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  • 発熱しても、すぐに下げちゃいけない? 解熱剤は使うタイミングの検討を

     お客様が『HPこどもかぜ薬』と『ムヒこどもせきどめシロップ』と『熱さまシート』をレジに持ってきたけれど、4歳の子供が鼻炎と咳がして、家に子供用の『バファリン』があるというので、『ムヒこどもせきどめシロップ』が併用できることをお話すると、『HPこどもかぜ薬』はキャンセルとなった。
     総合風邪薬は解熱鎮痛剤と鼻炎薬と咳止めの入った、いわば「全部乗せ」だから、他の薬を用意しておく必要は無い。
     ところが、風邪だからといって複数の症状がいっぺんに出るということは滅多に無いから、総合風邪薬では使いどころに困ることもある。
     だから、解熱鎮痛剤と鼻炎薬と咳止めはバラバラに用意しておいたほうが対応しやすい。
     全部乗せのほうがお得感があって便利に思えるかもしれないが、体の方は起きていない症状の成分も処理しなければならず、余計なエネルギーを消耗してしまう。
     なお、もし発熱しても解熱剤を使うには、本人の状態を確認し、タイミングを検討する必要性があることを説明した。
     発熱は免疫機能を高めてウイルスを退治したり、壊れた細胞の修復のために血行を良くするためでもあるので、あまりに早く薬を使ってしまうと長引く原因になりかねない。
     それは、ジャンプをしようとしゃがんだところを蹴り倒すとか、喧嘩の仲裁をするのに味方だけ取り押さえて敵からボコられるようなもの。
     目安としては、発熱の準備である悪寒が終わり、熱が出る一方で汗をかいているか、発熱していても元気そうにしていたのが過ぎてだるそうにしている、あるいは体温が38度を超えたら、解熱する。
     本格的な解熱には体感を涼しくするだけの『熱さまシート』や『冷えピタ』などでは力不足なので、水枕を使うようお話した。
     また、心配な場合は地元の救急医療情報センターに電話相談するよう勧めた。
     24時間対応で、病院を受診するべきかどうかや、その時間帯に受診可能な病院を教えてもらえる。

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     中国人の夫婦のお客様から下痢止めを求められたけれど、奥さんは妊娠3ヶ月で腹痛もあるというため担当医に相談するよう勧めたが、来日したばかりで決まっていないとのことだった。
     下痢止めの多くは、内臓の機能を低下させるロートエキスの入った処方なので、実はあまり気軽に使える物ではない。
     腸の働きを整える『正露丸』でさえ、大幸薬品以外の物だとロートエキスが入っていることがある。
     今回は、胃腸炎に用いる『柴胡桂枝湯』を案内したところ購入され、地元の救急医療情報センターの電話番号を教えた。
     それから、治るまでは形のある食事は良くないので、インスタントスープなどで過ごして、無理に栄養を摂ろうとせずに食事を控えるよう勧めた。
     脱水症状を避けるために、塩分と水分の補給は必須。

     お客様から『ロキソニン』を求められ、近くのお店も薬剤師が帰ってる時間なことを説明した。
     主訴は歯痛で、ロキソプロフェンと化学構造式の似たイブプロフェン製剤での対応も検討するようお話したところ、まだ家に残ってるとのことでお帰りになった。
     『ロキソニン』は歯科医で処方され、以後は市販薬で良いと言われたとのこと。
     歯科医院が『ロキソニン』を指定したのかまでは分からないけど、薬剤師のいるお店で勤務時間中しか買えないことや、特に指定が無ければ店頭で相談するようにというところまで患者さんに説明しておいてもらいたいところ。
     まぁ、中には何を説明されても「聞いてない」という困った患者さんもいるけど。
     歯痛であれば、「痛い場所に効く」アスビリン製剤の『バファリンA』の方が良いように思えるし、『ロキソニン』は効くのは早いが抜けるのも早いから、突発的な頭痛ならともかく痛みが長く続くシチュエーションには向かないとも考えられる。

     

  • 薬の購入はお客様が決めることなので、プラスαの情報を提供できるかどうかが鍵

     お客様から『ロキソニン』を求められ、薬剤師のいる店舗でないと置いていないと伝えると、今度は整腸剤を希望されたのでヒアリングしてみると、家族が下痢になっているらしい。
     食事はせずに『ポカリスエット』を飲ませているというため「良い選択です」とお話して、むしろ余計な薬も飲ませない方が良いのではと提案した。
     そのうえで胃腸炎の可能性もあるため『柴胡桂枝湯』を案内したところ、そちらを購入された。
     水で飲むと、腸が体温より低い物を受け付けないため、あまり吸収されずに排出されてしまうかもしれないので、小皿にお湯入れて溶き、スプーンで舐めるように飲む方法を教えた。
     結局、最初の『ロキソニン』については用途をヒアリングできなかった。
     早く良く効くから、あるいは病院で処方されたことがあるからという理由で選ぶ人がいるようだけれど、『ロキソニン』は効くのが早い代わりに抜けるのも早く、急性の頭痛には向いているけれど、生理痛のように長く続く痛みには1日に飲める回数が制限されていることを考えると不利な面がある。
     また、ロキソプロフェンナトリウムはイブプロフェンと化学構造式の似た親戚同士とも言えるので、『イブ』や『リングルアイビー』などでの代用も可能だから、医師や薬剤師から「あなたはロキソニンじゃないと駄目」という指導を受けていなければ、こだわる必要性は低いはずである。

     お客様から口の中を火傷(ヤケド)したとの相談を受け、一週間前のことで痛くて目が覚めてしまうというため、強い炎症を抑えるステロイド剤の『オルテクサー軟膏』と、皮膚の再生に内服薬の『トラフルBBチャージ』を案内し、ミント味の涼しい感覚も痛みを和らげるのに役立つと説明したところ『口内軟膏大正クイックケア』をお買い上げいただいた。
     ミント味やメントールの冷感が苦手という人がいるけれど、人間は痛みより寒さのほうが生命の脅威となるため、冷感に敏感で痛みが誤魔化されるという利点がある。
     お客様には、皮膚の再生を促すために冷たいの物も避けることと、具が少なくても皮膚の材料となる野菜を摂れる、細切りにした野菜を冷凍して作るスープの作り方を教えた。
     皮膚の再生は体内を温かく保ったほうが、材料を運ぶ血流が良くなり細胞が活性化するため、入浴なども養生法となる。
     そして、細切れにした野菜を冷凍すると細胞が壊れて、お湯に入れたさいにあまり茹でずにスープに栄養が出つつ食べやすいサイズなので、口の中を傷つけずに済む。

     お客様が総合風邪薬の『パブロンSα』を購入されるさいにヒアリングすると、すると喉の痛みの他に咳は無いというため、処方内容が喉の痛みには弱く、それでいて咳止め成分は覚醒剤系と麻薬系でリスクが高いことを説明し、喉の炎症を抑える『パブロントローチAZ』と『ペラックT』の他に鎮痛剤を提案してみたけれど、そのままお買い上げとなった。
     ただ、一週間ぐらい前に一度発熱して下がってからも続いているそうだから、本当は総合風邪薬を使うのやめてもらった方が良いのだけれど。
     咳止め成分の副作用も鼻炎薬の副作用も、体内を乾燥させてしまうことなので、それが喉の痛みの原因となっている可能性が考えられる。
     お客様には、喉への刺激を少しでも避けるために、噛まないで済む食事をするよう勧めた。

     

  • 総合風邪薬をあれこれ選んでも意味が無い? 咳の有無を確認してから、症状の順位づけを

     お客様が『葛根湯』と『ポビショット』をレジに持ってきたさいにヒアリングしてみると常備薬にするというので、後者は消毒系の喉スプレーなことを説明し抗炎症剤のアズレン製剤の方が適してることを伝えると『アズリートスプレー』に変更となった。
     また、『葛根湯』は上半身を温めて症状を改善するのが特徴なため、温めるとかえって具合の悪くなる喉の痛みや咳には向かないことをお話して、反対に上半身を冷す『銀翹散』を紹介した。
     また、同様に発熱してからでは『葛根湯』を使うのは遅いので、持ち歩いて早め早めに服用したり、出先の寒さ対策に使うよう勧めた。
     常備薬という点では、発熱したら乗り換える『麻黄湯』と、解熱後の低下した体力を下支えするために『柴胡桂枝湯』があると万全である。

     お客様から瞼のかぶれに『カユピット』を求められ売り場を案内したけれど、目元も赤く炎症してるようだったので痒み止めと抗炎症成分の入った目薬を塗る方法を提案した。
     いくら『カユピット』が目の周りに使えると言っても、目のキワはさすがに避けたほうが良い。
     ところが、そこで他の登録販売者さんが何故か抗菌目薬を案内したため、抗菌目薬の『アイサット』を購入された。
     まぁ、『アイサット』も抗炎症成分が入ってるけれど。
     お客様ご本人は、化粧のせいかもとのお話だった。

     お客様が『ルルアタックEX』と『パブロンPro』に『ヒストミンゴールド液プラス』を購入されるのでヒアリングしたところ、家族2人が喉の痛みを訴えているとのことなのだが2人とも咳は無く、家に無印の『イブ』があるというため、そちらを先に使うよう勧めた。
     つい家族で同じ薬をと考えがちなところを別な薬を選択するというのは良い判断なのだけれど、総合風邪薬は一部の例外を除いてどれを選んでも必ず咳止め成分が入っており、残念ながら分ける意味があまり無い。
     そして代表的な咳止め成分は覚醒剤系と麻薬系で、おのおの副作用はそのまま引き継いでいるため、咳が無いのに風邪薬を使うというのはデメリットしか無い。
     喉の痛みならば鎮痛成分だけあれば、充分なんである。
     お客様には、『ヒストミンゴールド液プラス』のようにノンカフェインのドリンク剤は体を休めるうえで良い選択なので、食事も内臓を休めるために胃腸に優しい食事にするよう伝えた。

    ヒストミンゴールド液プラス 30ml×10
     

  • 子供が寝込んで動けないという状態でなければ、やっぱり本人と対面できるのが望ましいです

     子供を連れたお客様が『ムヒこどもせきどめシロップ』と『浅田飴子供せき止ドロップチ』を見ていて、子供が湿った音の咳をしていたため気にかけていたところレジに来て「この2つが良い」とママ友から聞いたと相談された。
     そのママ友の子供はどんな咳をしていたのかを尋ねると「分からない」というので、人から薬を勧められても症状や体質など条件が異なることを説明した。
     今回は『ムヒこどもせきどめシロップ』を勧めつつ、子供は入浴させずシャワーで済ませており、理由が節約のためとのことから、湿った音の咳は内臓が冷えていることが原因と考えられ、体を温めると軽減する可能性をお話しすると今回は取りやめとなった。
     子供が湿った音の咳をしていたことには、気がついていないようだった。
     入浴するのが一番ではあるけれど、シャワーの場合は太い血管の通っている背中側に集中的に浴びると血流が良くなり、体が温まることを教えた。

    【第(2)類医薬品】浅田飴 浅田飴子供せきどめドロップG(ぶどう味) 30錠

     家族連れのお客様が来店し、『新コンタックかぜ総合』をレジの持ってきたけれど、患者は8歳の子供で、体のだるさと発熱はあるものの咳は無いというため解熱剤を提案すると、家に『バファリンルナJ』があるというので先に使うよう勧めたうえで、体力の維持に『柴胡桂枝湯』を紹介したところ粉は本人が飲めないということから、漢方薬つながりで『葛根湯』の錠剤も案内した。
     すると、お客様が本人に確認して『葛根湯』に変更となった。
     上半身を温める『葛根湯』は、体がだるい時には向いていないものの、咳は無いので使えると判断した。
     基礎体力がある子供ならば、血流が良くなってだるさが解消される可能性もある。
     お客様には、本人を連れてきてもらえるとヒアリングができて良いことを伝えた。
     もちろん寝込んでいたら話は別だし、もし子供を家に置いてくる場合には連絡を取れるようにしておいてもらえると助かる。
     そしてお客様には、体を休めるのは内臓も含めてとお話して消化に良い食事にするよう勧めた。

     お客様が『パブロンキッズかぜ錠』をレジに持ってきたけれど、8歳の子供の症状は発熱のみというので解熱剤を勧めて『バファリンルナJ』に変更となった。
     風邪薬は、解熱鎮痛剤・鼻炎薬・咳止めの全部入りで、体の方は起きていない症状の成分も処理しなければならず、それにより無駄に体力を消耗して風邪が進行してしまう可能性があるから、起きている症状に絞った薬を選んだほうが良い。
     また、ぐったりしていなければお風呂に入って自力で発熱するエネルギーのロスを減らした方が体力の維持につながることを伝えた。

     

  • 市販の薬選びは、連立方程式を解くより足し算引き算で考えたほうが楽だと思います

     お客様が『ペラックスイート』を選ばれたけれど、喉の痛みに使う『ペラックT』と違い咳に向いていることを伝えると、主訴は喉の痛みで以前に『ペラックT』を使ったことがあるというため今回もと勧めたところ、喉飴を希望された。
     しかし『浅田飴』も『南天のど飴』も、やはり痛みというよりは前者は咳き込む場合に、後者は呼吸しづらいときに喉を開くのに適しているため、抗炎症成分で構成された『パブロントローチAZ』を紹介したものの、スーッとするのが嫌とのとこだった。
     スーッとするのはメントールが入っているからで、『ペラックスイート』にもメントールが入っていることを伝えたところ取りやめとなりお帰りになった。
     ううむ、難しい。
     お客様の希望に答えたいとは思うのだけれど。
     メントールが入っている理由は、スッキリ感のためというだけではない。
     人間の神経は、痛みより先に冷たさを感じるように発達しているからなのだ。
     おそらく一時的な怪我などの痛みより、寒さのほうが生命の危機に直結するからだろう。
     私も子供の頃にはメントールの味が苦手だったが、冷感の効果を知ってからは気にならなくなった。
     取りやめとなって帰るまでの判断が早かったから、そういうお話や喉が痛む場合の養生法まで伝えられなかった。
     単純に、患部を刺激しない柔らかな食事に切り替えるだけでも、喉の痛みを軽減できるのだが……。

     若いお客様が『パブロンゴールドA』をレジに持ってきたので咳の有無を確認したところ、色のついたら鼻水と喉の痛みがあるとのお話だったが、鼻汁が喉に落ちてくるともいう。
     鼻汁が喉に落ちてくるのは、胃を悪くしていると考えられる。
     激しい咳込みに適応する成分の入った総合風邪薬より、主訴に合わせて鼻炎薬を提案したうえで、喉の痛みの効能もあることを説明したところ『パブロン鼻炎カプセルSα』に変更となった。
     お客様はシャワー派とのことだったが、入浴する方が良いとお話したうえで浴び方を教えた。
     患部が炎症する理由は、身体が免疫機能を活性化させたり血流を良くして不要なものを回収し修復する材料を分配するため。
     冷たい物を飲食すると喉には気持ち良いかもしれないが、体の方は「もっと頑張って炎症しなきゃ」と抵抗してしまう。
     だから、体を温めて支援してやるほうが炎症は弱まる。
     お風呂に入るのが一番手軽だが、どうしても入浴できないのであれば太い血管の通っている背中側に集中的にシャワーを浴びれば、前から浴びるよりは体を温めることができる。

     子供を連れたお客様が風邪薬の棚を見ていたところに声をかけてみると常備薬にするとのことで、家にはアスピリン製剤の『バファリンA』とアセトアミノフェン製剤の『タイレノール』があるというため、総合風邪薬ではなく鼻炎薬と咳止めを別々に揃えておく方法を提案した。
     すると「強い風邪薬は?」と尋ねられたので『パブロンPro』を案内したところ、そちらを購入されてしまった。
     そもそも薬は強弱よりも「体の中で何をするのか」の方が重要で、強ければ良く効くという物ではないし、弱いから副作用の心配が要らないという物でもない。
     『パブロンPro』を例に挙げれば、解熱鎮痛成分のイブプロフェンが濃く、痛みの伝達物質であるプロスタグランジンの生成を抑えるが、この物質は胃の保護を指示する役割もあるため、熱を下げ痛みを緩和することはすなわち、胃の保護機能も止まる。
     咳止め成分のジヒドロコデインリン酸塩は、中枢神経に働きかけて咳を抑えるが、それはすなわち呼吸を浅くして息苦しくすることになるし、他の内臓機能も低下するから心臓の拍動が弱まり、体に水を適切に貯めることができずに乾燥して便秘を招いたり、むしろカラ咳の原因ともなりうる。
     同じく咳止め胃成分として入っているdl-メチルエフェドリン塩酸塩は、気管支を開いて呼吸をしやすくし、血管も拡張して血流を良くするので、一見するとジヒドロコデインリン酸塩による副作用に対抗できるように思えるかもしれないが、それは眠気を催す鎮静成分の入った鎮痛剤にカフェインも加わっているからといって眠気を防ぐことができないように、双方の副作用が出るだけ。
     dl-メチルエフェドリン塩酸塩の副作用は、血圧を上昇させて心臓に負担がかかることや、覚醒剤として働くので高揚感が治っていない体でも大丈夫と錯覚させてしまう。
     それらを踏まえて、使わなければならないほど症状が激しいのか検討しなければ、ただ強い薬を備えておいてもリスクのほうが上回ることになりかねない。
     鎮痛剤と鼻炎薬と咳止めを別々に揃えておく利点は、期待する効果とリスクのバランスを計算しやすいことなんである。
     症状別ならば足し算引き算で済むのが、成分の種類が増えるといきなり連立方程式になり、起きてる症状と起きていない症状や体質との関係、生活スタイルなど代入する要素も増えて複雑な計算が必要となる。
     総合風邪薬は、必ずと言ってよいほど咳止め成分が入っていてリスクの算定が難しい、使い勝手の悪いことこのうえない。
     お客様には咳止め成分の入っていない数少ない風邪薬として『PL顆粒』を紹介したところ、新型コロナウイルスの話題が出たため、風邪薬としては体力の維持に働いてくれる『柴胡桂枝湯』を案内したら、そちらも一緒に購入された。
     提供した情報から、お客様が何を選ばれるのか、まったく予想がつかない。

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  • 新型コロナウイルスは「ただの風邪」って本当? 油断すれば危ないのは同じです

     子供を3人連れたお客様が咳止めの棚で見較べていたので声をかけてみたところ、以前に使っていた常備薬を忘れて思い出せないとのお話だった。
     処方構成的に症状が重い場合の順に『パブロンせきS止め』、『プレコール持続性せき止めカプセル』、『コンタックせき止めW』を紹介すると、『プレコール持続性せき止めカプセル』の購入を決められた。
     そして仮に、新型コロナウイルスに感染し自宅で様子を見ることになった場合はどうすれば良いか相談を受けた。
     新型と呼ばれていても、もともと風邪をひいた人の2割くらいはコロナウイルスが原因とされている。
    「だだの風邪」は言い過ぎとしても、風邪をこじらせれば肺炎になるのと同じように、基礎疾患が無ければ対応策は風邪をひいたときと同じく体を休めて体力の維持に努めること。
     ただし体力をつけようとガッツリ食事をするより、消化に余計なエネルギーを使わずに済むよう消化に良い食事を腹八分目とするのが望ましい。
     病院から処方された薬があればそれを使うことになるだろうが、下支えする薬として『柴胡桂枝湯』を紹介すると一緒に購入された。
     それから、風邪の後に咳だけ残ったという場合、発熱による胃炎など内臓の熱で体内が乾燥している可能性を伝えた。

     お客様が『のどスプレーポビショット』をレジに持ってきたけれど消毒系であることを説明し、現に喉が痛むのであればと抗炎症作用のあるアズレン製剤を提案したところ価格が高いと思われたようなので、『のどスプレーポビショット』と同じ価格帯で同じくアズレン製剤の『マードレトローチ』を紹介した。
     剤形は変わっても、同じ成分の薬は同様の効果を期待できる。
     それは同時に、剤形が同じだからといって成分が違えば適応する用途が異なる。
     お客様の主訴は喉の違和感程度とのことで、用途はもちろん価格や剤形などはお客様の選択ですとお話したところ、アズレン製剤の喉スプレーである『アズリート』をお買い上げいただいた。
     お客様には、適応しそうな方を選んでもらえると私も安心ですと伝えた。
     喉の養生法として、胃炎を起こして違和感がある場合を想定し、消化に良い食事をするよう勧めたけれど、そちらには興味は示されなかった。

     常連のお客様が、手の皮が剥けてテニスをするのにどの絆創膏が良いかとという質問を受け、水絆創膏を紹介したうえで厚手の絆創膏である『ケアリーヴ』を案内すると、テーピングと一緒に購入された。
     手に密着する手袋は、買ってあるとのことだった。

     お客様が『スクラート胃腸薬』を購入されるさいにヒアリングすると、常備薬にするというので、お湯と水のどちらを飲んで胃が楽になるのか調べる簡易的な鑑別の方法を教えた。
     お湯を飲んでジンワリと楽になるようなら、胃が冷えているか疲れていると考えられ、同じシリーズでも『スクラート胃腸薬S』の方が適応し、無印の『スクラート胃腸薬』は水を飲むと楽になる胃炎タイプに向いている。
     でもお客様は、特に薬の処方内容を気にしていない様子だった。
     とりあえず、情報を提供するという最低限の義務は果たしたからヨシ(・´з`・)

     

  • 風邪の初期に備えるのなら『葛根湯』と『銀翹散』の両方があると安心です

     お客様から初めは『葛根湯』のドリンク剤をと注文されたけれど、主訴は喉の痛みと微熱で、『葛根湯』がどんな物なのか知らないというため、『銀翹散』と比較して説明した。
     一般に「風邪の初期には葛根湯」と言われているが、この「初期」というのは症状が現れてからでは遅い。
     なんとなく「悪寒がする……気がする」とか「頭が重い……かな?」といった、予兆の段階、早め早めに使うのが効果的。
     そしてその特性は、上半身を温めて血流を良くすることだから、さきほどの悪寒の他に鼻水など「温めると具合が良くなる」症状に適している。
     反対に言えば、体を温めて具合が悪くなる症状には向かなくて、喉の痛むときだと余計にヒリヒリして、咳があったらますます咳は酷くなり、発熱していたらもう温める必要は無い。
     その反対の症状に適応するのが『銀翹散』で、上半身を冷すことにより喉の痛みや鼻づまりに使えるから、風邪の初期に備えるのなら『葛根湯』『銀翹散』の両方があると安心。
     発熱して体の節々が痛むような風邪の中期には『麻黄湯』を、熱が下がって疲労回復の目的には『柴胡桂枝湯』を用意しておくとなお良し。
     胃腸虚弱だったり、微熱から熱が上がらないまま低空飛行になりがちな人は、最初から最後まで『柴胡桂枝湯』を使うという手もある。
     どうやら今回のお客様は、『葛根湯』を栄養ドリンクのたぐいと思っていた模様。
     ただ、当たらずとも遠からずと云えなくもない。
     朝はだるいとか、目覚めがスッキにしない場合に使うと、血流が良くなってシャッキリとする。
     お客様は家に、総合風邪薬の『パブロン』リーズのどれかがあるからドリンク剤だけ欲しいという話になり、あまり価格の高くない物をお望みのようだったのでコストパフォーマンスの高い物として『キューピーコーワαドリンク』を紹介したところ購入された。
     総合風邪薬は咳が酷くなるまでは飲まない方が体に良いとお話して、鎮痛剤もあるというため併用できる『ペラックT』と『パブロントローチAZ』も紹介した。

     高齢のお客様から『キスミー薬用リップクリーム』は唇の割れに効くか尋ねられ、『モアリップW』を紹介したけれど、以前に使って刺激があり駄目だったとのこと。
     メントールが少し入っているから、そのせいかな?
     病院ではストレスが原因と説明され、唇の割れを治す薬も無というお話をされたのだが、お薬手帳を見せてもらうとベンゾジアゼピン系の精神安定剤が処方されていると分かった。
     ここは、お客様のお話を聞くことに徹して、ご主人の介護の苦労話などに時間をかけ、『キスミー薬用リップクリーム』を試していただくことになった。
     唇は胃の不具合も関係することをお話しすると、「大丈夫」とのことだったけれど、お薬手帳では胃薬も処方されていた。
     内臓には痛覚神経が無いので(あったら心臓が動くたび、食事をするたびに激痛でのたうち回ることになる)、自覚症状が無くても疲労していたり悪くなっていることはあり得る。
     嫌なイメージになるけど、胃壁が食道を通して体の外に裏返ってるのが唇なので、唇が荒れているのは胃が荒れてると考えて消化に良い食事にするのが養生法となる。
     なんでも、お客様の息子さんは医師で、お孫さんは薬剤師だそうだ。
     ご家族のことは分からないけれど、医療者が身内に冷めた対応をするのはありがち。
     また、家族ということでバイアスがかかるのを避けるために、あくまで身内は他の医療者に任せるというスタンスの人もいる。
     お客様は、市販の薬を使った場合に担当医に報せていないというので、成分表示はお薬手帳に貼るよう勧めた。
     そうすれば、処方されてる薬と市販薬を一元管理できる。

     

  • アセトアミノフェン製剤は「安全・安心」な解熱鎮痛剤ではありません

     やや高齢のお客様が『タイレノールA』と『アレグラ FX』を購入されるさいに、前者は病院で処方される『カロナール』と同じなのか尋ねられたので「その通りです」と答えた。
     どちらも解熱鎮痛成分のアセトアミノフェン製剤で、『タイレノール』という名前は正式な化学名「N-acetyl-para-aminophenol」に由来し、「tyl」と「enol」という語尾と語尾をくっつけて命名したそうだ。
     もう片方の『カロナール』は、熱や痛みが「軽くなる」の駄洒落だとのこと。
     なんで、市販薬のほうが化学名で医療用が駄洒落なのか(笑)
     ちなみに、国際的には『パラセタモール(paracetamo)』と呼ばれている。
     アセトアミノフェンは中枢神経に働きかける一方で末梢神経への効果が弱く、患部が腫れるといった炎症には効かないとされている。
     また、痛みの伝達物質であるプロスタグランジンが胃の保護を担っていて、他のイブプロフェン製剤などはこの物質の生成を抑制するため胃を荒らしてしまう副作用があるのに対し、アセトアミノフェンは胃にも優しいと一般的に認識されている。
     そして、テレビ番組や雑誌などでもインフルエンザによる発熱さいには他の鎮痛剤だとインフルエンザ脳症を起こす可能性があるため、アセトアミノフェンのほうが安全と紹介されたことから、この薬でないと安心できないという患者さんもいる。
     しかし、比較的安全のイメージが先行しすぎているせいか、肝臓に対する毒性が高いことは、あまり知られてないように思える。
     特に私のようにお酒が大好きな人や、栄養状態が悪い人の場合はその毒性が強く出る恐れがあるから、注意が必要な点では決して他の薬と変わるところは無い。
     今回のお客様へは、ここまで細かいお話はしなかったのだが、他にもっと大きな問題が発覚。
     花粉症の薬である『アレグラFX』は、予防薬として使うのが効果的なため、花粉が飛んでいようといまいと毎日連用する必要性を知っているか確認したところ、「知ってる」というお返事だったのだけれど、1日2回のところを1回しか服用していないと分かったのだ。
     朝夕の2回服用するのは、血中濃度を一定に保つことで効果を持続するという目的と、花粉は朝に空へと舞い上がり午後にかけて降りてくるサイクルに合わせてのもの。
     ちゃんと2回服用しなければ、意味が無くなってしまう。
     そう説明して、花粉症は腸の働きとも関係することをお話した。
     花粉症はウイルスなどの敵と違って、本来なら攻撃する必要が無いのに敵と誤認して自己防衛機能の暴走によって起こる症状。
     その敵味方の識別をしているのが、脳細胞と同じ細胞を備えている腸なので、食べすぎて腸が消化に忙しくなったり、お腹周りが冷えて機能が低下すると、敵かどうかの識別が正確にできなくなってしまう。
     だから、腸が正常に働きやすい環境を整えるのが花粉症を軽減する養生法となるので、消化に良い食事に切り替えたり、しっかり入浴をして下半身に厚着をしたりといったことを重ねて行なうのが望ましい。
     もし環境的に入浴できずシャワーで過ごすのであれば、太い血管の通っている背中側に重点的に浴びると良い。

     お客様が風邪薬の棚を見ていたところに声をかけると、微熱が1週間くらい続いており、当初に他の店で勧められた『葛根湯』を飲んでいたとのこと。
     現代薬の『タイレノール』と、漢方薬としては熱が高くなった時に使う『麻黄湯』を紹介したうえで、微熱のときや熱が下がった後の体力の回復に用いる『柴胡桂枝湯』を案内した。
     すると、お腹もゆるいというお話があったので、胃腸炎にも用いる『柴胡桂枝湯』をお使いいただくことになった。
     病院の受診も検討した方が良いので、微熱が起きた初日の日付をメモし、この後の体温も記録しておくよう勧めた。

     若いお客様から『バルサン』を求められて、水を使わないタイプを希望されたので火災報知器を心配してのことかと思ったら、アパートの床下に焚きたくて、容器を横に倒して使うつもりと分かり、ゴキブリ死ななくても逃げ出すから、そういう使い方はしないようにと説明した。
     それでも水を使わず、蓋を擦って発動するタイプの『バルサンプロEX』をお買い上げいただいた。
     さっきの『アレグラFX』の件といい、お客様と対話しないと、どんな使い方をしているのか、あるいはするつもりなのか分からなくて油断できない(;^ω^)

     

  • 感染予防は石鹸が一番!? 「消毒」「殺菌」は公認、「除菌」は業界用語

     赤ん坊を連れた夫婦のお客様が除菌グッズを購入され、レジに来る前に『葛根湯』を見ていたので、適応しない症状のことを伝えたところ興味を持たれた。
     上半身を温めて症状を改善する『葛根湯』は、だから温めると具合の悪くなる症状には使えない。
     喉が痛かったら余計に痛くなるし、咳があったら咳が激しくなり、すでに発熱していたらもう温める必要は無い。
     お客様には、反対に上半身を冷やして症状を改善する『銀翹散』の他に、風邪の進行に合わせて使う漢方薬として発熱時や体の節々が痛む場合に適応する『麻黄湯』と、熱が下がったり吐き気を伴う場合に適応する『柴胡桂枝湯』を紹介した。
     咳が止まらないからと『葛根湯』を一週間も飲み続けていた人もいるから、薬を買う時には店員を捕まえて相談するよう勧めた。

     お客様から空間除菌を謳う『クレベリン』のステイックタイプを求められ、シーズン的に入荷が終了してることと、効果は期待できないことを説明したところ、母親が結婚式に出席するため遠出するので持たせたいという。
     それなら、なおさら役に立たない。
     メーカーが提示しているデータは密閉された空間でのもので、人が出入りして空気が入れ替わる環境において同様の効果があるはずなど無いし、もし効果があるほどの濃度だったら、目鼻の粘膜や気管支が炎症を起こすといった健康被害が起きてもおかしくない。
     いずれにせよ、密閉空間での実験データからすれば、それこそオープンスペースで携帯用のスティックタイプを使ったところで、お守りにすらならないだろう。
     風邪などの感染対策に必要なのは、手洗いと手の触れるところの掃除であることをお話して、『手ピカジェルプラス』とウェットティッシュのノンアルコールタイプをお買い上げいただいた。
     ウェットティッシュは、アルコールが入ってるとか除菌タイプかなんて関係無く、とにかく濡れていて拭き取ったら蓋のあるゴミ箱に捨てるだけで良い。

     高齢のお客様から『手ピカジェル』と『手ピカジェルプラス』の違いを尋ねられ、後者の方がリン酸を添加している分だけ、新型コロナウイルスなどの脂膜を持ったエンベロープウイルスの脂膜を破ってウイルスの活動を抑える効果が高いことを説明した。
     新型コロナウイルスの騒動でマスク売り切れ、手元に無いのが心配というため、手洗いと拭き掃除が一番の予防とお話した。
     今日のところは、『手ピカジェルプラス』と除菌スプレーを購入された。
     まさか買うとは思わなかったため、除菌スプレーの方は頼りにならないことを伝えられなかった。
     効果が期待できるのは「消毒」あるいは「殺菌」がパッケージに書いてある物で、この言葉は厚生労働省の認可を受けないと絶対に書けない。
     認可を受けられないか、費用などの面で申請していない製品は「除菌」とか「洗浄」といった別な言葉に逃げる。
     一応は、業界団体で「除菌」と書くための基準は設けているのだけれど、業界団体に加盟していないメーカーも「除菌」と書くのを禁止できるはずもなく、買う側がその基準に準拠しているのかどうかを調べる術が無い。
     その点からすれば、成分がアルコールだろうがベンザルコニウム塩化物だろうが、「消毒」か「殺菌」と書いてある物を選べば、効果が保証されているも同然。
     赤い箱の石鹸の『ミューズ』なんて、「殺菌・消毒」と書いてあるから、わざわざ申請して認可を受けてるんである。
     なんだか分からない除菌グッズを使うより、石鹸で手を洗うほうが感染予防には確実なんである。

     

  • 患者も広い意味で医療者の一員!! 情報のフィードバッグにご協力下さい

     やや高齢のお客様が『葛根湯』をレジに持ってきたさいに、適応しないケースをお話ししたところ興味をも持たれたようなので、発熱した風邪の中期に用いる『麻黄湯』と、熱が下がってからの後期に体を支える『柴胡桂枝湯』を案内した。
     風邪の初期に使われる『葛根湯』は上半身を温めて治すのが目的だから、悪寒がしたり鼻水が出ている時には有効だけれど、喉が痛いようだと余計に痛くなるし、咳が出ていると激しくなり、発熱してからではもう遅い。
     喉が痛むような場合には、反対に上半身を冷す『銀翹散』も紹介した。
     すると主訴は鼻づまりと分かり、鼻水と行ったり来たりするようなときに適応する『葛根湯加川きゅう辛夷』と、鼻が詰まる一方の場合に用いる『荊芥連翹湯』に、詰まった鼻汁が喉に落ちてくるといった胃の不具合と連動してるさいの『チクナイン』(辛夷清肺湯)を案内したところ、『荊芥連翹湯』が合いそうなので、そちらを試していただくことになった。
     お客様には、薬は症状に合わせたコーディネートが必要なことを説明し、店頭で相談していただくのが良いことを伝えた。

     お客様が『エスタックイブNT』や『ルルアタックNT』などを見ていたところに声をかけてみると、病院で花粉症に『フェキソフェナジン』が処方されて、効かなかったという。
     咳は無いそうなので風邪薬は適応しないことを伝え、服用期間がまだ4日目というため、花粉に体を反応させないようにして予防薬として効果を発揮するフェキソフェナジン製剤の『アレグラFX』やエピナスチン製剤の『アレジオン』は、人によっては効いてくるまでに一週間以上かかるケースもあることを説明した。
     花粉症のはずなのに風邪薬を見ていたのも謎だけれど、効かなかったら病院や調剤した薬局に相談しないというのも不思議。
     しかも、処方された薬の特性を知らないまま市販薬を自分で選ぶことに不安は感じないのだろうか。
     世の中には、知らないこと自体に不安を感じる人がいる一方、大多数は「知らないから不安にならない」から「知らないことは疑問には思わない」ということなのかもしれない。
     店頭では、できるだけそのキッカケを提供したいとも思う。
     お客様には、点鼻薬の併用を提案したうえで処方された『フェキソフェナジン』を継続するよう勧めたところ、今度は毎日服用する薬なせいか使い切るのが不安になったらしく『アレグラFX』を購入された。
     ありゃん(;´∀`)
     お話の加減が難しい……。
     とにかく医師にも薬剤師にも、今のところ効いていないことを相談しないまま市販薬にスイッチするのは好ましくないので、フィードバックの意味でも現状を伝えるよう勧めた。
     このフィードパックというのは大事で、人間の体は機械ではないから処方した薬が100%効くということはありえない。
     処方した医師の頭には他の薬の候補も並んでいたはずだから、本来なら継続するか他の薬に乗り換えるかは相談したほうが良い。
     病院に問い合わせにくいのであれば、処方してもらった調剤薬局に相談してみるという手もある。
     そしてこのフィードバックというのは、自身のためだけではない。
     処方した医師や調剤した薬剤師にとっても、製薬メーカーにとっても、それが経験やデータの積み重ねになる。
     患者もまた、医療の発展のために重要な役割を担っているんである。

     子供を連れたお客様が『パブロンKids』をレジに持ってきたけれど、主訴は鼻づまりで発熱や咳は無いというため、『ムヒのこども鼻炎シロップ』を提案したところ、特に今は症状の出ていない上の子供にも一緒に使おうと思って選んだというので、家族でも体質や症状が違うことを考えると、薬はその時々に合いそうな物を検討した方が良いとお話した。
     そして鼻づまりは、鼻の奥の血管が炎症して膨らみ上半身に熱が篭もっている状態なので、その熱を循環させるために下半身に厚着をしたり入浴したりするだけで回復する可能性をお話すると、本日はお帰りになった。