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  • 体に良さそうと思って飲みすぎないで

     『ロキソニン』を求めて来店されたお客様に、置いていないことをお話すると、特に決めている鎮痛剤ではないそうなので『バファリンプレミアム』を紹介してから、症状を尋ねると腰痛とのことだった。
     それで、以前に『バファリンA』は効かなかったと心配されたので、成分が違うことを説明した。
     また、腰痛の原因は子供を抱っこしていてなったそうで、強い痛みではなく鈍い痛みというお話だったため、『疎経活血湯』も紹介しておいた。
     ところが、実は病院で処方された心臓の薬を服用していて、その薬の内容は分からないという話が。
     なんで、そういう重要な話が後出しなの………(;´・ω・)?
     『ロキソニン』とは併用していたから「大丈夫」とお客様は言うけれど、それは成分が分からないと、なんとも判断できない。
     どうしても『バファリンプレミアム』は買っておきたいと、強く要望されて根負け。
     うう……、こんなことなら最初に『ロキソニン』をと言われた段階で、「ありません」と帰しておいた方が良かったんじゃあるまいか。
     担当医に報告するよう強くお話して、お薬手帳も持ち歩くように伝え、販売することに。
     なにこの負けた感じ(ノД`)シクシク

     あかぎれの薬が欲しいといらしたお客様に患部を見せてもらうと、指の関節部分がパックリ割れるほどで、仕事で水を使うのが原因であるらしかった。
     『ヒビケア軟膏』を案内したものの、仕事中は手袋もできないというお話だったため、仕事を終えたら軟膏を塗って、絆創膏で保護するよう勧めた。
     そして、体の中からの改善に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』が効果的ですと案内したところ興味を示されたので、漢方薬を処方してくれる近くの病院を紹介した。

     お客様から、家族の相談をまとめて受けた。
     こういう事は珍しいんだけど、以前に乾燥性の咳の相談を受けて『麦門冬湯』を勧めたところ、それが効いたとのことで信頼して頂けた模様。
     地道な努力の成果というところか。
     実のところ、治るかどうかはギャンブルなんですけどねσ(^◇^;)。
     まず、高校生の息子さんは受験を控え、『モンスターエナジー』を良く飲んでいて心配というお話。
     そりゃ、確かに心配だわ。
     なにしろ、カフェインなどの問題で、海外では健康被害の報告もある。
     

    Screenshot of wooris.jp

     単純にカフェインでの眠気覚ましならお茶やコーヒーで充分ですし、栄養ドリンクのつもりなら『リポビタンJr.』の方がお勧めです。
     実は最近まで私も知らなかったんだけど、この『リポビタンJr.』は侮れない。
     タウリンの他に、カルシウムや刺五加などが入っていて、同じブランドで主力の『リポビタンD』なんかより、よほど内容が充実している。
     これを子供用にするなんて、むしろ勿体無いくらいてばないかと(笑)
     それと、風邪の予防に『柴胡桂枝湯』を案内した。
     そして、小学生の息子さんがサッカーをしていて、よく『ウィダーinゼリー』を飲んでいるとのこと。
     『エネルギー』と『マルチビタミン』の、どちらが良いか尋ねられたけど、そんなのどっちも駄目。
     とは強く言えず(小心者)、日頃の食事について質問したところ、肉類が多く野菜が不足気味だというので『マルチビタミン』の方を勧めたうえで、肉は牛肉よりも豚肉の方をと伝えた。
     それと、シチューなどであれば野菜も食べるようなので、ぜひその方法で摂らせるように提案した。
     あと、ご主人がタクシーの運転手で、口内炎を繰り返しているというお話から、『半夏瀉心湯』を案内した。
     すると、やはり胃を悪くしているようで、不眠気味でもあるようなので、『加味帰脾湯』を紹介すると、お買い上げ頂いた。
     3人分の話をまとめて聞くのは、さすがに疲れた(;´∀`)

     女性のお客様から、ビタミンC製剤は、どれが一番効くかと質問された。
     たいていは皮膚のシミ取りなどが目的だったりする目的を尋ねると、風邪の予防のためとのこと。
     その昔、おそらくお客様が生まれる前だけど、『メガビタミン説』というのが話題になっていた事があるなぁと、懐かしく思い出してしまった。
     一言で言うなら、ビタミンCを大量に摂取しておけば病気にならないという説。
     提唱したライナス・ポーリング博士は、93歳で前立腺癌で亡くなったらしいけど、メガビタミン療法のおかけで長生きしたと解釈するべきか、やっぱり癌にはなるんじゃんと解釈するべきか、評価に迷う(笑)
     そもそも風邪にビタミンCが有益に働くとすれば、ウイルスなどで荒れた粘膜の修復とか、細胞組織を再生するタンパク質の生成を促進したりと、「風邪をひいてからの回復」であって、水溶性で体に貯めておけないのだから、予防という観点では役に立ちそうにない。
     漫画などでのギャグとして、「イライラしている時にはカルシウムだぞ」というセリフも見かけるけど、あれはあくまでギャグだから。
     確かに、興奮した時に血液中にカルシウムが溶け出して鎮静作用を及ぼすから、カルシウムの補充は無意味ではないとはいえ、カルシウムが不足するからイライラする訳でも、カルシウムを先に摂っておけばイライラしなくなる訳でもない。
     漢方薬の『柴胡加竜骨牡蛎湯』『桂枝加竜骨牡蛎湯』のように、動物の骨が入っている物が鎮静作用があるとされているのは、栄養素を単独で摂取しても効果を発揮しないことの証左でもある。
     もっとも、気の持ちようで病気に掛かりにくくなったり、回復が早まったりというのはあるから、まったくの無駄ではないのが、人体の神秘という事にもなる訳ですが。
     いずれにしても、そもそも市販の医薬品に、「風邪の予防」が効能として認められている物は皆無なので、こればっかりは自身で体感的に、要するに好みで選んでいただくしか無い。
     個人的には、胃を助けて肝臓を養う『柴胡桂枝湯』を推したいところだけど。
     今回は、『ハイシー1000』を購入された。

     

     

  • 目的がハッキリしていると助かります

     中学生の息子さんの便秘の相談で、お客様が来店。
     ん?
     デジャブ?
     と思って日記を読み返したら、確かに昨日も別なお客様で同じ相談を受けていた。
     冷え込みが厳しくなってきたことと、何か関係があるのかしらん。
     ひとまず『小建中湯』『桂枝加芍薬湯』を紹介してみたら、お客様自身は漢方薬で治療しているらしいのだけれど、息子さんは漢方薬の味のイメージを嫌がるそうなので、『ザ・ガード』の方を勧めて、お買い上げ頂くことになった。
     一応、漢方薬の味というのは生薬の種類で変わり、特に『小建中湯』は甘い方であることは説明したものの、どうも以前に親類からマムシを煎じた物を貰って飲ませた影響らしい。
     そりゃあ、嫌いになるわな(^_^;)
     一方、お客様自身の治療については、疲労と精神不安だそうで、『加味帰脾湯』を処方されているという。
     痩せ型で声に張りが無いから、順当な漢方薬だと思う。
     ただ、こちらに引っ越してきたばかりで、漢方薬を処方してもらえる病院を探しているようだった。
     そこで、漢方薬に詳しい医院を2軒ほど紹介した。
     この2軒、院長先生の個性がだいぶ違い、片方は頑固一徹のような人で個性が強く処方される漢方薬は理論体系を知らないと「なんでその組み合わせ?」という事があったりするのに対して、もう一方の先生は超がつく好々爺といった感じで基本的な処方を組み立てるタイプ。
     今回のお客様は、今服用している物を変えるのは不安な様子だから、やっぱり後者の先生の方が良いかなと思い、最初に訪ねてみるよう勧めた。
     でも、効果が上がって体質が変われば合わなくなってくる事があるし、加齢によって処方を変えた方が良くなるかもしれないので、症状の変化などを感じたら、そのつど医師に相談してみるようにと付け加えた。

     喉が痛くて鼻がつまるというお客様がいらして、熱は計っていないものの発熱しそうだと感じているという。
     家では『新コンタックかぜ総合』を服用していたらしいんだけど、内容的には喉の面倒をあまり見てくれる処方ではないため、『ルルアタックEX』か『パブロンエースAX』に乗り換えるよう提案し、後者をお買い上げ頂いた。
     あと、食欲はあるという話だったから、食事は消化の良い物にして量を控えるように伝えた。

     『麻黄湯』を購入されたお客様に詳しく症状を尋ねると、悪寒がするというから一見すると適応しそうに思えたのだけれど、すでに一週間ほど微熱が続いていると分かった。
     むぅ……、となると『柴胡桂枝湯』の方が適応するか?
     しかし、昼間は普通に動けるそうで、寝起きに体が寒く感じるというお話から、今回は『麻黄湯』をそのまま使ってもらうことにした。
     でも、そう決めた後で気になる話が出た。
     天井裏にネズミが巣食っていて、さらに天井の板にカビがあるというのだ。
     いやぁ、これは今回の症状は、風邪ではなくてカビの影響があるんじゃないかなぁという気がしてきたぞ。
     特に肩が痛むととも言っていたから、肺炎の兆候という可能性だって考えられる。
     症状の変化に注意して、病院を受診することも選択肢に入れて下さいと注意を促した。
     他に、飼い猫の血尿の話が出て、そちらは動物病院から薬が出ているらしいのだけれど、、一例として『猪苓湯』が適応するかもとお話した。

     やや高齢のお客様から、「咳に良く効くのを」と注文された。
     この「良く効く」というのは難しく、咳に良く効かせるとすれば神経を抑えるのが簡単だから、いっそ心臓を止めてしまえば……というのはブラックジョークとして、中枢に効く『アネトン』を案内してみたところ、目的はコンサートの鑑賞中の咳を止めたいとのことだった。
     そういう、目的がハッキリしているのは助かります(゚д゚)(。_。)(゚д゚)(。_。)
     そして、コンサートの鑑賞となると、眠くなっては困りますよね。
     そこで、会場内が暑い場合の『五虎湯』と、乾燥している場合の『麦門冬湯』を紹介した。
     通常は、『麦門冬湯』だけでも充分だと思うけど、お客様は歳のわりには体格がガッシリしているので、両方の併用を提案してみたら、本当に両方をお買い上げ頂いた。
     コンサートを楽しめると、良いですね(・∀・)

     

  • 回復が遅いほうが面倒は多い

     若いお客様が来店して、肘の痛みを相談された。
     重い物を運んで、筋を違えてしまったらしい。
     すでに5日ほど経っているそうなので、受診を勧めつつ『ボルタレンEXローション』を案内したら購入された。
     病院に行くのが面倒だと考えてしまう気持ちは分かるけど、回復が遅くなることの面倒も想像して下さいな。

     やや高齢のお客様から、『新パワーアクトEX』と『パワーアクトゴールドα』の違いを質問された。
     自分も、そろそろ即答できるようになりたいんだけど、物覚えが悪いので再三、パッケージの成分表示を確認することに。
     前者は主に上半身の疲労を改善すると考えられるビタミン剤の構成で、後者はビタミン剤に活力を養うエゾウコギと炎症を抑えるオウギの生薬を加えた物ですと説明。
     他に、「寝付きが悪い」と不眠の相談をされ、『ドリエル』を紹介してみたが、詳しくお話を訊くと中途覚醒のようだったため、疲労が原因と考え『加味帰脾湯』『竹じょ温胆湯』を案内した。
     今日のところは、『新パワーアクトEX』をお買い上げ。

     喉の痛みの相談で来店したお客様は、風邪の兆候は無いものの痰が出て、いつもこれから咳になって終わるとのお話。
     これは体内の乾燥が原因と考えられるため、まず『麦門冬湯』を案内した。
     ただし、喉の痛みが強い場合には『駆風解毒湯』の方をと付け加えた。
     今回は、お客様が『麦門冬湯』を選択して購入るすことに。
     体内の乾燥の原因は様々だけれど、今回のケースで考えられるのは、異物の侵入を喉で防ごうと炎症を起こして戦った結果として、その炎症で上半身が乾燥してしまうパターン。
     人間の体は機械ではないから、狙ったところだけを炎症させて、他の部位には影響を及ぼさないといったような微調整かできないので。
     でも、対応策が無い訳ではない。
     例えば、半身浴をするとか、部屋の中でも厚着(特に下半身)をして温めることで、体の方で過剰に発熱させて炎症が広範囲に及ぶのを防げる。
     お客様にも、そのように説明した。

     

  • ことさら添加剤を心配するのは心の病気!?

     水洗いで指先が荒れるという相談で、お客様の手を見せてもらうと、いわゆる主婦湿疹のようだった。
     痒みは無いというお話から、『HPローション』を案内して、お買い上げ頂いた。
     それと、水を流したまま洗っているそうなので、水に触れる時間を短くするため、洗い桶を使って浸け置き洗いをするよう提案したところ、洗い桶を一緒に購入された。
     あと、指先の荒れは、血行不良による材料不足によって、皮膚の再生が追いつかないことも原因であることを説明しつつ、半身浴で血行を改善することを勧め、『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』も紹介してみた。

     やや高齢のお客様から、『ワセリン』のクリームタイプがベタつくか質問された。
     あうっ、この手の使用感に関する質問は一番困る。
     メーカーに問い合わせてみたら、それほどベタつくと感じることはないはずという返答を頂いて、そのまま伝えた。
     そして、患部に痒みは無いそうだから、『HPクリーム』や『ロコベースクリア』を案内したところ、アレルギー体質で、石鹸も『ミノン』しか使っていないとのことで、添加物を心配されていた。
     でも、アレルギーテストを受けたことは無いそうな。
     心配してるんだかしてないんだか、良く分からない(;´・ω・)
     心配ならアレルギーテストをした方が良いだろうし、例えば蕎麦アレルギーの人は天然の蕎麦粉でアレルギーを起こす訳だから、ことさら添加剤を心配するのは意味不明。
     一方、血流改善に『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介すると、『ナボリンS』を知人に勧められて、眼精疲労に使っているという。
     内容は、どう見ても人工的に合成した栄養素と添加物がテンコ盛りなのに、さっきの心配という話は何処に行ったのか、ますます謎は深まるばかり………。
     お話を訊いているうちに、寝入ってもすぐに目を覚ましてしまう中途覚醒の症状があると分かり、肌の艶の無さから『加味帰脾湯』と漢方内科の病院を紹介した。
     しかし、今回のお客様のように、添加物を気にしたりする人というのは、一種の不安神経症なのではないかと思ったり。
     話を聞いていると、大抵は明確な根拠や知識を持ち合わせていないんだもの。
     例えば、保存料を嫌っている人が亜硝酸塩を発癌性があるって槍玉に挙げてたりするけど、亜硝酸塩は唾液の中にも含まれているのだから、本当に気にするのなら唾も飲めなくなってしまうはず。
     なのに、「唾液を飲むのをやめました」とは何故か言わない。
     いわば妄想に取り憑かれてる訳で、それはやはり精神疾患なんじゃないかな。
     ちゃんと精神科や心療内科を受診して、治療した方が良いだろう。

     授乳中でも服用できる喉の痛み止めをと相談され、風邪の兆候は無いというお話から、『桔梗湯』『駆風解毒湯』を案内した。
     でも、『桔梗湯』はお腹を冷やす可能性があるから、一応は妊婦さんは避けた方が良いだろうと思い、『駆風解毒湯』の方を勧めて、お買い上げ頂いた。

     

  • 不眠の3つのパターン

     お客様から、ものもらいの相談を受けた。
     寝起きになっていることが多く、繰り返しているとのこと。
     目薬を希望されたため、『ロート抗菌目薬EX』を案内してお買い上げ頂いた。
     ただ、顔にも吹き出物が数ヶ所あるのが気になり、うちのお店では扱っていないがネット通販で入手できる『排膿散及湯』を紹介した。
     それから、洗顔クリームの相談を受けたので、洗顔クリームの良し悪しより、大事なのは洗顔クリームを直に顔に塗るのではなく、手で良く泡立てるよう説明した。
     汚れは泡に吸着するからで、泡立てずに洗顔クリームで肌をこするように洗ってしまうと、肌のバリヤーとなる皮脂を根こそぎ落として、雑菌の侵入を許してしまうから。

     ご夫婦に買い物にいらしたお客様で、『ビスラットゴールド』(大柴胡湯)をレジに持ってきたのだが、以前から使っているのか尋ねたところ、初めてとのことだった。
     となると確認しなきゃならない点が、幾つかある。
     例えば、常習的に便秘をしているかとか、寝付きが悪いかとか。
     不要な熱が体内に溜まりやすく、イライラしやすい人向けなので。
     そうお話すると、適応する症状は無いようだった。
     一方、お客様の肌には艶が無く、血行の悪さが見て取れたため、『防風通聖散』を勧めると変更してお買い上げ頂いた。
     他に、睡眠導入剤の『ドリエル』と『ドリーミオ』の比較を質問された。
     内容としては変わりない事と、神経を麻痺させて眠気を催すので、あくまで短期間の使用に留めるように説明した。
     販売業としては、お客様が買いたい物を売らない訳にはいかないものの、できるだけ購入をやめるようにはしたいところだったけど、購入されてしまった。
     売ってしまった責任は依然としてあるから、一言で「不眠」と言っても、寝付くまでに時間がかかるタイプと、中途覚醒してしまうタイプ、ウツラウツラして眠りの浅いタイプと、大きく分けて3つのパターンが有り、それぞれ原因も治療に適した薬も異なることを説明し、後日にでも改めて相談して下さいとお願いした。
     今回は、お客様の都合もあって、より踏み込む時間が取れなかったのが残念。
     先の不眠のパターンの場合、ものすごく単純化すると、寝付くのに時間がかかるのは心悸亢進でイライラしたりと精神面の影響が大きく『柴胡加竜骨牡蛎湯』が候補になる。
     一方、中途覚醒してしまうのは加齢などによる腎気の低下や冷えが原因だろうから『牛車腎気丸』を試すのが良いだろう。
     そして、眠りが浅いのは心身共に消耗するほど疲労しているからと考えられるので『加味帰脾湯』が適応する可能性が高い。
     もちろんこの分類すら、取っ掛かりに過ぎない訳で、これらを、ただ眠気を催す薬だけで解決しようとすると、無理が出るのが当然。
     ところが、不眠自体が判断力を鈍らせてしまうため、つい睡眠導入剤に頼る心理状態になり、依存へとなってしまう。
     この点、眠剤の使用をやめるよう訴えている人たちですら、原因を治すことについては余り考えていなくて、全面的に薬の使用をやめようという極端な方へ触れていたりするので、余計に問題がややこしくなって困ってしまう。
     薬の使用は、あくまで手段の一つなんだけどねぇ。

     
     

     

  • 決め手は「効果の鋭さ」!?

     『ユンケル黄帝顆粒』を求めて来店したお客様に、栄養剤を服用しても疲れが取れない場合には漢方薬の相談を承りますと伝えたところ、興味を示されたので、最初に『補中益気湯』を紹介した。
     これは、名前が効能を示していて提示しやすいから話のキッカケに。
     『補中益気湯』は、体の土台を支える裏方みたいな漢方薬で、実のところ「効いた━(゚∀゚)━!!」と効き目を感じるような物ではないため、よほど信頼関係を築いてからでないと店頭では勧めにくい。
     であるから、もう少し詳しく症状を尋ねると、下半身に疲れは感じないものの、眩暈がしたりして、以前に『命の母A』を服用した時には、特に感じられなかったという。
     水分代謝の異常を念頭に、『苓桂朮甘湯』の出番かなと案内してみると、昼間に眠くなる事は無いものの、不眠気味で中途覚醒してしまい、寝ている間もウツラウツラしているとの情報を得た。
     疲労による神経過敏の方を、先に解消しなきゃ駄目かもと目標を変更し、『加味帰脾湯』を勧めたところ、『ユンケル黄帝顆粒』と一緒にお買い上げ頂いた。
     ただ、病院を受診した事があるか確認すると、引越してきたばかりで周辺の病院を知らないと言われたので、漢方薬に詳しい近所の病院を紹介した。
     というか、病院の受診の件を早い段階で効くべきだったかも。
     引越後の生活が、疲労の原因と結びついている可能性があるものねぇ。
     まだまだ質問の組み立てが、甘いナリよ(;´・ω・)

     やや高齢のお客様が『桔梗湯』を求めて来店し、散剤は置いていないかと尋ねられた。
     あいにくと入荷ルートのある物は、液剤だけ。
     喉の痛み止めという効能の点で共通する『駆風解毒湯』を紹介すると、パッケージの生薬構成を見て、『桔梗湯』の液剤を購入された。
     選んだ決め手は、「効果の鋭さ」だそうである。
     家には『桔梗石膏』があるというのに使わないのは、「(症状的に)まだ使う段階じゃない」と言っていたから、漢方薬に詳しいのかもしれない。
     たまに、同業者や薬剤師さんが買いに来ることもあるし。
     時間のある時に、また訪ねてきてくれないかしら。

     

  • 「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」物って、な~んだ?

     お客様から、とあるビタミン剤を置いていないか尋ねられたのだけれど、肝心の商品名を覚えていなくて特定できなかった。
     それを服用すると「寝起きがスッキリする」というお話だったものの、寝起きがスッキリするビタミン剤というのが検討もつかない。
     まぁ、ビタミンB群かなぁとは思うけど、そんなにハッキリと改善するものなのか、不勉強で分からず。
     今までは、他のドラッグストアーで購入していたのが、取り扱いが無くなってしまい探しているという。
     ああ、それでしたら同じ商品を探す時にはJANコードが分かると入荷が可能か調べられますし、成分が分かれば同じ内容に近い物を探せますと説明した。
     ただ、寝起きがスッキリしないという事の方が、気になったけど。
     治療目的ではなかったから今回は案内しなかったけど、寝起きがスッキリしないというのは下半身の冷えや神経の疲労が関係していると考えられるから『柴胡桂枝乾姜湯』『加味帰脾湯』とか『酸棗仁湯』なんかが適応するように思える。
     反対に寝付きが悪い人は、上半身に不要な熱が篭っていたりイライラが募っていたりするから、『大柴胡湯』『柴胡加竜骨牡蛎湯』といった物が使える。
     そういえば、胃腸が弱くて思い悩むタイプの患者さんで、『柴胡桂枝湯』が効いた事があったな。
     効いて良かったけど、効能には「不眠」は無かったから、あくまで胃腸の働きを助けるのをメインにして、柴胡剤だからストレスにも効くだろうと予測しただけなんだけど。
     というような事を、お客様が帰ってから思い出す。
     特定の商品を探しているお客様に、どこまで踏み込んでお話を聞き出して良いものか、加減が分からないんだよねぇ。
     探し物が置いてない段階で、もう「用済み」と思われちゃってるだろうから。

     旦那さんが膝の痛みを訴えてるとの事で、パップ剤を買いにお客様が来店。
     この夏に太り過ぎて、運動不足もあり整形外科に行ったところ、軟骨が減っていると診断されたものの、パップ剤のみ処方されて使い切ったため、同じ物をと求められた。
     でも、それがどんな成分の物かは分からず、「四角くて肌色で、貼るとスーッとする」とは言うものの、たいていのパップ剤が白かベージュ色で、体温よりも冷たい物はメントールなどが入っていなくても冷感がしたりするから、まったく参考にならない(;´・ω・)
     一日に9時間ほどの使用で効いていたというのは、強い物と考えて良いものかどうか。
     とりあえず、太っているという点から、皮膚への浸透力のあるフェルビナク製剤を案内して、お買い上げ頂く運びとなった。
     そして、お会計の前にもう少し詳しく現状を尋ねると、太り過ぎを解消するため運動したいものの、過度の負担になるような運動は医師から止められており、一方で階段の登り降りも膝が痛くて辛いと訴えているという話から、『桂枝加苓朮附湯』を紹介したところ、一緒にお買い上げ頂いた。
     急に太ったという話から、『防已黄耆湯』の方も考えたんだけど、体格自体はガッシリしていて筋肉質らしいので候補から外した。
     ただ、やっぱり本来は、本人を観て判断したいところ。
     パップ剤しか処方されていないという話だったけれど、担当医に相談するか、別な病院で診察してもらう事も検討してみるよう勧めた。
     そうそう、お風呂が短いそうなので、例によって半身浴での長湯も勧めたが、小さい子供が2人いて、ゆっくり入れないようだった。
     う~ん、子供たちを洗い場でオモチャで遊ばせて、自分は湯船に浸かるというのは、どうでしょうと提案した。
     こういうお話も、やはり本人相手じゃないと、情報不足で踏み込みにくい。
     しかし、この時のお話が功を奏したのか、お客様ご自身の相談も受けた。
     鉄不足による貧血と診断されているものの、コレステロール値を低くするための薬を処方されているので、薬が増えるのは嫌なため、鉄剤の処方は断って食事で摂るようにしているという。
     鉄剤は胃に悪いからとも、言っていた。
     ああ、確かに昔は胃に負担がかかるからと胃薬と一緒に処方されていたらしいけど、現在の鉄剤は改良が進んで、それほどの心配は要らなくなったんですけどねぇ。
     まぁ、服用する薬が増えるのが煩わしいのは確か。
     でも、食事でと言っても、コレステロールの事を考えると、レバーを避けたりと、それはそれで難しい。
     ほうれん草ばかり食べるのも、飽きてしまいそうだし。
     あと、貧血の人は、食事に限らずサプリメントでも同じ事だけど、栄養が適切に体に吸収されていない可能性も無視できない。
     やはり栄養を吸収する腸の働きを良くするためには、なんだかもう馬鹿の一つ覚えみたいで恐縮ですが、半身浴での長湯が良いですよ。
     そんな話をしていたら、氷を食べるのが好きだという話が出た。
     テレビの健康番組なんかで、「氷を食べるのは、鉄不足の人に現れる症状の一つ」とやっていた事があるため、お客様もそう理解していた。
     確かにその解釈もあるんだけど、もう一つ胃炎を起こしている事も考えられる。
     胃が熱を持っていて、それを冷やそうと無意識に冷たい氷を食べると一時的に楽になると体が学習してしまっているパターン。
     しかもその場合、氷で急激に冷やされる胃の方は、「ヤベー、冷えると機能が低下しちゃうよ。頑張って温めなきゃ」と頑張って胃熱を起こし、無駄にエネルギーを消費して腸も道連れに機能低下という悪循環に陥ってしまう。
    「じゃあ、やめた方がイイわねー」と言われたけど、その表情は残念そう。
     私も、氷を齧るのは好きだから、その気持ちは分かる。
     デートとかで、氷を全部食べてしまうんで、相手の女性に( ゚д゚)こんな顔を何度された事か。
     ……話が逸れた。
     何かを齧る感触というのは、ガムなんかがそうであるように精神的なストレスを軽減していたりするから、それをキッパリやめるというのも別なリスクが発生する可能性がある。
     そこは、温かい物を先に飲んで胃を温めて準備運動をさせてから、氷を食べるのを楽しんでみてはいかがでしょうと提案した。

     

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
    ………夏痩せ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症


    適応症状

     消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の症状:
     夏痩せ、病後の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、半身不随、多汗症

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       おうぎ(黄耆)4.0g
       そうじゅつ(蒼朮)4.0g
       にんじん(人参)4.0g   とうき(当帰)3.0g
       さいこ(柴胡)2.0g
       たいそう(大棗)2.0g
       ちんぴ(陳皮)2.0g    かんぞう(甘草)1.5g
       しょうま(升麻)1.0g   
      しょうきょう(生姜)0.5g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス5.0g含有します。

    類似処方鑑別

    小柴胡湯  体力中程度の人で、季助部の苦満感を訴え、肋骨弓下部に抵抗・圧痛が顕著に認められる場合に用いる。

    十全大補湯  全身衰弱は本方と同様であるが、顔色の悪さが顕著で、慢性の化膿巣の存在する場合に好んで使われ、あまり食欲の無い患者に対しては使用が制限される。

    帰脾湯  貧血が顕著で、これに不安・不眠などの精神症状が強い場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)
     (4)今までに薬により発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
     (5)医師の治療を受けている人。


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)本剤は、2歳未満の乳幼児に服用させないでください。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください  (1)本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ、悪心、食欲不振、胃部不快感等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。 
     (2)本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状があらわれた場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (3)1ヵ月位(感冒、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には、数回)服用しても症状の改善がみられない場合には、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
     (4)長期連用する場合には、医師または薬剤師に相談してください。


    4. 保管及び取扱い上の注意  (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    5. その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
    ………心身が疲れ弱って眠れないもの


    適応症状

     心身が疲れ弱って眠れないもの

    用方・容量(顆粒製品の場合)

     1日3回、成人1回1包(2.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合)

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
      サンソウニン(酸棗仁) 10.0g   ブクリョウ(茯苓) 5.0g
      チモ(知母) 3.0g           センキュウ(川きゅう) 3.0g
      カンゾウ(甘草) 1.0g
      以上の割合に混合した生薬より得たエキス3.25g含有します。

    類似処方鑑別

    帰脾湯
     体力が低下した人の不眠で、顔色が悪く、不安、抑うつなどの精神症状を伴う場合に用いる。

    加味帰脾湯
     帰脾湯よりもさらに体力が低下し、熱感、胸苦しさなどを伴う場合に用いる。

    抑肝散
     体力中等度の人の不眠で、神経過敏で興奮しやすく、腹部は左腹直筋が緊張し、時に筋肉の痙攣などを訴える場合に用いる。

    抑肝散加陳皮半夏
     抑肝散の症状が慢性化している場合に用いる。

    竹じょ温胆湯
     比較的体力が低下した人の不眠で、季肋下部の苦満感および肋骨弓下部に抵抗・圧痛(胸脇苦満)が軽度に認められ、精神不安、心悸亢進、神経過敏、時に咳嗽などを伴う場合に用いる。

    使用上の注意

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.服用に際して、次のことに注意してください
     (1)定められた用法、用量を厳守してください。
     (2)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
     (3)胃腸虚弱な患者は、下痢を起こすことがあります。


    3.服用中または服用後は、次のことに注意してください
     (1)長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯溜、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れることがあるので、観察を充分に行ない、異常が認められた場合には、服用を中止すること。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる恐れがあります。


    4.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。 


    5.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。


     

  • 帰脾湯(きひとう)
    ………貧血、不眠症

    適応症状 

     虚弱体質で血色の悪い人の次の症状:
     貧血、不眠症

    用方・容量(顆粒製品の場合) 

     1日3回、成人1回1包(3.5g)を食前にお湯または水で服用してください。
     ただし、15歳未満7歳以上は2/3包、7歳未満4歳以上は1/2包、4歳未満2歳以上は1/3包。

    組成(顆粒製品の場合) 

     3包(7.5g)中、次の成分を含みます。
       黄耆(オウギ)3.0g         人参(ニンジン)3.0g
       白朮(ビャクジュツ)3.0g     茯苓(ブクリョウ)3.0g
       遠志(オンジ)2.0g         大棗(タイソウ)2.0g
       当帰(トウキ)2.0g         甘草(カンゾウ)1.0g
       生姜(ショウキョウ)1.0g      木香(モッコウ)1.0g
       酸棗仁(サンソウニン)3.0g    竜眼肉(リュウガンニク)3.0g
     以上の割合に混合した生薬より得たエキス4.5g含有します。

    類似処方鑑別 

    加味帰脾湯 本方の症状に準じ、身体が衰弱して微熱や胸苦しさなどがある場合に用いる。

    十全大補湯 体力が衰えて顔色が悪く、疲労倦怠感を訴えるが、本方よりも神経症状が軽度の場合に用いる。

    桂枝加竜骨牡蠣湯 貧血はあまり無いが精神不安、不眠、陰萎などを訴える場合に用いる。

    きゅう帰膠艾湯 消化機能には異常無く、出血を主症状とする場合に用いる。

    黄連解毒湯 体力のある人が、興奮、のぼせの傾向を伴い、比較的急性に起こる出血の場合に用いる。

    使用上の注意 

    1.次の場合には医師または薬剤師に相談してください
     (1)本剤を服用後、症状の改善が認められない場合は、他の漢方薬を考慮する事。
     (2)甘草を含有する漢方薬を長期服用する場合は、血清カリウム値や血圧の測定などを充分に行い、異常が認められた場合は、服用を中止する事。
     (3)複数の漢方薬を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する事。(特に甘草を含有する漢方薬の併用には、より注意を必要とする。)


    2.副作用
     (1)電解質代謝:長期連用により低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重の増加等の偽アルドステロン症が現れる事があるので、観察を充分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する事。また、低カリウム血症の結果としてミオパチーが現れる事がある。
     (2)消化器系:下痢、腹痛、食欲不振等の胃腸障害を起こすことがある。


    3.保管及び取扱い上の注意
     (1)小児の手のとどかない所に保管してください。
     (2)直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管してください。
     (3)1包を分割した残りを使用する場合には、袋の口を折り返して保管し、2日以内に使用してください。


    4.その他
     本剤は生薬(薬用の草根木皮等)を用いた製品ですので、製品により多少色調等が異なることがありますが効能・効果には変わりありません。