• タグ別アーカイブ: 葛根湯
  • 患者さんに寄り添うことの難しさ、伝えることの難しさ

     レジに『パブロンSα』を持ってきたお客様に症状を尋ねてみると主訴はだるさで、他にハッキリした症状は無く食欲はあるというため、体を温めて血流を良くする『葛根湯』を提案するとともに、身体の下支えをする『柴胡桂枝湯』も紹介してみた。
     しかし今度は、販売期限が迫っていて値引きになっている『エスタック総合感冒』が目に付いたらしく、そちらを買っていかれた。
     発熱も頭痛も無ければ咳も出ておらず鼻炎でもないのに、どうして総合風邪薬を使おうと思うのか理解できない。
     患者さんに寄り添った考え方をするのって、難しい……(´・ω・`)
     お客様には、食欲は脳が感じているだけだから、食べ過ぎないようにお話しした。
     体がだるいということは疲労はあるはずで、食べた物を消化して吸収するのにもエネルギーを使うため、内臓を休めることが必要なのだ。

    created by Rinker
    エスタック
    ¥798 (2024/04/23 07:18:58時点 Amazon調べ-詳細)

     若いカップルのお客様が来店し、彼女が皹(あかぎれ)とのことだったので『ヒビケア』と『ヒビエイド』を案内し、処方はそれほど変わらないからブランド名でも価格でも好きな方で選んで良いとお話ししたところ、前者を購入された。
     他に2人とも入浴後に体が痒くなるというので、初めにぬるめのお湯が入ってから追い焚きをするよう勧め、シャワーで済ませる場合には太い血管と神経が通っている背中側に重点的に浴びる方法を教えた。
     また皹の養生として、お湯を入れた湯のみを手で握って、指先の細い血管の血流を良くする方法も伝えた。

    created by Rinker
    池田模範堂
    ¥1,570 (2024/04/23 15:03:13時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 使っている市販薬の同じ銘柄での違いを知らない人は多い

     お客様から『イブ』を求められたので鎮痛剤の棚を案内したところ、探しているのは『イブA』だった。
     『イブA』には鎮静剤が入っているので眠気を催すことがあれかもしれないとお話ししたうえでお買い上げ頂いたけれど、無印とAの区別がついていない患者さんは多い。
     お客様の主訴は頭痛とのことで、声が弱々しかったから、頭痛でも風邪の時でも胃に優しい食事をするのが大事なことを伝えた。
     頭痛にも種類がありそれぞれ対処法が違うから、本当は詳しい頭痛の話をしたかったのだけれど、そこまでは踏み込めなかった。
     いわゆるズキズキするタイプの偏頭痛は胃の不具合と密接に関係するため、体を安静にして胃に優しい食事に切り替えると症状が軽減する。
     そして鎮痛剤以外では、『呉茱萸湯』『五苓散』といった水分代謝を整える漢方薬が候補となる。
     頭が締めつけられるタイプの頭痛の場合は、肩こりと連動していることが多く、むしろ体を動かして筋肉をほぐすとともに血流を良くすると改善するので、上半身を温める『葛根湯』が適応する。
     他に目の奥が重く感じたり、朝方に頭重感があって午後にかけて楽になるタイプは血圧が関係する可能性が高い。
     この血圧は数値上のことではなく、個人の一日の中での変化の幅が問題になるので「自分は血圧は高くない」といったこととは別。
     また、このタイプも肩こりと連動していることがあり、『釣藤散』『七物降下湯』など血圧を調整する漢方薬が効果的。
     もちろん人間の体は機械ではないから、これらの症状が複合的に現れることがあるため、単純に切り分けも出来ないので、まずは店頭で相談してもらいたい。
     そのさいには、生活サイクルや仕事の内容など、プライベートな情報の中にヒントが隠されていたりするし、できるだけ時間に余裕があるのが望ましい。

    【第(2)類医薬品】エスエス イブ 36錠

     お客様が酔い止め薬の棚の前で迷っていたので声をかけたところ、息子さんが使うそうで、普段は使ったことが無く、水無しで眠くなりにくい物をと要望された。
     しかし息子さんは海外に行くと分かり、飛行機に乗るのであれば眠気を催す物の方が良い事をお話しし、『センパアトラベル1』を案内して、お買い上げ頂いた。
     他に息子さんは、『ウオノメコロリ』の液剤を使っていたそうで、絆創膏タイプを使ってみたらイマイチだったとのお話があった。
     おそらく、『ウオノメコロリ』の液剤には皮膚を柔らかくする成分が入っているのに対し、絆創膏タイプには入っていないから、そう感じるのだろう。
     さっきの『イブ』と同じで、同じ銘柄での処方の違いを知らないのだと思われ、私が「まず相談を」と繰り返し書いているのは、「いつも使っている」という薬をどの程度理解しているのかを確認するためでもある。
     足のイボについては以前に病院で液体窒素での処置を勧められたそうだから、やはり専門家の意見を聞くために再受診するように勧めた。
     それから、海外に行くのであれば塗り薬のステロイド剤と抗生物質があった方が安心なので、家に置いてあるなら持たせるよう勧めた。

    created by Rinker
    横山製薬
    ¥1,480 (2024/04/23 15:03:14時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 褒められると伸びるタイプなので、積極的に褒めて下さい

     お客様から、うがい薬を求められたので現に喉が痛む時には殺菌成分は刺激物でもあるから、むしろ避けた方が良いことをお話ししたところ、使うのは家族とのことで本人に電話をしていただくと、喉がイガイガするという。
     また、痰が喉に落ちて咳にもなるというため胃を悪くしている可能性をお話しして、患部を冷やしながら潤す『龍角散ダイレクトスティック』を紹介すると、そちらをお買い上げいただいた。
     うがい薬を考えたのは本人がトローチを嫌がるからとのことだったが、薬の形より成分が大事なことを伝えた。
     それに、殺菌消毒を目的にしたうがい薬を使いすぎると、体を守る菌まで倒して無防備になってしまう。

     お客様から『葛根湯』の質問を受け、適しているのは上半身を温めると良くなる症状であり、具体的には鼻水が出るとか肩が凝っているときなどで、反対に温めると具合が悪くなる喉の痛みや咳がある時には使えないことと、発熱してからでは遅いため早め早めに使うのが効果的であることを説明すると、購入された。
     また、『葛根湯』とは反対に冷やして症状が良くなる場合に用いる『銀翹散』と、発熱したり体の節々が痛む時に使う『麻黄湯』と、熱が下がった後にぶり返すのを防ぐために体を支えたり、疲労感や吐き気がある時に適応する『柴胡桂枝湯』も紹介した。
     それから、ご主人が一週間ほど咳が続いていて、もともと喘息があるというので空咳は胃炎の可能性もあることをお話しして、胃に優しい食事をするのが養生法であることを説明した。
     さらに、子供が透明な鼻水が出るというため、それは内臓が冷えていると考えられるので積極的に温かい物を飲食し、入浴をさせてから下半身を厚着させるように勧めた。
     お客様からは、「医者より分かりやすかった」と言ってもらえて恐縮。

    created by Rinker
    クラシエ薬品
    ¥1,630 (2024/04/22 23:30:58時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 薬での眠気を避けたい場合には、漢方薬が使えると候補が増えて便利

     お客様に、『フェイタスZαジクサス』の試供品をお渡しするさいに、内服薬との併用に気をつけるように伝えたところ、お客様は血圧の薬を服用してるそうだが、自分では使わないとのことだった。
     注意事項の多い薬も案外と試供品としてホイホイ配ってることがあるから、受け取ったら必ず記載されている事項を確認してもらいたい。

     常連のお客様から、高校生の息子さんの風邪薬の相談を受けた。
     主訴は鼻水と鼻づまりに喉の痛みがあるとのことで、カプセルは飲めないというお話だったが、咳は無く家に『バファリンルナi』があるというので、カフェインが入っていない鼻炎薬との併用を提案したところ、眠くなりにくい物をというご希望から『葛根湯加川きゅう辛夷』を紹介したけど、漢方薬は嫌がるかもというため『コルゲン鼻炎フィルムクール』を案内し、後者を購入された。
     眠気を避けたいというときに、漢方薬が使えないというのは困る。
     入浴はしているというので、鼻炎の症状にそれは良いことと伝え、鼻の不具合は胃も関係するので、食事は噛まないで済む口の中で崩れるの物をと勧めた。

     

  • 薬と化粧品の区別がついていない患者さんは多い

     お客様が『葛根湯』を購入されるさいに、体を温めると悪くなる症状に使えないことを伝えた。
     例としては、喉が痛い時と咳がある時、そしてすでに発熱してる時である。
     喉の痛みは余計にヒリヒリしてしまい、咳は激しくなって、発熱していたらもう温める必要が無い。
     だからこそ、内臓が冷えてると出る鼻水や、血行不良の肩こりなどに向いていて、寒い日に薄着で出かけてしまった場合にも使えるから、家に置いておくより持ち歩くよう勧めた。

    created by Rinker
    クラシエ薬品
    ¥1,630 (2024/04/22 23:30:58時点 Amazon調べ-詳細)

     お客様から「手荒れの塗り薬を」と注文されたので売り場を案内すると、「いつも使ってるチューブのが無い」というため化粧品売り場にお連れしたところ、見つけたようだった。
     内容を確認するとビタミンAと素の入った物だった。
     一旦他のお客様の対応で離れて戻ってみるとまだいらしたので、手荒れへの対応は『ワセリン』などの油で表面を覆って水分の蒸発を防ぐのと、ヘパリン類似物質などで血流を良くして潤すのと、水分を捕まえておく尿素を使うのが代表的な三つの方法だと説明した。
     お客様はシャワー派だというため、皮膚の再生には体を温かく保ち、血流を良くすることが大事だから入浴した方が良いとお話ししたうえで、太い血管が通っている背中側にシャワーを浴びるよう勧めた。

     

  • 患者さんに、マラソン大会に出るのをやめさせるべきかどうか

     お客様が『ベンザブロックL』をレジに持ってきたけれど、今の主訴は喉の痛みと咳で、数日前に発熱した時に同じ物を使っていたというため、もう使うタイミングは過ぎていることをお話しした。
     そして『ベンザブロックせき止め』を案内したところ、明日のマラソン大会に出たいとのお話だった。
     途中リタイヤも念頭に置くように念押ししたうえで、『ルキノンせき止め』をお買い上げとなった。
     お客様が持っている買い物袋に食料が大量にあるのが目に入ったので、咳が続くのは内臓の炎症が続いていると考えられるため、負担を軽減するのに消化しやすい食事にして量を控えるよう勧めた。
     風邪をひくと体力をつけようとしてガッツリ食事をしようとする人がいるけれど、消化をするのにもエネルギーが必要だから、あまり食べない方が良いんである。

     お客様が『葛根湯』の液剤を購入され、風邪の気がするというので「今が絶好のタイミングです。家に帰る前に飲んで下さい」と伝えた。
    「風邪の初期には葛根湯」と言われてるけど、症状がハッキリしてからでは遅く、早め早めに使うのが効果的。
     また、喉が痛む風邪の初期に使う『銀翹散』と、発熱時に用いる『麻黄湯』、そして解熱後の『柴胡桂枝湯』を紹介し、風邪をひいたと思ったら初期から食事を消化の良い物にするよう、お話しした。
     それから『葛根湯』は、顆粒や錠剤の方が持ち歩きしやすく、早め早めに飲むのに適していることを伝えると、「詳しくありがとう」と言ってもらえた。

    created by Rinker
    クラシエ薬品
    ¥1,077 (2024/04/22 23:41:40時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 総合胃腸薬は、胃酸が出るのを抑える制酸剤と消化を助ける消化酵素が一緒に入っているカオスな処方

     お客様から『タイレノール』を求められ、お買い上げいただいたけれど、頭痛や喉の痛みに使っているというので炎症には弱いことを説明して、喉の痛みには『ペラックT』との併用を勧めた。
     それから、頭痛にもズキズキするタイプの偏頭痛や、締め付けられる肩こりと連動したタイプ、朝方に頭が重くて午後になるにつれ楽になるタイプなど種類があり、それらによっても適応する鎮痛剤や対処法が変わってくることも伝えた。
     ズキズキするタイプは胃の不具合と関係するから胃の負担が軽いとされるアセトアミノフェン製剤の『タイレノール』が向いていると考えられ、食事は消化しやすいものが良い。
     漢方薬では、『呉茱萸湯』『五苓散』などが候補となる。
     肩こりと連動した締め付けられるタイプは、上半身を温めて血流を改善するのが良いので『葛根湯』が候補になるし、鎮痛剤は末梢神経に作用するアスピリン製剤の『バファリンA』が効果的。
     朝方に頭が重くて午後に軽くなるようならば、血圧と関係すると考えられるるので、鎮痛剤を使うよりも初めから漢方薬の『釣藤散』『七物降下湯』を使った方が体にも良いだろう。
     こう考えると、鎮痛剤としてはイブプロフェン製剤や同系統の『ロキソニン』は、やはり万能なんだなと思ってしまう。

     お客様が『第一三共胃腸薬』を人から頼まれたというのだけれど、誰が使うのか教えてもらえず、患者がどんな症状かは分からないというので、売って良いものか迷った。
     『第一三共胃腸薬』に限らず総合胃腸薬は、胃酸が出るのを抑える制酸剤と消化を助ける消化酵素が一緒に入っているという、わりとカオスな処方内容なので、症状に合わせた薬選びも重要なことを伝えたうえでお買い上げいただいた。
     また、胃の症状を簡易的に鑑別する方法として、お湯を飲むと水を飲むのとでは、どちらが楽になるのかを確かめるというのを教えた。
     お湯を飲んで楽になるようならば、胃が冷えているか疲れていると考えられ、健胃剤の入っている胃腸薬がお勧め。
     水を飲んで楽になるようであれば、胃炎を起こしていたり胃熱の状態なので、制酸剤が入っているか胃の内壁を保護する成分の入っている物が望ましい。
     お客様は、「伝えてみます」とのお返事だった。

    「ホントは難しい胃薬の選び方」

    「ホントは難しい胃薬の選び方」

     

  • 『冷えピタ』や『熱冷まシート』などの冷感商品は、冷たく感じるだけです

     小さな子供から『冷えピタ』の場所を訊かれたので売り場を案内したところ、母親が現れ、ご主人が発熱していて今は37度くらいで今日からというため、38度を超えるようなら水枕を使うようお話ししたうえで、お買い上げいただいた。
     そして、家に『葛根湯』があれば使ってみてはと提案したところ、ご主人が肩こりに使かってるというので早く飲むようにと伝えた。
     また、『葛根湯』は温めると悪くなる症状には使えないことを伝えた。
     具体的には、熱が上がってきてからでは遅いし、喉の痛みや咳があると余計に症状を悪化させてしまう。
     なので、それらに該当する症状の場合は、反対に冷やす『銀翹散』を用いる。
     熱が高くなってきたり体の節々が痛むようであれば、『葛根湯』から『麻黄湯』に乗り換えることと、熱が下がってきたら体力を回復するために『柴胡桂枝湯』へと繋ぐのが良い。

    created by Rinker
    ¥1,334 (2024/04/22 23:42:42時点 楽天市場調べ-詳細)

     高齢の母親に頼まれたとのことで、お客様から『メンソレータムAD』と『メンタームEX』の違いを尋ねられた。
     名前が似ていて、どちらを頼まれたのか分からないというので、痒み止め成分が入っているのは同じで、後者には水分を皮膚に留める尿素が入ってることを説明した。
     未開封であれば返品を受け付けますと伝えたが、結局どちらを頼まれたのかが分からず、返品は面倒くさいからと、お帰りになられた。

    created by Rinker
    メンソレータム皮膚用薬
    ¥819 (2024/04/23 11:07:00時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 『OS-1』は他の経口補水液とは、ちょっと違うから注意が必要

     お客様が『OS-1』を買いにいらして、他の経口補水液と売り場を分けている理由を質問されたので、カリウムやマグネシウムの他にリンも入っているため、発熱時か熱中症の症状が見られる時以外に常用すると、腎臓への負担が大きくなって健康を害することがあるからと説明した。
     また、パッケージには「医師、薬剤師、管理薬剤師」の指導のもとで飲むようにとの注意書きがある。
     自己判断で飲んでは駄目なんである。
     つまり予防的に飲む物ではないのだが、そういう目的で毎日飲もうとする人もいるので、同じ人が繰り返し、あるいは大量に購入しないかを注意しておくために、売り場を分けるよう保健所から指導されている。
     また、スポーツ飲料とされている『ポカリスエット』と『アクエリアス』も微妙に内容が異なっていて、前者の方は普段から運動している人向け、後者の方はあまり体を体を動かさない人に適しているとされている。

     お客様から『葛根湯』の液剤の在庫がもっとないか尋ねられたが、『葛根湯』は短期的に使う物で、なおかつ上半身を温めるから喉が痛い時や咳がある時、そして発熱してからでは使えないこと、さらに早め早めの服用が効果的だから、持ち歩きにくい液剤より錠剤や顆粒の方が良いと考えることをお話しした。
     それに液剤だと、1日分で錠剤や顆粒の数日分の価格だから、費用面で考えるとモッタイナイ。
     そしてお客様には、発熱した時には『麻黄湯』に乗り換えて、疲労している時や熱が下がってから使う『柴胡桂枝湯』も紹介した。
     すると今回は顆粒タイプの『葛根湯』を購入され、「早め早めですね」とおっしゃられたので、「その通りです」と答えた。
     ちなみに、『葛根湯』と反対に上半身を冷やして風邪の初期に対応する物として『銀翹散』があるので、両方を常備しておくのもオススメ。

    created by Rinker
    クラシエ薬品
    ¥1,077 (2024/04/22 23:41:40時点 Amazon調べ-詳細)
     

  • 現代薬と漢方薬のどちらを選ぶ? 両方入ってるほうが安心?

     子供を連れたお客様が『改源』の顆粒と錠剤を見較べていていて、『葛根湯』も見ていたので気になり声をかけたところ、家族で共同で使う風邪薬を探していて、現代薬だけでも漢方薬だけでも嫌とのお話だった。
     つまり、生薬配合の現代薬を探してて『改源』に興味を待ったということなのかな。
     ただ、生薬だから漢方薬とは限らなくて、すでにある漢方薬と現代薬を合わせた物と、現代薬に生薬を加えた物は、これまた違う。
     私は、現代薬でも漢方薬でも同じように使う方針だけれど、どちらに偏るのも嫌というのも、偏ってる気がしないでもない(^_^;)
     それと『葛根湯』は案外と使うタイミングが難しく、一般的には「風邪の初期」と言われているが、その初期というのは「頭が重い気がする」とか「悪寒がした感じがする」というように、症状がハッキリしない段階で早め早めに使うのが良い。
     そしてまた、上半身を温めて症状を改善するので、内臓が冷えていると考えられる鼻水などには適応するが、反対に上半身が炎症していると起こる鼻づまりの時や喉が痛い時、そして咳がある時には使えないし、発熱してからではもう遅い。
     なので、発熱し始めに使う『麻黄湯』と、解熱後にぶり返しを防ぎ体力を維持する『柴胡桂枝湯』も紹介した。
     お客様には、薬を家族みんなで使いたいと思う気持ちは分かるものの、同じ家族でも性別や年齢が違えば体質も異なり、症状も同じとは限らないから分けた方が良いという考え方もあることをお話ししたところ、本日はお帰りになった。
     お客様が帰ってから、上半身を温める『葛根湯』とは反対に、上半身を冷やして喉の痛みのある風邪の初期に用いる『銀翹散』を紹介するのを忘れてしまったのを思い出した。

     お客様が『プレコール持続性せき止めカプセル』と『ブロン錠エース』を比較していて前者を購入されるので、念のためヒアリングした。
     咳止め成分の比較でいえば、前者の方が体への負担が少ないと考えられるが、咳が激しくて眠れないぐらいであれば後者の方が向いているので。
     風邪の後に咳だけが残ったとのことだったが発熱はしなかったそうで、咳は乾いた音がするようだから胃炎を起こしてる可能性を伝えた。
     そのため咳によるエネルギーの消耗で食欲が湧いても、食べ過ぎないように気をつけて、消化に良い食事をするよう勧めた。