肩こりのような軽い症状で常用が考えられる場合には、弱い薬を普段使いにして痛みが強くなったら強い薬に乗り換え、弱まればまた戻り、捻挫や打撲といった急性症状には強い薬を最初に使い、痛みが軽くなるのに従って薬も弱い物に落していくステップダウン方式が良い。
     特に気をつけにければならないのは、鎮痛効果が高くて成分が血中にも入っていくタイプは、良く効くからといって連用すること。
     先にも書いたように痛みが弱まったら薬も弱めていくのが体への負担をかけない方法だし、使用をやめると強い痛みが続くようなら病院の受診を検討するべきである。
     今回のお客様は頭痛があるとのことで、締め付けられるタイプのようだから肩こりと連動している可能性をお話し、上半身を温め血行を良くする『葛根湯』の併用を提案した。
     これがズキズキするタイプの偏頭痛の場合は、血行を良くすると痛みを増強してしまい、また胃の不具合と関係している可能性が高いので内服の鎮痛剤は鎮静剤入れの物が適応し、漢方薬は水分代謝を改善する『呉茱萸湯』『五苓散』などが候補となる。
     そしてお客様はシャワー派だそうなので、太い血管と太い神経の通っている背中側に集中的に浴びるよう勧めた。
     太い血管が温まれば血流が良くなるし、太い神経へのシャワーの刺激はマッサージともなってリラックス効果を得られる。

    【第2類医薬品】ビタトレール フェルビナクローションEX 100mL
    新生薬品株式会社

     お客様がインドメタシン製剤の『スキュータムID』をレジに持ってきたさいに、比較的強い鎮痛剤であることを伝えると、弱いと思ったとのことだった。
     しかし使う用途は打ち身だそうだから、最初に強い薬を使うのは良い選択。
     そうお話をしたら、病院を受診した時に内容は不明だが湿布を処方されたそうで、すでに日が経っているとのことから薬も弱い物に乗り変えていくステップダウン方式が良いため、少し落してフェルビナク製剤を案内したところ『ホームパス5.0』を購入された。
     お客様には、「立ってる者は親でも使え」というように、「立ってる店員は遠慮無く使って下さい」と伝えた。
     本当は、やはり処方された湿布の正体は知りたいところ。
     それが分かれば、医師がどの程度の症状と診断したのかの予測がつくので。
     だから、市販薬を買うさいにもお薬手帳は持ってきてもらいたい。

     

     

  • 家にある薬は有効にお使い下さい。適応するか分からなければ相談を

     夫婦のお客様が『イブA』と『パブロン鼻炎カプセルSα』をレジに持ってきたさいに、カフェインが被っているため無印の『イブ』であれば併用できることを伝えると変更となった。
     無印の『イブ』と『イブA』とはパッケージのデザイが似ているため間違いやすいが、無印のほうが鎮痛成分のイブプロフェンのみなのに対して、『イブA』の方には眠気を催す可能性がある鎮静成分と薬効を高めるためのカフェインが入っており、別物と考えたほうが良い。
     患者は奥さんで、『イブ』は頭痛に使うとのことだった。
     朝方に頭が重くて午後に軽くなるというので、血圧が関係してる可能性を説明し『釣藤散』を紹介した。
     また、『葛根湯』が家にあるというので持ち歩くよう勧めた。
     『葛根湯』は上半身を温めて血流を良くするので、朝方に頭が重かったりボウッとしたりするのを改善できる。
     また、肩こりと連動している緊張型頭痛にも適応する。
     そういう意味では、鎮静剤が入っている『イブA』は適応しないだろう。
     『イブA』が向いているのはズキズキするタイプの偏頭痛で、これは胃の不具合とも関係し、血流を良くするより安静にするのが良い。
     漢方薬なら『呉茱萸湯』が候補となるが、置いてるお店は少ないので次点で『五苓散』を使うという手もある。
     いずれにせよ、鎮痛薬にも、それぞれ性格があるから注意されたい。

     夫婦のお客様が『新ビオフェルミンS』をレジに持ってきたけれど、納豆菌が腸で乳酸菌を育ててくれることを話に出したら興味を持たれ、『ザ・ガードコーワ整腸錠α3+』と『ラクサレット』を紹介したところ後者をお買い上げいただいた。
     使うのは奥さんとのことで、乳酸菌が体にとって有益な菌でも、外から来れば初めは敵なため、仲良くなるに一週間はかかると伝えた。
     お気に入りのヨーグルトなどがある場合、目新しい製品に飛びつくよりも、すでに仲良くなってる乳酸菌のほうが良く働いてくれる。
     また、乳酸菌が活躍するためには体温を高く保つ工夫をするよう勧めた。
     積極的に温かい物を飲み、入浴できるならして、お腹周りに厚着をするなどだ。

    created by Rinker
    興和
    ¥2,442 (2024/04/20 13:04:24時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様から『スクラート胃腸薬』の試供品を胃痛に使ったところ痛みが広がったとのことで相談を受け、胃が疲れている場合に向いている『スクラート胃腸薬S』との比較を説明すると同シリーズにこだわらないというため、下痢をしていないことを確認したうえで内臓の働きを低下させることにより痙攣を抑える『ブスコパン』を勧めると家にあると分かり、お帰りになった。
     同様の症状には、『コムレケア』(芍薬甘草湯)も使えるので紹介しておいた。
     ただ、薬の試供品を使う時には、症状に適応するのかを確認してもらいたいところだし、家にある薬は有効に使ってほしいと思う。

     

  • 喉の痛みに『桔梗湯』を使う時には、お腹の冷えにご注意を

     お客様から『桔梗湯』を求められ、うちのお店では取り扱っていないことを伝えると、他のお店でも置いていなかったとのことで、「あまり単独で使う物ではない」ことをお話しした。
     お客様は、喉の痛みに以前に使って効いたとのこと。
     患部を冷やしてくれるから喉の痛みに良いのだけれど、単独て使うとお腹まで冷やして下してしまうことがあるため、『葛根湯』『桂枝湯』など、温める漢方薬と組み合わせるのが望ましい。
     もし単独で使うのであれば、お腹を冷やさないようお湯で服用したり、下半身に厚着をしたりといった対策をして下さいな。
     喉の痛みは冷やすだけではなく潤すことも必要なので、そう説明して『龍角散ダイレクト』や『銀翹散』を紹介してみしけれど、お帰りになった。

     次のお客様は『ベンザブロックIP』をレジで持ってきたけれど、主訴は悪寒と関節痛で咳は無いとうため、鎮痛剤を提案しつつ『麻黄湯』も紹介したところ、そちらを購入された。
     また今後の体力低下に備えて『柴胡桂枝湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いたので、疲労を感じるようであれば併用できることを伝えた。
     そして、風邪をひいて体を休めるというのは、内臓も含めてなことをお話しし、うどんやスープなどを勧めた。

    「風邪薬の選び方と風邪に似た症状」

     夫婦のお客様から消毒用エタノールを求められ、無印とIPの違いの質問を受けたので、酒税法が関係していることを説明するとウケた。
     要するに、無印は飲めてしまうため酒税がかかってる分だけ少し価格が高く、IPは添加物を加えて飲めなくしたから酒税が外れて安くなる。
     厳密な使用方法を言えば、無印は口に触れる可能性のある身体の消毒に、IPは物の掃除にという事になるけれど、IPだってゴクゴク飲む訳ではないから体に使っても大丈夫。
     ロシアの人たちの中には、靴磨きに含まれてるアルコールのために食べちゃう人もいるそうですが。
     アルコール依存症って怖い(; ̄ω ̄)
     お客様にはIPを購入していただき、インフルエンザ対策には手の触れる場所の拭き掃除を勧めた。
     特に忘れがちなのは、スマホの画面である。
     ただし、アルコールで拭いてはいけない機種もあるので事前に説明書やメーカーのサイトなどの確認を。

    エタッシュ 手指消毒液 消毒用エタノールIP SP 1000ML サイキョウファーマ ( ウイルス ウィルス 細菌 洗浄 消毒 速乾性 外皮 )
     

  • 体が病気と戦うのを薬で邪魔をしたら本末転倒! 使う武器は選びましょう

     常連のお客様から、息子さんの喉の痛みと鼻水の相談を受け、家に無印の『イブ』と『イブA』があるというので、無印の方と鼻炎薬の併用を提案したところ、息子さんは『クニヒロ鼻炎薬A』を使っているいると分かり、そちらを継続するよう勧めた。
     そして全ての鼻炎薬がという訳ではないが、 喉の効能のある鼻炎薬は少なくないから、持っていれば効能書きを確認してみると良いだろう。
     他に、ご主人が総合風邪薬の『コルゲンコーワ』党らしくて、『コルゲンコーワIB錠TXα』を購入された。
     ただ、総合風邪薬は咳が無ければ体の負担を考えると避けたほうが良いことを伝えた。
     そもそも総合風邪薬でやっているのは、ウイルスなどと戦うために熱を上げるのを邪魔し、鼻水やクシャミでウイルスなどを体外に出すのを止め、同じく咳をして追い出すのを止めさせるという、基本的に「体に病気を治させない」ことなんである。
     薬を使うのは、ウイルスと戦うよりも熱の出し過ぎが体に危険だとか、クシャミや咳などで体力を消耗してしまうリスクが高い場合に限られる。
     症状が激しく出てるのを我慢してまで薬を使わないなんてのも極端ではあるけれど、出ていない症状に対する成分まで入っている総合風邪薬を安易に使うのは、体に余計な処理をさせる事となってしまい、かえって疲労を招く事態も想定される。
     お客様自身は『クニヒロ鼻炎薬A』で喉が渇いたため1回の錠数を減らしたというので、「良い判断です」と伝えた。
     どんな薬でも良いとは限らないものの、体格も代謝能力も人それぞれだから、効きすぎると思ったら使う量を減らすという判断はあり得る。
     営業時間内であれば電話で問い合わせてもらっても構わないので、相談してみてほしいけれど。 
     そして鼻炎薬の副作用で喉が乾くのは、アレルギーの症状を抑える抗ヒスタミン薬が原因であることが多く、鼻水を止めるベラドンナ総アルカロイドが入っていると体内での水分の分泌も止まることになため、喉どころか体内が乾燥してしまう。
     対処法は水分をこまめに摂ることだが、そうすると今度は摂った水が鼻水の材料になって無限ループにおちいる。
     だから、服用量の調整が必要になるし、あまり顕著に副作用が出るようなら他の薬を検討したほうが良い。

     お客様から風邪薬を求められたけれど、主訴は鼻水だけだというので鼻炎薬を提案したところ、鼻汁に色がついているとの事だった。
    「黄色いのはウイルスでは?」と尋ねられ、自身の壊れた細胞かもしれず、そうとも言い切れないことを説明したうえで、咳が出たら風邪薬に乗り換えてみてはとお話したところ『クニヒロ鼻炎薬A』を購入された。
     どのみち総合風邪薬を使ったところで、ウイルスを倒す成分が入っている訳ではない。
     体には病気と戦ってもらい、その邪魔をできるだけしないように苦しい症状にのみ的を絞って対処するのが早く治す方法でもある。
     起きていない症状に使う成分が入っていると、体が病気と戦うのを邪魔して長引かせてしまうだけ。
     そして、温かい物を飲むことと入浴をするよう勧めると苦笑いされた。
     冷たい物を飲み過ぎていたのだろうか、それともシャワーで過ごしていたか、ユニットバスなどで入浴できないのだろうか。
     鼻水が出るときというのは、たいてい内臓、特に胃が冷えているか疲れていることが多い。
     だから、厚着をして体を温めるというよりも、内臓を温める工夫をしたほうが良いし、それらを重ねていけば薬を使わなくても改善してしまう可能性が高い。
     例えば、漢方薬なら鼻水には『葛根湯』『小青竜湯』を使うが、どちらも上半身を温めることにより症状を改善させる。

     

  • 花粉症を抑えるために乳酸菌と模擬訓練!? 戦闘フィールドの腸内環境を整えよう!

     お客様が『バファリンルナJ』と『ノーシンピュア小中学生用』を比較して迷ってるようだったので声をかけたところ、中学生の子供の生理痛で、今までに薬を使ったことがないというお話だった。
     初めてとなれば単味剤の『バファリンルナJ』が良いともいえるし、目的が生理痛ということでは気持ちを落ち着けて筋肉の緊張をほぐす鎮静剤の入った『ノーシンピュア小中学生用』が向いているとも考えられる。
     そう説明手すると、今回は試しにとのことで『バファリンルナJ』を購入された。
    「鎮痛剤を使いすぎると体が慣れていけないのでは」と心配されたけれど、痛みを我慢して体力を消耗する方が風邪をひいたり体調を崩したりといった原因になりかねないので、その方が良くないとお話した。
     慣れると怖いということでいえば、実のところ鎮痛剤よりも『ノーシンピュア小中学生用』に入っている鎮静剤のほうが依存症になりやすい。
     ただ今回は、生理痛という使用日数が限定された使い方だから、私の方から勧めてみた次第。
     これが頭痛の相談であれば、連用しやすいため避けていたところである。
     そしてこの鎮静剤が入った鎮痛剤は、むしろ大人が使う薬の方に種類が多いので気をつけてもらいたいところ。
     『イブA』などを購入されるお客様に鎮静剤入りで良いか確認をすると、ほとんどの人が「知らなかった」というくらいで。
     それから、お客様には本人を連れて薬を買う練習をさせるよう勧めた。
     自分の症状を他人に伝えるというのは、大人でも慣れないと難しいからだ。
     特に怖いのは薬に慣れることより、生理痛を当たり前と思って、大人になってから大きな病気を見逃してしまうこと。
     だから、たかが生理痛と思わずに定期的に病院を受診しておけば、専門家から適切な対処法の話を聞いたり、病院のカルテに症状の記録を積み重ねていくことが大事。
     これは他の病気でも言えることなのだが、症状が酷くなってから飛び込みで来られるよりも、同じ病院にデータが蓄積してもらえばその変化というものが分かりやすく、「いつもと違う」ことに気づきやすくもなる。

    created by Rinker
    バファリン
    ¥582 (2024/04/19 21:03:16時点 Amazon調べ-詳細)

     子供2人を連れたお客様から、蓄膿症に『チクナイン』(辛夷清肺湯)を求められ、売り場を案内したうえで『葛根湯加川きゅう辛夷』『荊芥連翹湯』との比較を説明しヒアリングしたところでは、鼻汁は喉に落ちないようだったけれど鼻の奥に膿の味はするというため試していただく事になった。
     本来、漢方薬は症状だけではなく患者さんの証も考慮しなければならないのだけれど、飛び込みが多いドラッグストアーでは、お客様自身が時間を作っておいてもらわないと、そこまで細かい対応をするのは難しい。
     だから症状だけを頼りに比較するとすれば、鼻水と鼻づまりを行ったり来たりしている場合には上半身を温めつつ熱を発散する『葛根湯加川きゅう辛夷』を用いて、鼻が詰まる一方になり息苦しいくらいならば上半身を強力に冷やして熱を降ろす『荊芥連翹湯』の出番となり、詰まった鼻汁が喉に落ちてくるようなら胃が弱っていると考えられるため胃薬に近い処方構成で清熱もしてくれる『辛夷清肺湯』が向いている。
     今回は、お客様の希望が『辛夷清肺湯』だったのと、膿の溜まっている患部を清熱するのは大きく外していないから選択した。
     そしてお客様が「花粉症かも」というため、腸の働きを整えるよう勧めた。
     というのも、腸は「第二の脳」とも呼ばれており、実際に脳細胞と同じ組織で構成されているうえ、味や匂いを感じる細胞も備えている。
     そんな腸は体温の管理や外敵に対するセンサーの役割も担っていて、本来は敵ではない花粉を誤認して攻撃を仕掛けてしまい、その結果、涙や鼻水で追い出そうとしたり、ウイルスなどを倒すつもりで炎症を起こしたりする。
     だから、腸が正しく機能すれば花粉への攻撃が収まり症状も治まるという次第。
     よく、「ヨーグルトが花粉症に良い」とされているのは、ヨーグルトが花粉症に効くのではなく、腸の働きが整えば対応が正常になるからだ。
     または、「乳酸菌が免疫機能を鍛えてる」という説もある。
     もともとは、人間の生活環境が綺麗になりすぎて体に害をなす菌が周囲から遠ざけられた結果、免疫機能が働く機会が少なくなり正常に働かなくなったという仮説に基づく。
     たとえ体に良いとされる乳酸菌も、体にとっては外からくるモノは敵かもしれないから警戒する。
     そして、人間の味方になってくれる乳酸菌と模擬戦闘をすることで、敵味方の識別を覚え、花粉を追い出すにしても手加減を知り、症状が和らぐという。
     その乳酸菌が活動しやすい環境にするためにも、一番手っ取り早いのは、お腹周りを温めること。
     お風呂にしっかり入り、シャワーで済ましたければ太い血管の通っている背中側に浴び、上半身は薄着をしても下半身には厚着をしたうえで、積極的に温かい物を飲食するというように、内臓を温める工夫を重ねるのだ。
     そんなお話をしていたら、説明してる様子をお客様の子供達に真似された。
     今回は面白く説明できたということか。
     なんか嬉しい( ^ω^ )ニコニコ

    created by Rinker
    チクナイン
    ¥2,864 (2024/04/19 17:24:52時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 漢方薬の味は生薬で決まる? 不味い漢方薬ばかりではありません

     お客様から咳の相談を受け、息を吸うと出るというため体内が乾燥してることと胃炎の可能性を説明し、上半身を潤す『麦門冬湯』を案内してみたけれど、粉は苦手とのお話だった。
     しかし、それ以上に漢方薬は味が気になるというため『葛根湯』を例に挙げ、味は生薬によって決まることを説明した。
     漢方薬の不味いイメージの多くは、おそらく『葛根湯』に入ってる麻黄が渋くて苦味があり、生姜は辛味が当然なので、それが原因と考えられる。
     一応、『葛根湯』にも甘味のある甘草と大棗が入ってるものの、他の生薬に負けてしまっているものの、『麦門冬湯』には辛味や苦味の生薬は入っておらず、粳米が入ってる分だけ甘味のほうが勝っている。
     そう説明すると、『麦門冬湯』の購入を決められた。
     同じく患部を潤す現代薬として『ストナ去痰カプセル』を案内するつもりだったのだけれど、「粉が苦手」というのが平気になる切っ掛けになるかも?
     お客様の夕食のメニューは既に決まっているそうだが、温かい物を勧めて、体には炎症したい理由があるとお話した。
     身体の方は炎症することにより、患部を修復したりウイルスなどと戦ったりしているから、冷たい物を飲食すると「もっと頑張って炎症しなきゃ!」と炎症を強めてしまうので、身体に「無理に炎症しなくても大丈夫」と教えてあげるのが良い。

    created by Rinker
    おくすり飲めたね
    ¥338 (2024/04/20 14:34:59時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様が『葛根湯』をレジに持ってきたけれど、適応しない症状もあることをを伝えると、喉の痛みに1回使ったとのことで『銀翹散』を案内したところ、変更となった。
     上半身を温めて血流を良くする『葛根湯』は、「温めると悪化する症状」には使えないのだけれど「風邪には葛根湯」のイメージが定着しすぎているから、注意が必要。
     喉が痛む時には余計にヒリヒリしてしまうし、咳があると体内を乾燥させて長引くこととなり、発熱していたらもう温める必要は無い。
     同じ風邪の初期でも、喉が痛むのであれば上半身を冷やす『銀翹散』の方が向いている。
     お客様には、炎症を治めるためにも、患部を食べ物で刺激しないためにも、温かくて噛まないで済む食事を勧めた。

    created by Rinker
    クラシエ薬品
    ¥1,077 (2024/04/19 15:24:05時点 Amazon調べ-詳細)

     夫婦のお客様がレジに『パブロンSα』と『PL顆粒』の他に下痢止めの『エクトールDX』を持ってきたので、『パブロンSα』を『パブロンSせき止め』に変更してはどうかと提案した。
     『パブロンSα』が発熱・鼻炎・咳の「全部入り」なのに対して、『PL顆粒』は咳止めが抜いてある風邪薬だから、『PL顆粒』を買うのであれば咳止めを別にしておいた方が便利だと思われる。
     なにしろ、風邪だからといって発熱・鼻炎・咳がいっぺんに出るということは、そう多くはない。
     そして咳止め成分は身体に負担がかかる物なので、風邪薬に咳止め薬を抜いてある『PL顆粒』を用意しておくというのは良い選択。
     咳が出てから、咳止め薬に乗り換えても遅くはないし、ちゃんと成分を確認しておけば併用もできる。
     するとお客様は「痰が絡みやすい」というため、『ブロン錠エース』を勧めて変更となった。
     同じブランドの『ブロン錠』の方にもパッケージに「たん」と書いてあるけれど、そちらは「咳をすると水様の痰が出る」場合に適応する。
     海外に行くというので、風邪と胃腸炎の両方に使える『柴胡桂枝湯』を紹介し、外用薬としてステロイド剤と抗生剤があると安心なことを伝えると、『液体ムヒS』が家にあるというため、忘れずにお持ち下さいと勧めた。
     『液体ムヒS』は『ムヒSクリーム』と違いステロイド剤が入っていて、強めの炎症にも対応できる。
     あとは、転んで怪我をしたといった場合の化膿止めに抗生剤の『テラマイシン軟膏a』などもあると安心。

    created by Rinker
    シオノギヘルスケア
    ¥1,046 (2023/08/10 20:21:40時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 季節の変わり目の不調は、症状を抑えるだけでは不十分です

     お客様が、のどスプレーを購入されるのでヒアリングしてみたところ、ご主人からの頼まれ物とのことで消毒系と抗炎症系があることを説明した。
     消毒系は喉を守る菌も倒してしまう事をお話ししたところ、夜中に喉が乾燥するようだというので、それだと抗炎症系も適さないと考えられ、枕元に飲み水を置いてみてはと提案した。
     もしくは、患部を潤すために現代薬では『ストナ去痰カプセル』を、漢方薬には『麦門冬湯』があるので紹介した。
     本日は一旦、お帰りに。
     詳細が分からないから、本人に来ていただけると良いのだけれど。

     お客様が『龍角散ダイレクト』を購入され、声枯れに使っていて毎年同じ時期になるというため、季節の変わり目による気温の変化によるストレスで胃炎を起こしている可能性もあることを話した。
     先のお客様のご主人も、もしかしたら喉の乾燥感は体内が温度調節しようとして上手くいってないのが原因かもしれない。
     昼間温かくて夜冷えるとか、一日の中で気温の変化が大きくなると、身体は温める方に頑張ろうとする。
     でも、人間の体は機械ではないから都合良く必要な部分だけを狙って温めるということができず、余計なところに熱が篭もってしまったり炎症を起こしたりしてしまい、それが症状となって現れる。
     対策としては、身体に「無理して温める必要は無い」ことを教えてあげること。
     積極的に温かい物を飲食し、入浴できるのであれば入り、入浴が難しければ太い血管の通っている背中側にシャワーを浴びて、上は薄着をしても下半身は保温できる服装にする。
     そして今回は、炎症している患部を食べ物で刺激するのを避け、胃が悪くなっている場合を想定して、噛まずに済む食事をと勧めた。

     若いお客様が風邪薬や鼻炎薬の棚を行ったり来たりしていて、ドリンク剤を購入されるのでヒアリングしたところ、季節の変わり目に体調不良になるというため、『ヒストミンゴールド液プラス』を紹介した。
     内臓が疲れている場合にカフェインが入っている物は、興奮作用で無理をさせるだけなため、ノンカフェインのうえ胃腸の働きを助ける物の方が適している。
     また、気温の変化の影響を受けやすいのは胃腸と肝臓でもあるので、働きを下支えする『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     すると『葛根湯』を使ったことがあるというため、上半身を温めて血流を良くするものの、胃に負担がかかることを伝えた。
     やはりこうして、患者さん本人に来店してもらえると深くヒアリングできて良いなと思う。
     そしたら実は、お客様の親が薬剤師だそうで、「勉強になった」と言われた。
     ズゲッ!?
     なんという後出しΣ(´∀`;)
     恐縮です。

    ヒストミンゴールド液プラス 30ml×10
     

  • 患者さんが使った薬が、適応するはずなのに効かないというケースも

    お客様が『イブA』をレジに持ってきたさいに無印とは違って鎮静剤が加わっている物で良いか確認すると、頭痛に『イブA錠EX』を使って効かなかったとのことだった。

    それだと『イブA』の方が鎮痛剤である肝心のイブプロフェン濃度が薄くなるうえ他の処方内容は同じなので、イブプロフェンとアセトアミノフェンという2種類の鎮痛剤を重ねて鎮静剤は入っていない『バファリンルナi』を案内して変更となった。

    CT検査では異常を認められなかったそうだが、吐くこともあるというため『呉茱萸湯』を紹介した。

    ズキズキして吐くタイプの頭痛は、胃の不具合と関係することが多く水分代謝の異常も影響するからだ。

    なので、このタイプの頭痛に対処するには食事を消化の良い物に切り替える必要があり、体も安静にした方が良いから鎮静剤入りの鎮痛剤というのは、本来は悪い選択ではないのだけれど、人間の体は機械ではないから上手くハマらないケースというのもある。

    そんなお話をすると弟さんが薬剤師の卵だそうなのだけれど、あまり相談に乗ってくれないという。

    ああ、専門職だったり勉強中の人は身内には冷たいものですからね。

    仕事関係の話を家に持ち込まれるのを嫌うし、勉強中となると、まだ専門的なことを自身に落とし込めていないしで。

    ちなみに、頭が締め付けられるタイプの頭痛は肩こりと連動していることがあって、こちらは鎮静剤を使うよりも血流を良くすることが大事なので、鎮痛成分だけの物を選び、『葛根湯』との併用も検討すると良い。

    朝方に頭や目の奥が重く感じて午後にかけて楽になるタイプなら、血圧が関係するかもしれないので鎮痛剤を使いよりは『釣藤散』を試してみるという方法が考えられる。

    いずれにしても、鎮痛剤にも種類があるように頭痛にも種類があるので、店頭での相談はしてもらいたいところ。

    常連のお客様から、成人の息子さんの喉の痛みと咳の相談を受けたので『パブロンSせき止め』を案内したけれど、1日2回の物を希望されたため『プレコール持続性せき止めカプセル』を勧めて、お買い上げいただいた。

    実のところ、現代薬の咳止めの中では『プレコール持続性せき止めカプセル』の方が体への負担が少しは少なくて安心。

    息子は仕事で声を使うとていうので『銀翹散』を紹介し、うちのお店には置いていないけれど『響声破笛丸』も勧めてみた。

    それから喉の痛みや咳というのは、胃の不具合が影響していたり、反対に喉の炎症が胃へと広がることがあるため、消化に良い食事で量を控えるようお話すると「食欲はある」というため、内臓を休めた方が養生になりますとお話した。

    若いお客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたけれど、主訴は喉の痛みだけというので鎮痛剤を提案したところ、家に『イブA』があるというため先に使うよう勧めキャンセルとなった。

    買わないことを謝られたけれど、「構いません」と伝えた。

    薬は必要なときに必要な物だけを買えば良いので。

    そしてついでながら、炎症している患部を食べ物が擦るのも良くないため、噛まないで済む食事をするよう勧めた。

    created by Rinker
    ¥904 (2024/04/19 18:41:15時点 楽天市場調べ-詳細)
     

  • 患者さんの希望第一で良いのか、お客様が選んだ物を最優先で良いか、悩むコトが多いです

     『葛根湯』を見ていたお客様が『改源』をレジに持ってきたのでヒアリングしたら、高齢の母親が咳をしており「生薬が良いと思った」というため主訴に合わせて上半身を潤す『麦門冬湯』を提案した。
     上半身を温める『葛根湯』は、余計に咳の原因になってしまうから避けたのは良かったけれど、『改源』には生薬が入っているとはいえ解熱剤のアセトアミノフェンと薬効を強めるために入ってるカフェインは、咳だけならば不要な成分である。
     すると母親には認知症の薬が処方されていて、その薬の名前が分からず、『麦門冬湯』がぶつかる可能性は極めて低いとはいえ、保険の適用薬でもあるため担当医に相談するよう勧めてみたが、購入された。
     そして、市販薬も成分表示をお薬手帳に貼って処方薬と一緒に一元管理することと、市販薬を購入するさいも担当医か調剤している薬局の薬剤師に相談するようお願いした。
     今回のように、こちらから声をかけないと病院で処方されている薬があることを告げない人が多いけれど、市販薬を買う場合もお薬手帳を持参して、処方されている薬と併用して大丈夫かは確認してもらいたい。

    【第2類医薬品】クラシエ薬品 カンポウ専科 麦門冬湯エキス顆粒A(バクモンドウトウ) 8包

     お客様から喉の乾燥感について相談を受け、熱感もあるというものの体温は測っておらず、家に『ロキソニン』と以前に病院で処方された『PL顆粒』があるというため、まずは主訴に合わせて『麦門冬湯』を提案し、他の症状も現れたら『PL顆粒』も併用できることをお話した。
     ただ『PL顆粒』は病院から処方された物だから、調剤した薬局に使って良いか問い合わせてみるようお願いした。
     今回は『麦門冬湯』をお買い上げいただき、食事は消化に良い物をと勧めた。
     また、自力で熱を出すのは体力を使うので入浴を勧めたところ環境的に難しいようなため、シャワーの浴び方を教えた。
     体を温めるためには全身を巡っている血液を温めることが重要だから、太い血管の通っている背中側にできるだけ長く浴びるのが良い。
     髪や体を洗っている間は、背中をシャワーに向けておくのが一番簡単である。

    created by Rinker
    シオノギヘルスケア
    ¥1,046 (2023/08/10 20:21:40時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様から喉の痛みと咳の相談を受け、発熱したさいに『ロキソニン』を使っていたとのことで併用しても大丈夫な『龍角散ダイレクト』と『マードレトローチ』を案内してみたけれど、錠剤でないと飲めないという。
     乾いた音の咳をしていたから潤すために『麦門冬湯』を勧めたいところだったが顆粒しか無いため、『ベンザブロックせき止め錠』を案内してみたら、ご自身で『新ルルAゴールドDX』を選ばれた。
     喉の痛みを抑える成分と咳止めが入ってるから大きく外れてはいないものの、鼻水を止める成分が体内を乾燥させてしまうため避けた方が良いとお話すると、「鼻水もあるから」とのことでそのままお買い上げとなった。
     うーむ、これはヒアリング不足だったか。
     でも、鼻水を止める成分の一つであるベラドンナ総アルカロイドを使う鼻水は、放っておくと垂れてくるくらいの場合だから、やはり適応しなかったのではとも考えてしまうし、2種類入っている咳止め成分の片方が、やはり体内の保水機能を狂わせてしまうため、同じ咳止めでも乾燥性の咳には向かない。
     先に『プレコール持続性せき止めカプセル』を、案内しておくべきだったか?
     本当に患者さんの選択を優先して良いものか、と悩むこと多し。
     お客様には、患部を刺激しないよう噛まないで済む食事を勧めた。
     発熱したとなると内臓はまだ熱を持っており、胃炎を起こしてる可能性もあるからだ。

     お客様が『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたけれど、主訴は咳と鼻水で熱や喉の痛みは無いというため咳止め薬を提案し、鼻炎に効く成分も入っていることを説明して『パブロンSせき止め』を案内したところ変更となった。
     咳の音が湿っているようだったので内臓が冷えてる可能性を伝え、積極的に温かい物を飲み、上は薄着をしても下半身は厚着をするよう勧めた。
     入浴はしているそうなので、それは良いことだから続けて下さいとも伝えた。

    パブロンSせき止め
     

  • 鎮痛剤に、鎮静成分が入っているモノと入っていないモノとの使い分け

     家族連れのお客様が『エアーサロンパスジェットα』を購入されたけれど、使う本人らしい旦那さんはレジから離れたところで体操をしていて、吹き付けるタイプも成分によっては血中に入ることを伝えると驚かれた。
     それ以前に、症状に合ってるかヒアリングさせてもらいたかったのだが。
     比較的弱めの薬で良かったんだろうか?
     筋肉痛程度なら充分である一方、捻挫や打撲などには強めの薬を勧めたいところ。
     でもって、奥さんと一緒や家族との買い物中に、レジの近くでストレッチを始める理由は一体何なんだろうか。
     一定数いるんだけれど、謎だ(・_・;)

    エアーサロンパスジェットα

     お客様が抗炎症成分であるアズレン製剤の『アズリートスプレー』を購入される前に、消毒系の『のどスプレー』と比較していたのを見ていたので、念のためヒアリングしたら主訴は喉の痛みとのことから、「良い方を選ばれました」と伝えた。
     選んだのは、偶然だった模様。

    created by Rinker
    白金製薬
    ¥739 (2024/04/20 14:35:01時点 Amazon調べ-詳細)

     ビタミン剤を見較べていた、やや高齢のお客様が『キューピーコーワゴールドα-プラス』を購入されるので、「良い選択ですね」と伝えた。
     栄養を摂っても血で運ばれなければ意味が無いから、血流を良くする当帰の入っている『キューピーコーワゴールドα-プラス』の方を私はお勧めしている。
     まぁ、ようするに私の好みでもある訳ですが、いつもいつもお客様が選んだ薬をひっくり返してる訳じゃないんですよ、という言い訳のために書き残しておく(・´з`・)

    【第3類医薬品】キューピーコーワゴールドα-プラス 160錠

     お客様が『ロートアルガードクールEX』をレジに持ってきたけれど、充血してるのは目が痒くて自分で擦ったからということと、花粉症だと思うということから『サンテAL』の方が抗炎症剤と痒み止めを重ねているうえ、患部の修復を手伝う成分も加わっていることを説明したところ変更となった。
     いや、そんな大きな違いがあるのかといえば無いんですが、症状をヒアリングしてるうちに、もう少しプラスαしておいた方が良いんじゃないかと思って。
     ちなみに「プラスα」という表現は、「ブラスa」と書いてあったのをαと読み間違えたのが広まったそうで。
     誰だよ、間違えたの。
     もしくは、書いてあった文字が悪筆だったんじゃないかという疑問も浮かぶ。
     お客様には、花粉症対策に腸との関係をお話をして、体内を温かく保つよう勧めた。
     花粉症は、体の防衛機構を担っている腸が花粉をウイルスなどの外敵と誤認して攻撃を仕掛けてしまう事により起こるものなので、腸が働きやすい環境を整えれば敵味方の識別も正常になって症状が治まる。
     それには、食べすぎを避けて腸が消化に忙しくならないようにするのも1つの手だし、乳酸菌の摂れるヨーグルトや漬物を食すのも良い。
     そして手軽なのは、とにかくお腹周りを温めること。
     温かい季節にも温かい物を積極的に飲食し、シャワーで済ませず可能な限り入浴して、もしシャワーだけで済ませるのなら太い血管が通ってる背中側に浴び、服装は上半身は涼しくしても下半身は厚着をしておく。

    サンテAL

     やや高齢のお客様からトローチを求められ売り場に案内すると、探しているのは『コルゲンコーワトローチ』と分かったけれど、消毒系であることを説明し、抗炎症剤で構成されている『マードレトローチ』を紹介すると変更となった。

    【第2類医薬品】マードレトローチ 18錠

     お客様から『解熱鎮痛薬クニヒロ』は『イブA』と同じか質問され、鎮痛剤に鎮静剤が加わっている点も含めて処方内容は変わらないと答えると購入された。
     パッケージが似ていて、『イブA』と混同される事が多い無印の『イブ』には鎮静剤は入っていない。
     お客様の主訴はズキズキするタイプの偏頭痛というため、胃の不具合と連動していると考えられ、痛みを伝えるホルモンと胃を保護するホルモンは同じなので、鎮痛薬だけに頼るとループしてしまう可能性をお話した。
     どういうことかというと、胃を悪くすると偏頭痛が起こり、鎮痛剤を飲むことで一時的に頭痛が治まっても、普通に食事をしてしまうと鎮痛剤により胃の保護機能が落ちているから、それで胃に負担がかかって悪くなり、また頭痛が起きて鎮痛剤を飲むという輪環が出来上がってしまうのだ。
     それを断つには、偏頭痛が起きたりその予兆がした段階で、「今日は胃に優しい食事にしよう」と切り替えることが大事。
     ちなみに、このタイプの頭痛には『呉茱萸湯』『五苓散』などの水分代謝を改善する漢方薬が適しており、また体や脳を休ませると症状が軽減するため、使う鎮痛剤も今回のように鎮静剤が入っているタイプが向いている。
     ただし、鎮静成分は眠気を催す可能性があるし、眠くならなくても脳の機能は低下するので、一瞬の判断が事故を招く車の運転などは避けるよう気をつけてもらいたい。
     大事なことなので2度書くけど、「眠くなった事は無い」という人も「認知機能」や「判断力」は落ちるから、くれぐれも人命に関わる機械操作はしないように。
     一方、肩こりと連動しているような締め付けられるタイプの頭痛は、『葛根湯』のように上半身の血流を良くしたり運動したりすると軽減するので、鎮静成分が入っていない鎮痛剤のほうが適している。
     また、朝方に頭が重くて午後にかけて楽になるようなタイプには『釣藤散』が候補になるのだが、血圧が関係している可能性があるため、一度は病院を受診するか毎日の血圧を測定して、症状の発現と関係するか確認してみたほうが良いだろう。
     今回のお客様はコーヒーをよく飲むというので、カフェインによるカフェイン頭痛にも気をつけるように伝えると「勉強になった」と言って頂けた。
     カフェインは興奮作用があり、興奮すると血液の流れが良くなって血管内の壁を激しく擦ることにより炎症が起き、これが頭痛を招いてしまう。
     カフェイン入りの栄養ドリンクを1日に3本飲んだら、見事にカフェイン頭痛を起こした私です( ̄ω ̄;)

    created by Rinker
    ¥904 (2024/04/19 18:41:15時点 楽天市場調べ-詳細)