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  • 判断力を鈍らせてしまう親心

     お客様から最初に受けた相談が四十肩という話だったので、『独活葛根湯』を紹介したところ、腰痛もあり、温めると楽になるとの事だったため、『桂枝加苓朮附湯』を案内した。
     しかし、肩の痛みより先に腰痛の方が起きたと分かったうえ、特定の方向に捻ると痛むというお話と、冷え症ではない点から『疎経活血湯』を勧めてみると、試してみるということで、お買い上げ頂けた。

     9歳の子供の風邪の相談を受けたのだけれど、明日が社会科見学で、できれば休ませたくないと相談された。
     主訴は鼻づまりに喉の痛みと、頭重感だとのこと。
     風邪というのは、他の人に移してしまう可能性もあるから、躊躇する場面ではある。
     でも、親としての気持ちも分かるし……、困った。
     マスクで対策して貰うとして、どう対応したものかと考えていたら、『ヴィックスドロップ』を購入しようとされた。
     いやいやいやいや、それでは一時しのぎにもならないし、他の人への感染を防ぐことにもならない。
     ううむ、普段は喉の痛みには勧めない『葛根湯』を勧めてみるか。
     上半身を温めて、ウイルスの活動を鈍らせよう。
     そう思ったところで、花粉症があり、慢性鼻炎を発症することがあるとという話も出たため、『葛根湯加川きゅう辛夷』の方を勧めると、病院なら医療費が無料になるということで、今回は見送られた。
     まぁ、確かにそうですね。
     今も鼻づまりがあるのだから、本当は『葛根湯加川きゅう辛夷』の方が良いと思うのだけれど、うちも貧乏なんで、その選択は致し方のないところか。
     という訳で、今回は『葛根湯』の方を購入された。
     でも、一緒に栄養ドリンクを要望された。
     栄養ドリンクを購入するのであれば、その費用で『葛根湯加川きゅう辛夷』にしてもらった方が良いのに(^_^;)
     親心というものは、かように判断能力を鈍らせてしまうものなのか。
     とりあえず、栄養ドリンクを摂取すると、体内で処理をするのに余計なエネルギーを使ってしまい、かえって風邪の治癒の妨げになるので、使うとすれば回復期にと説明した。

     『ヒビケア』を求めて来店したお客様の主訴は、ヒビと皸(あかぎれ)だったから適応はするものの、ご本人は乾燥が原因と思っているようだった。
     でも、患部は青黒くなっていて、血行不良の方が深刻。
     だから、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を案内したかったのだけれど、急いでいるのか、雰囲気的に話を聞いてもらえそうになかったため、言い出せないまま販売してしまった。
     一応は、改めて相談して下さいと伝えたけど、果たしてまた来てもらえるかどうか。
     心配……(;´д`)

     

  • 段階を踏んで信頼関係を築いていくしかない

     お客様から、『パテックス機能性サポーター』の通常版とハイグレードモデルについての質問を受けた。
     ハイグレードモデルの方はクロステーピング構造になっていて、膝の安定性が通常版より優れています……と説明してみたものの、実はパッケージに書いてあることを言ってみただけ(;´∀`)
     それでは申し訳ないので、症状を詳しく尋ねてみたところ、仕事で重い物を持ったりで、膝の曲げ伸ばしが多いとの事だった。
     病院では特に異状は認められなかったようだけれど、冷えや血行不良が関係している可能性をお話して、『桂枝加苓朮附湯』を案内してみた。
     また、むくみの傾向もあるようだったため『防已黄耆湯』を紹介してみると、仕事で足が筋肉痛になる事が多いという話が出たため、『コレムケア』(芍薬甘草湯)を案内した。
     今日のところは、サポーターはやめて『コレムケア』をお買い上げとなった。
     私としては、もう少し踏み込んだ選択を促したかったところだけど、段階を踏んで信頼関係を築いていくしかない。
     そのためには、できるだけ見立てを外さないようにしないと。

     同僚が、家族の代理で来店したお客様から頭痛の相談を受けたようで、その内容のメモを読んだ。
     病院でMRIを撮り、頭痛薬も処方されているらしいのだけれど、微熱があるため担当医に風邪薬を希望したところ、市販の風邪薬で良いと言われて来店した模様。
     そして、家にも風邪薬があるというお話だったため、同僚はそれを服用するように勧めてみたが、『ベンザブロックL』を購入されたのだとか。
     発熱なら、『ベンザブロックIP』の方だと思うんだけど、喉の痛みがあったのかな。
     処方された頭痛薬の種類にもよるけど、解熱作用があれば風邪薬は不要なケースにも思える。
     本人が、何かしら飲まないと納得しないという事なのかもしれんけど。
     胃からくる頭痛もあるから、私だと微熱を考慮して『柴胡桂枝湯』を案内したかも。
     本当は、同僚とも症例研究ができると良いのになぁ。
     常時一人勤務で交代となると、こうして連絡ノートでメモのやり取りだけ。

     やや高齢のお客様から、目頭の赤味の相談を受けた。
     痒みは無いものの目ヤニが出るとのことで、風邪をひいてからという。
     眼球には目視で異常は認められなかったため、患部が目元だったので、『ロート新緑水α』を案内して、お買い上げ頂いた。
     患部が目そのものでない場合、痒み止めの皮膚の薬を目の近くに使ってしまう人もいるので、目薬の中で炎症を抑える物を案内するのが安全だと、以前にとある薬剤師さんから教わった。



     

  • やっぱりレジで声がけしないとね

     お客様から咳と喉の痛みの相談を受けたのだけれど、風邪ではなさそう。
     お客様自身も風邪ではないと思っているようだったので、胃の不調による体内の乾燥が原因の可能性をお話したところ、飲み過ぎが思い当たるという。
     咳に『麦門冬湯』を、喉の痛みに『駆風解毒湯』を案内し、今回は喉の痛みよりも咳を止める方を優先したいというお客様の要望から、『麦門冬湯』をお買い上げ頂いた。

     『温感アスコラル』をレジに持ってきたお客様から特に相談は無かったのだけれど、自動販売機ではないから念の為にお客様に症状を尋ねると、膝の痛みが温めると楽になるという。
     そこで、『桂枝加苓朮附湯』と『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介した。
     今回は、購入には至らず。
     それでも、もともと扱っていなかったこの漢方薬の販売実績は、確実に伸びてきているし、適応しない症状や、病院に行った方がというケースにも遭うので、商売上も職責上も、やっぱりレジで声がけしないとね。
     うっかり地雷を踏む事もあるから、気持ち的には自動販売機で済ませたいんだけど(;´∀`)

     とか思っていたら、今度は『アスコラルL』をレジに持ってきたお客様に、痛み止めとしては弱い事を伝えると、格闘技をしていて外用消炎剤の湿布はひと通り試した事があるものの、違いは分からなかったという話が。
     しまった、地雷を踏んだか!?Σ( ̄□ ̄;)
     しかし、皮膚への浸透力が強い物としてフェルビナク製剤の湿布を紹介したら、変更して購入された。
     そのうえ、格闘技をしているというお話から、内出血する事もあるのではないかと『疎経活血湯』と、加齢による腎の衰えを補う『牛車腎気丸』を紹介してみたら、興味を持ってもらえたらしいので、図に乗って季節的に冷えてくる時期でもあるため、『桂枝加苓朮附湯』と『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も案内したところ、『疎経活血湯』を一緒に購入して頂けた。
    「効かなかったらゴメンナサイ(;´・ω・`)ゞ」という事で。

     

  • 潰れたはずだよオノジュウさん

     やや高齢のお客様から、痔の相談を受けた。
     と言っても、すでに病院には通っていて座薬が処方されているという。
     相談の内容は、「切るしか無いのか」「切れば治るのか」と、担当医にこそ訊いて頂きたい事で困った。
     いや、まぁ、不安とかそういう事なんだろうけど。
     担当医からは、特に手術の話は出ていないそうで、やや先走り気味でもある。
     内服薬として『乙字湯』を紹介しつつ、担当医に相談してみるようお話してみた。
     『乙字湯』には興味を示されなかったが、何故か後で紹介した『蓮神(レンシン)』には関心を示された。
     ただ、『蓮神』はそれこそ入手ルートが限られている。
     そのため、近くの漢方薬専門を掲げている薬局を案内した。
     そういや知らなかったけど、『蓮神』を作っていたオノジュウは会社整理した後に、レンシン製薬株式会社として再建していたのね。
     ううむ、うちのお店に入荷できないものか。

     以前に膝の痛みの相談を受け、『桂枝加苓朮附湯』を勧めたお客様が、効果があったらしく追加を購入しにいらした。
     そこで、長く服用を続けなければならないのか、長く飲み続けて大丈夫かと質問された。
     効いたからといって安易に飛びつかずに確認するという姿勢には、ちゃんと応えたいところ。
     水分代謝を改善して温めて治すというのが主な効果なので、頓服のように、その時々に服用するという使い方ができることを説明。
     実のところ、台風などで湿気が多くなると膝が痛んで階段の登り降りも困難になる私自身が、こういう使い方をしている。
     また、どんな薬でも長期連用の場合は経過観察が必要であるものの、適宜増減する使い方もあるため、惰性で飲み続けるというのでなければ大丈夫である事を、お話した。
     寒い季節の間だけとか、秋雨や梅雨時といった、一定の期間に一日1回という使い方も考えられる。
     そこで、症状や状況が変わった時に乗り換える候補として、血流改善の『疎経活血湯』と、より温める効果のある『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介したところ、親類に漢方薬に詳しい人がいるので、その人に相談してみるとの事だった。
     ありゃん、もっと早く相談するのが難しかったのかな。
     なんにしても、相談先は多い方が良いです。

     お客様から、3歳児の風邪薬の相談を受けた。
     今の症状は鼻水と咳で、微熱はあるものの正確には計っていないという。
     主訴から、『かぜシロップ』より『鼻炎シロップ』の方を提案した。
     そして『葛根湯』も案内はしてみたが、お客様の話しぶりからすると、薬を服用させるのを避けたいような印象を受けた。
     確かに、今の症状からすると、普段よほど偏食をしているとか栄養不足だったり、一見して分かるほど虚弱な様子が無ければ、自然治癒する可能性が高い。
     そこで、温かい飲み物と消化に良い食事を与えて、積極時に体を温めるよう勧めてみたところ、安心した様子で帰っていかれた。
     やっぱり、できるだけ薬を避けたくて、その後押しをしてもらいたかったのかな。
     とはいえ、子供の風邪は急変が怖いので、別室で寝かしたりせずに目の届くところで寝かせて、熱は小まめに計るように付け加えておいたけど。

     

  • 専門外でも詳しい人は詳しい

     やや高齢のお客様がコンドロイチン関係の商品を眺めていたので声を掛けてみると、病院には行ってないそうで、軟骨が減少しているとかいうような事も分からないようだった。
     そこで詳しく症状を尋ねてみたところ、痛みというよりは、寝起きに違和感を感じ、もともと冷え性だというお話から、『桂枝加苓朮附湯』を案内して、お買い上げ頂いた。
     コンドロイチン関係は、医薬品もサプリメントも安くないから、必要かどうかは調べてからの方が良いと思う。

     『セルベール』が欲しいと来店したお客様に用途を尋ねたところ、『パブロンゴールドA』を服用する時に、一緒に飲むと良いと知人から勧められたそうな。
     失礼ですが、その知人は医療関係者で?
     すると、そういう訳ではないという。
     う~ん、その知人とどういう付き合いをしているか分からないから、迂闊な事は言えないので、その時には聞き流すようにしたけど、良く分からない話だ。
     解熱鎮痛薬ならともかく、市販の風邪薬で胃薬を別に飲まなきゃならないほど胃に悪い物は思い当たらない。
     まぁ、私くらい胃腸虚弱だと『葛根湯』『麻黄湯』とか『小青龍湯』なんかでも、具合が悪くなりますが。
     私の方が勉強不足で見落としている事があるかもしれないし、専門外でも詳しい人は詳しいから一概に否定もできない。
     とりあえず、『セルベール』の方は胃腸薬の中では比較的、ストレス性の胃の不調に適している事を説明したうえで、お買い上げ頂いた。

     お客様から、漢方薬をオブラートで包んで服用する事について相談を受けた。
     私も子供の頃はオブラートに包んでいたし、今では龍角散が漢方薬専用の服用ゼリーを販売しているくらいで、特に効果が弱まるという事は無いでしょうとお話した。
     まぁ、喉の痛みを冷やしつつ熱を発散して治す『駆風解毒湯』なんかは、お湯に溶いて、うがいをするように飲んだ方が効果的という例外だったりするけど。
     その例外の可能性もあるため、服用する予定の漢方薬を確認してみると、病院では『半夏厚朴湯』が処方されたそうで、その前には『麦門冬湯』が処方されて効果が無かったという。
     ところが、症状としては夜中に咳き込むそうな。
     ん?
     それなら『五虎湯』かなと思ったものの、喉につかえ感があるというから、『半夏厚朴湯』で適応しそう。
     ただ、お客様の話からの推測でしかないけど、どうも担当医は漢方薬には詳しくなく、効能に「咳」とある物を順番に出している様な気がしないでもない。
     私の見立てでは、お客様は痩せ型のうえ、やや神経質そうな印象があり『小柴胡湯』の助けがいるのではないかと。
     もし『半夏厚朴湯』が効いたとして、「もう一息」と感じるようであれば、『柴朴湯』を担当医に処方してもらえないか相談してみるよう提案した。
     言い出しにくいようでしたら、近くに漢方薬が得意な病院がありますから紹介しますと付け加えた。

     

  • 「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」物って、な~んだ?

     お客様から、とあるビタミン剤を置いていないか尋ねられたのだけれど、肝心の商品名を覚えていなくて特定できなかった。
     それを服用すると「寝起きがスッキリする」というお話だったものの、寝起きがスッキリするビタミン剤というのが検討もつかない。
     まぁ、ビタミンB群かなぁとは思うけど、そんなにハッキリと改善するものなのか、不勉強で分からず。
     今までは、他のドラッグストアーで購入していたのが、取り扱いが無くなってしまい探しているという。
     ああ、それでしたら同じ商品を探す時にはJANコードが分かると入荷が可能か調べられますし、成分が分かれば同じ内容に近い物を探せますと説明した。
     ただ、寝起きがスッキリしないという事の方が、気になったけど。
     治療目的ではなかったから今回は案内しなかったけど、寝起きがスッキリしないというのは下半身の冷えや神経の疲労が関係していると考えられるから『柴胡桂枝乾姜湯』『加味帰脾湯』とか『酸棗仁湯』なんかが適応するように思える。
     反対に寝付きが悪い人は、上半身に不要な熱が篭っていたりイライラが募っていたりするから、『大柴胡湯』『柴胡加竜骨牡蛎湯』といった物が使える。
     そういえば、胃腸が弱くて思い悩むタイプの患者さんで、『柴胡桂枝湯』が効いた事があったな。
     効いて良かったけど、効能には「不眠」は無かったから、あくまで胃腸の働きを助けるのをメインにして、柴胡剤だからストレスにも効くだろうと予測しただけなんだけど。
     というような事を、お客様が帰ってから思い出す。
     特定の商品を探しているお客様に、どこまで踏み込んでお話を聞き出して良いものか、加減が分からないんだよねぇ。
     探し物が置いてない段階で、もう「用済み」と思われちゃってるだろうから。

     旦那さんが膝の痛みを訴えてるとの事で、パップ剤を買いにお客様が来店。
     この夏に太り過ぎて、運動不足もあり整形外科に行ったところ、軟骨が減っていると診断されたものの、パップ剤のみ処方されて使い切ったため、同じ物をと求められた。
     でも、それがどんな成分の物かは分からず、「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」とは言うものの、たいていのパップ剤が白かベージュ色で、体温よりも冷たい物はメントールなどが入っていなくても冷感がしたりするから、まったく参考にならない(;´・ω・)
     一日に9時間ほどの使用で効いていたというのは、強い物と考えて良いものかどうか。
     とりあえず、太っているという点から、皮膚への浸透力のあるフェルビナク製剤を案内して、お買い上げ頂く運びとなった。
     そして、お会計の前にもう少し詳しく現状を尋ねると、太り過ぎを解消するため運動したいものの、過度の負担になるような運動は医師から止められており、一方で階段の登り降りも膝が痛くて辛いと訴えているという話から、『桂枝加苓朮附湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いた。
     急に太ったという話から、『防已黄耆湯』の方も考えたんだけど、体格自体はガッシリしていて筋肉質らしいので候補から外した。
     ただ、やっぱり本来は、本人を観て判断したいところ。
     パップ剤しか処方されていないという話だったけれど、担当医に相談するか、別な病院で診察してもらう事も検討してみるよう勧めた。
     そうそう、お風呂が短いそうなので、例によって半身浴での長湯も勧めたが、小さい子供が2人いて、ゆっくり入れないようだった。
     う~ん、子供たちを洗い場でオモチャで遊ばせて、自分は湯船に浸かるというのは、どうでしょうと提案した。
     こういうお話も、やはり本人相手じゃないと、情報不足で踏み込みにくい。
     しかし、この時のお話が功を奏したのか、お客様ご自身の相談も受けた。
     鉄不足による貧血と診断されているものの、コレステロール値を低くするための薬を処方されているので、薬が増えるのは嫌なため、鉄剤の処方は断って食事で摂るようにしているという。
     鉄剤は胃に悪いからとも、言っていた。
     ああ、確かに昔は胃に負担がかかるからと胃薬と一緒に処方されていたらしいけど、現在の鉄剤は改良が進んで、それほどの心配は要らなくなったんですけどねぇ。
     まぁ、服用する薬が増えるのが煩わしいのは確か。
     でも、食事でと言っても、コレステロールの事を考えると、レバーを避けたりと、それはそれで難しい。
     ほうれん草ばかり食べるのも、飽きてしまいそうだし。
     あと、貧血の人は、食事に限らずサプリメントでも同じ事だけど、栄養が適切に体に吸収されていない可能性も無視できない。
     やはり栄養を吸収する腸の働きを良くするためには、なんだかもう馬鹿の一つ覚えみたいで恐縮ですが、半身浴での長湯が良いですよ。
     そんな話をしていたら、氷を食べるのが好きだという話が出た。
     テレビの健康番組なんかで、「氷を食べるのは、鉄不足の人に現れる症状の一つ」とやっていた事があるため、お客様もそう理解していた。
     確かにその解釈もあるんだけど、もう一つ胃炎を起こしている事も考えられる。
     胃が熱を持っていて、それを冷やそうと無意識に冷たい氷を食べると一時的に楽になると体が学習してしまっているパターン。
     しかもその場合、氷で急激に冷やされる胃の方は、「ヤベー、冷えると機能が低下しちゃうよ。頑張って温めなきゃ」と頑張って胃熱を起こし、無駄にエネルギーを消費して腸も道連れに機能低下という悪循環に陥ってしまう。
    「じゃあ、やめた方がイイわねー」と言われたけど、その表情は残念そう。
     私も、氷を齧るのは好きだから、その気持ちは分かる。
     デートとかで、氷を全部食べてしまうんで、相手の女性に( ゚д゚)こんな顔を何度された事か。
     ……話が逸れた。
     何かを齧る感触というのは、ガムなんかがそうであるように精神的なストレスを軽減していたりするから、それをキッパリやめるというのも別なリスクが発生する可能性がある。
     そこは、温かい物を先に飲んで胃を温めて準備運動をさせてから、氷を食べるのを楽しんでみてはいかがでしょうと提案した。

     

  • 命綱の選択肢は多めに

     成人の息子さんに『バファリン』を頼まれたとのことで、お客様に用途を尋ねてみると、肘の痛みに使うらしい。
     ところが、『バファリン』が効いたという訳でもないそうで、どうして効かなかった物を頼んだのかが不明。
     以前に効いたから同じ物をというのなら、分かるんだけど。
     効かなかったのであれば、成分違いの物はどうでしょうと提案し、『イブA』と『バファリンプレミアム』を案内したところ、後者をお買い上げ頂いた。
     ところで、その肘の痛みで病院には行ってみたのかも尋ねてみたら、整形外科には一度行ったきりで、関節には異常無しと診断されたため、今は接骨院でマッサージを受けているという。
     ううん、病院は一軒だけで判断しない方が良いんだけどなぁ。
     医師にも得手不得手があるし、診断する能力と、治療する能力は別物なうえ、患者さんとのコミュニケーション能力は、さらに個人的なスキルだから、セカンドオピニオンと言わずサードやフォース、なんならフィフスくらいは変えても良いと思う。
     政府の医療費削減の方針には反するが、「健康は金では買えない」ので。
     努力が必要なんである。
     肘の痛みについては、痺れ感があるようなので『疎経活血湯』と、念のため、冷えて痛む場合の『桂枝加苓朮附湯』を紹介し、病院で処方してもらえないか相談してみるよう勧めた。

     『葛根湯』を購入されたお客様に用途を確認すると、置き薬にするとのこと。
     そろそろ寒くなっていくから、『葛根湯』を買い置きする人が増えてくる。
     そうなると、『葛根湯』が適応しない場面もある事を伝えておかないと、こちらも商売にならない……ゲフンゲフン((( +д+))o=3=3
     もとい、風邪を悪化させてしまう場合があるので、注意が必要。
     まず、『葛根湯』は上半身を温めるので、喉が痛い時には『桔梗湯』のように局所的に冷やす物を併用するか、喉風邪の初期に適応する『銀翹散』を代わりに用いる。
     そして発熱してくる風邪の中期には『麻黄湯』に乗り換え、発熱によって発汗するようになったり、吐き気を伴う風邪の後期には『柴胡桂枝湯』の出番となる。
     つい置き薬は種類を絞りがちになるけど、症状別に揃えておいた方が短期決戦でいけるので、小容量でも多種を揃えておくのがお勧め。
     というようなお話をして、『葛根湯』は飲むタイミングの早さが勝負だから、家に置いておくより、持ち歩くようにと伝えた。

     

  • 買う前に確認するのが当たり前のはずなんだけど

     高齢の母親の膝の痛みについて、お客様から相談を受けた。
     病院で、軟骨が少なくなっていると診断されたものの、湿布しか処方されていないという。
     何か他に治療を受けていて、その薬との関係かと思ったが、そういう訳でもないらしい。
     栄養剤として『ビタミネンアクティブ』と、冷えによる関節痛に使う『桂枝加苓朮附湯』と、加齢による関節痛に使う『牛車腎気丸』を紹介してみたが、漢方薬については保険適用薬でもあるので、担当医に相談してみるように、お話した。

     お客様が、レジに『半夏厚朴湯』『五虎湯』を持ってきて、効能の違いを質問された。
     主訴は咳だそうで、詳しく症状を尋ねると、喉が詰まるような感じがするとのことで、ストレスや緊張による咳の可能性をお話して、『半夏厚朴湯』を勧めた。
     『五虎湯』については、上半身に熱が篭ったりして、夜中に咳き込むような時に、患部を冷やして咳を止める物ですと説明して、今回は『半夏厚朴湯』をお買い上げ頂いた。
     買う前に確認するという、こういう購入の仕方が本来は普通のはずなんだけど、ものすごく珍しいのが現状。
     でも不思議と、何処からも注意喚起や警句なんかは、発せられないんだよねぇ。
    「老化を早めるNG食習慣」とか「ガンを防ぐ食べ物」とか、くだらない健康関係の記事は、良く見かけるのに。

     

  • 処方された薬を溜め込むか捨てるかしている人達

     サポーターを購入したとのことで、お客様から相談を受けた。
     左の膝が痛み、外見上は腫れているようには見えないが、腫れている感覚がするという。
     そして、冷やしたり温めたりして症状が軽減するかを尋ねたところ、試していないから分からないそう。
     原因になようなキッカケも思い当たらないようで、これではサポーターを使ったところで改善するとは思えない。
     外用消炎剤で軽減する事は考えられるけど、整形外科で現状の把握をしてもらった方が良いだろう。
     内服薬で、『桂枝加苓朮附湯』を試すにしても、やはり患部の状況を知る方が先。
     酷くなったら病院に行こうと思うより、状態を調べてもらってから治療方針を立てましょうと、お話した。
     サポーターも安くはありませんから、その費用で病院を受信した方が良いですよ。
     政府の、医療費削減の方針とは違ってしまうかもしれないけど。
     私は、 医療費の増大の一因は、薬を貰いっぱなしで、効いたとも効かなかったとも担当医に告げず、ただただ処方された薬を溜め込むか捨てるかしている人達が元凶だと思っている。
     愚痴とも自慢話とも分からない、店頭でそういう話を聞くにつけ、どうして担当医に言わないのか、どうして処方された薬を受け取る薬局で言わないのか、不思議でならない。
     せめて、薬を受け取った薬局の店頭で言ってもらえれば、薬局から担当医に伝えられるのに。
     もしかすると、担当医に伝わると気分を害するんじゃないか、それで自分に意地悪をされるんじゃないかと思ってるのかもしれないけど、多分おそらく確実に確信して言うけど、「そんなの、いちいち気にしちゃいらんねー」というのが担当医の本音じゃないかと。
     むしろ、「斜め上」から文句を言ってくる患者さんとか、やたら医療関係者を敵視して「敵対を煽る」メディアの影響で攻撃的な患者さんを日々相手にしているので、「薬が効かなかった」とか「薬が余った」なんて、「当然のこと」を言われたからといって、気分を害するなんて事は、まず有りえません。

     テレビCMを見て、『バンテリンサポーター腰用』を買いたいという、お客様が来店。
     ああ、気温が下がって気圧が不安定になったから、関節痛のお客様が増えたんだなと納得しかけたら、今回のお客様は今は具体的な症状は現れていないという。
     ただ、腰に疲労が出る事があり、その時に備えて買っておこうと思ったらしい。
     そして、お客様自身は姿勢の悪さが原因と考えているようなので、それならむしろ体の不調な部分を無意識に庇って姿勢が悪くなっているのではないかという、お話をした。
     疲労が腰に出る時の条件付けが他に思い当たらないか、その時にメモをしてみて、病院での診察を勧めた。
     なんだか、何でもかんでも病院任せにするみたいだけど、酷くなってから病院じゃ遅い事もあるし。
     私が好きだった作家さんの志水一夫先生は胃癌で亡くなったけど、初期症状は腰痛だったらしいから、何かしら病院に行く機会というのは健康診断以外にもあった方が良いかと。

     

  • 常温で飲む方が体への吸収が良い

     やや高齢のお客様から腰痛の相談を受けたので、病院には行ってみたのか尋ねたところ、膝の痛みで整形外科に通っていたものの、最近は通っていないとのことだった。
     腰痛については、掃除などで腰をかがめると痛むそうで、一人では湿布を貼るのが難しいからと、塗る物を希望されたため、フェルビナクのゲル剤を案内してお買い上げ頂いた。
     ただ、足が遠のいている病院には、腰痛の件で改めて行ってみるよう強く勧めた。
     本当は、内服薬として漢方薬の『桂枝加苓朮附湯』か『疎経活血湯』も紹介したかったのだけれど、他のお客様から薬事相談が入ったため、出来なかった。
     こういう時、登録販売員の一人勤務体制が恨めしい。
     私が管理者になるにあたって、上司から聞いた増員するって話は、ドコに行ったんだ(;´・ω・)

     経口補水液を求めて、やや高齢のお客様が来店し、『経口補水液』と『OS―1』の「価格の違い」を質問されたのに、うっかり内容の違いを説明してしまった。
     いや、価格の違いが内容の違いでもあったんだけど、その中で経口補水液の基礎として「塩と砂糖を混ぜた物」と言ったところ、「そんなのは知っとる!!」と一喝された。
     ありゃん、ごめんなさい。
     でも内容の違いとしては、『経口補水液』の方にはクエン酸が加えられていて、『OS―1』にはマグネシウムやリンなどのミネラルが入っている事を説明したところ、両方を購入して頂けた。
     訊けば、奥さんが発熱しているのに病院に行きたがらないため、水分補給に買いにみえたそう。
     一応、発熱での水分補給には、常温で飲む方が体への吸収が良い事を伝えると、「知らなかった」とお礼を言われた。
     ただ心配なのは、奥さんは微熱のようだけど、熱を出す体力が無いからとも考えられるため、経過観察怠らないようにお話した。