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  • 毎日の排便は必要ない!? 出しやすいトイレでの姿勢と、漏らしそうなときの歩き方

     やや高齢のお客様から便秘薬を求められ、売り場を案内してヒアリングしたところ、毎日出ていたのが2日に1回になったものの苦満感は無いというため、排便は週に2回でも大丈夫なことを説明した。
     毎日の排便をというのは、子供に習慣づけさせるための教育が目的で、実際には個々人でサイクルが異なって当たり前。
     この手の誤解の広がりは他にもあって、「テレビを見すぎると目が悪くなる」というのもそう。
     あれは教育的な指導が独り歩きしてしまったけれど、長時間目を見開いて疲労するのは間違いないものの、走りすぎたからといって足が悪くなる訳ではない。
     もちろん回復のための休息やケアは必要だし、度が過ぎれば怪我もする。
     しかし、運動しないと急速に筋肉が痩せ衰えバランス感覚も低下して歩けなくなるのと同様に、目は使い過ぎよりも暗いところで物を見るほうが視力の低下につながる。
     深海魚の目が退化するようなものである。
     だから、節電のつもりで昼間に窓からの日光だけ取り入れて薄暗い部屋で過ごすのもNG。
     そして便通の話に戻ると、お客様には加齢により睡眠時間が短くなるのと同じで赤ちゃん返りみたいなものと説明した。
     赤ん坊は内臓が未発達だから、回数が増えるか少ないかの極端な状態になりやすく、歳を取ってくると内臓の機能が低下して1回の量が減ったり間隔が空いたりする。
     そして、腸内の水分を吸って便を柔らかくする『酸化マグネシウム』と、腸内の滑りを良くする麻子仁を主体とする『オイルデル』の他に、植物の種が水分を吸って便の量を増やす『サトラックスビオファイブ』を紹介したところ、食べる量が減ったということから『サトラックスビオファイブ』を試していただくことになった。
     排便はトイレでの姿勢も大事とお話すると「色々やった」とのことだったけれど、洋式便器に座ったら胸が膝につくくらい前屈みになるか、足を台に乗せる方法を教えると、「知らなかった」と言われた。
     人間の直腸は立っているときには肛門に蓋がされるような仕組みになっており、そのおかげで人間は立ちションベンはできても立ちグソはできないようになっている。
     そういう意味では、膝を抱える姿勢になる和式便器は排便に向いていると言える。
     だから急な便意に襲われたさいに、お腹を押さえるように前屈みになると漏らしてしまうので、背筋を真っ直ぐに伸ばしたほうが長く耐えられる。
     そしてトイレに入ったら、下半身を出すときに要注意。
     ここで脱ごうと前屈みになると悲劇が起こる。
     姿勢を正したまま、まっすぐの姿勢を崩さずに下半身を脱がなければならない。
     また、お客様はトイレで新聞読むというので、それは体が「トイレで排便する必要が無い」と学習してしまうから、やめるように伝えた。
     寝室で寝転がりながらスマホを見たり本を読んだりすると、寝室を寝る場所と体が認識できなくなって眠りの質が下がるのと同じである。

     高齢の夫婦のお客様が来店し、ご主人が便秘に『酸化マグネシウム』が効きすぎてトイレに着く前に漏らってしまったとのことだったのだが、1日に5錠飲んでいたという。
     規定の用量の範囲内ではあるけれど、大人なら初回は3錠から使い、適宜増減するのが運用方法である。
     しかし奥さんが「弱いのを」と言われるため、薬は強いか弱いかよりも、体の中での効き方と使用する量が大事なことを説明したうえで、『オイルデル』と『サトラックスビオファイブ』を紹介したものの、私の話は聞いてもらえず最初の話にループしてしまった。
     なにしろご主人にヒアリングしてみても奥さんが割って入って、肝心の本人と会話ができなかった。
     便秘は1週間くらい続くとのことだったが、肝心の出たときの便の状態も分からなかった。
     最初が固くて後は柔らかいのか、出ても軟便なのか、コロコロ便なのかなどでも対応が変わってくるのだが。
     最初だけ硬いようなら滑りを良くする『オイルデル』だろうし、出ても軟便なら便を増やす『サトラックスビオファイブ』が候補になり、コロコロ便だと腸が変に痙攣している可能性が考えられるから『桂枝加芍薬湯』も選択肢になる。
     他のお客様がレジにいらしたので、少しお待ちいただいてるあだに『新ビオフェルミンS』を選ばれ、指定医薬部外品は一般の商品と一緒にお会計ができるものだから、そちらで買って帰られてしまった。
     ううん、ご主人大丈夫かしら。
     奥さんも、ご主人を心配してのことだと思うのだけれど、釈然としない。

     

  • 患者さんと連絡が取れるのならヒアリングさせてほしい

     若いお客様が『ベンザブロックS』を持ってきたさいに咳があるか尋ねたところ、頼まれ物で本人に連絡が取れるというので確認していただいたうえで販売した。
     ただ、症状が咳と鼻炎であるならば、総合の風邪薬よりも咳止めには鼻の症状を面倒見る成分が、鼻炎薬にも喉を潤す成分が入っているから、それらの方が身体への負担は少ないと考えられる。
     本当のところ、電話を代わってもらえた方が患者さん本人に症状をしっかりヒアリングできるのだけど。

     お客様から、慢性鼻炎の薬をとのことで『チクナイン』(辛夷清肺湯)の場所を尋ねられたため、売り場を案内したうえでヒアリングしたところ、鼻汁が喉に落ちてこないようだったため『葛根湯加川きゅう辛夷』『荊芥連翹湯』も紹介した。
     そして鼻づまりにより匂いを感じないということから、『荊芥連翹湯』を勧めてお買い上げいただいた。
     『辛夷清肺湯』が適応するのは胃の機能が低下している場合で、『葛根湯加川きゅう辛夷』は鼻づまりだけでなく鼻水にもなる場合に用いる。
     ところが、お会計をしてから病院で処方された薬があるというお話が出たものの、何を処方されたかは分からなかった。
     担当医からは慢性鼻炎については「様子を見ましょう」と言われて以来行っていないそうだが、比較した三つの漢方薬はいずれも保険の適用薬なので、改めて受診してみるよう勧めた。

     お客様から浣腸の場所を尋ねられ売り場を案内すると、高齢の母親が便秘で、一週間ほどすると腹痛のみならず腰痛も訴えているとのことだった。
     内服薬に『オイルデル』や『サトラックス』なども考えたが、複数の薬を処方されていると分かり、担当医に相談したことが無いというため、服用している薬の副作用の可能性を説明したうえで浣腸をお買い上げいただいた。
     ただ今までも浣腸を使ったさいには、便が硬く浣腸液しか出なかったというため、浣腸した後はしばらく我慢することと、洋式便座では和式便器にまたがるのと同じ姿勢になるよう、足を高く置ける台を使う方法を教えた。
     もしくは、胸が膝につくぐらいに前かがみになるのが良い。
     人間は立っている時には漏れないように弁で腸が塞がれる形になり、腰を曲げると開くので、便座に背筋を伸ばして座ってしまうと排便しにくくなるのだ。

     

  • 高齢者はそもそもの食事の量が減るので毎日の排便は必要ありません

     お客様から高齢の父親の便秘の相談を受け、病院で内服薬が処方されており薬の名前が分からないというので、腸を刺激するタイプとしないタイプもあるため父親に連絡を取っていただいたところ、腸管の緊張を低下させ水分を吸収することで便を柔らかくする薬だった。
     非刺激性で腸内の水分を集めて便を柔らかくする物として『スルーラックデトファイバー』や『サトラックス』と『オイルデル』を紹介したところ、『オイルデル』を選ばれたので病院では『麻子仁丸』が処方されることもありますと伝えた。
     ただ、便秘で苦しい症状がある訳ではないというので、高齢者はそもそもの食事の量が減るので毎日の排便は必要ではないことを説明すると、「初めて知った」とのことだった。
     高齢者医療に携わっている医師によれば、週に2~3回あれば充分だそうだ。
     今回は次の診療までに日が空くため、市販薬と思ったとのこと。

     お客様から唇上部の荒れの相談を受け、空気の乾燥による荒れの他に胃での荒れやウイルスによる炎症もあることを説明した。
     すると 二ヶ月ほど続いてるというため、受診勧奨したうえで『口内炎軟膏大正A』を試していただくことになった。
     胃炎は思い当たるようだったので、最低でも3日くらいは消化に良い食事をするよう勧めた。
     ただ、後でお客様がお帰りになってから、『メンソレータムメディカルリップ』の方が良かったのではないかと思った。

     

     お客様が『パブロンSα』と『新ヒストミンゴールド液』を購入されるさいに、主に咳と鼻の症状で良いか確認したところ、喉の痛みは無いそうなので適応することを伝えた。
     お客様が選んでいる間も鼻をすすっていたので、鼻の症状と胃は関係することを説明し、消化に良い食事をするよう勧めた。

     

  • 薬は指名買いよりも相談してもらえると選択肢が増えます

     お客様からハンドクリームを求められ、ワセリンは皮膚を覆って水分の蒸発を防ぎ、ヘパリン類似物質は皮膚を潤し、尿素は水分をガッチリと捕まえておくという、それぞれの特性を説明した。
     尿素は以前に病院から処方されたことがあるそうで、今回はいずれとも違う乳液を購入された。
     ただワセリンについては、ベタつきを心配されたので、塗りすぎと考えられることを伝えた。
     例えば手の甲の範囲であれば、米粒一つ分あれば充分なんである。

     お客様から『新ビオフェルミンS』の顆粒を求められたものの、置いていないので近くのドラッグストアーに問い合わせて、ご案内した。
     ただ、6歳の子供が下痢気味で以前に病院から処方されたからというお話だったため、直接的に下痢を止めるのではなく、あくまで整腸であることと、乳酸菌も外から来る敵と体が認識する可能性を伝えた。
     『新ビオフェルミンS』と指定されず直接相談されていれば、下痢止めの『エクトールDX』を案内したり、お腹を温める養生法を伝えられたのだけれど。

     高齢のお客様から便秘の相談を受け、便の最初が硬く無理に排便して肛門を傷めた模様。
     お腹がグルグルと鳴っているというため、内服薬には腸を刺激するのではなく便を柔らかくする『サトラックス』や、滑りを良くする『オイルデル』を案内し、肛門には止血剤の入った『プリザエース軟膏』を案内した。
     軟膏を塗るのに指サックが必要か訊かれたので、トイレットペーパーに薬を飲ませて塗る方法を教えたところ、「やっぱり訊いてみるもんだね」と言ってもらえた。
     ただ、病院で『酸化マグネシウム』が処方されたことがあるというので、今回の件も医師に相談してみてはどうかと受診勧奨し、本日はお帰りになられた。

     

  • 便秘薬にも種類があるから本人の来店を

     幼児を連れたお客様が来店し、『イソジン』をレジに持ってきたけれど現に喉が痛むというので、抗炎症剤のアズレン製剤のスプレーを提案し変更となった。
     毎日うがいをするのであれば水道水で十分で、もし『イソジン』を使うとするのなら家族が風邪をひいているとか職場で風邪が流行っているというような時に、集中的に使うのが良いだろう。

     お客様から高校生の子供の便秘の相談を受け、苦しい感じはあり、便秘はいつものことのようだが薬を使ったことは無いという。
     腸を刺激するタイプの『コーラックファースト』と『大黄甘草湯』のほか、腸内の水分を吸って便を柔らかくして量を増やす『新ウィズワン』と『サトラックス』を案内し、今回は『新ウィズワン』をお試していただくことになった。
     整腸剤も提案したけれど、本人でなければ具体的な症状など分からないこともあるため、できれば本人がお店を訪れるようお願いした。
     それからヨーグルトは食べているそうだが、乳酸菌にも相性があるため本人が選んで銘柄の記録をつけていった方が良いことを伝えた。

     お客様から『ユンケル B12』の問い合わせを受けたけれど置いていないため、似た処方の『ユンケル B12アクティブα』と『ナボリンS』を案内した。
     主訴は関節の痺れで、2年ほど前に病院からビタミンB 12を処方されていたとのことで、現状の確認のために改めて病院に行ってみるよう勧めたうえで、『ナボリンS』の小容量をお買い上げいただいた。
     またビタミン B 12は、豚レバーや牡蠣などでも摂れるから、食べ物での摂取も勧めた。
     それから、痛みではなく痺れであるため『疎経活血湯』を紹介してみた。

     

  • 薬の説明書は捨てないで

     高齢の母親の親子が来店し、息子さんから母親の便秘の相談を受けた。
     長いと一週間くらいで、しかし便は柔らかいというため腸を刺激するタイプよりも便の量を増やす『スルーラック S』と『新ウィズワン』そして『サトラックス』を案内した。
     息子さんから相談される前に、母親が息子に「どれが良いと思う?」と尋ねていたのだが、再び息子さんと相談している様子の後にいつのまにか帰られた。

     フェルビナク製剤を手にしたお客様から、患部を温めるのと冷やすのとどちらが良いかと質問され、打ち身などの急性症状は冷やし、他は鎮痛成分の違いの方が重要ですとお話した。
     患者は成人の息子さんで、肩こりと首の痛みを訴えているらしい。
     その症状は以前からで、病院から処方してもらった薬で一時的に軽くなっても、疲労が溜まったりしてしばらくするとまたなるとのことだった。
     筋肉がガチガチに固まるというから、内服薬も必要かもしれないことをお話して『ドキシン錠』と『コリホグス』を紹介はしたけれど、処方されてる薬が分からないため今の時点では勧められないことを伝えた。
     なにしろその息子さん、処方薬の説明書を全部捨ててるというのだから困ってしまう。
     お客様には、おくすり手帳を作っているか確認するよう勧めた。
     そのうえで、『釣藤散』のような漢方薬も選択肢になることをお話すると、どうやら処方されたのは漢方薬だったようだ。
     また、家には以前に買った『ボルタレンEXテープ』があるらしく、お話しているうちに思い出したのか、処方されたのは『ロキソニンテープ』と『カロナール』だったと思うと言われ、しかもまだ使っていないということから、まずはそれらを使ってみるよう勧め、本日はお買上げは無しとなった。

     

  • 勝手な診断はご法度なれど考え方の一つとして

     『ハリックスほぐリラ』を購入されるお客様に、成分によっては内服の鎮痛剤との併用を避けた方が良い外用薬もあることを伝えたところ、知らないようだった。
     ご主人が肩こりに使うとのお話だったので、成分による鎮痛効果と浸透力の違いを説明したうえでお買い上げいただいた。
     飲み薬同士の飲み合わせは気をつける人もいるものの、体に塗る外用薬と内服薬の組み合わせは忘れられがち。
     シップ薬はみんな同じに見えるかもしれないけど、お気をつけあれ。

     やや高齢のお客様が来店し、以前に買った『ナチュラル便秘薬』では便の最初が硬くて痛いと苦情を言われた。
     怒りに任せてまくし立てられるので、おとなしくお話を聞いて興奮が治ってから、腸内の水分を吸って便を柔らかくする『サトラックス』と、油分で腸内の滑りを良くする『オイルデル』を案内し、後者をお使いいただくことになった。
     お客様は私に勧められたと言っていたが、会話をしたお客様は全てメモしているし、特徴的な案件はこうして日記にも残しているので、そんなはずはないのだけれど……。
     しかも、他の疾患で病院に通っているそうだから、前回にもその話が出ていれば、お薬手帳の有無の確認はしているはずである。
     とりあえず病院に通っているのであれば、『麻子仁丸』や『潤腸湯』を処方してもらえないか担当医に相談するよう勧めてみると、今度はやたらと感激された。
     うーむ、この感情の起伏の大きさと記憶力の曖昧さは本来の性格なのか、何か病気が関係しているのだろうか。
     患者さんの病気を勝手に診断することはできないが、怒鳴りつけられることは少なくないので、そういう時には病気が言わせているんだと自分を納得させることにしている。
     そうすれば腹も立たないし、お客様のお話を落ち着いて聞くことができるので。

     『ユースキンS』を購入されるお客様に、痒み止めとしては弱いことをお話ししたところ、以前に『ユースキンA』を使ってベタついたからとのこと。
     『ユースキンA』にはビタミンA油が入っているので、そのせいだと思われるが、この手の薬でベタつくというのは付け過ぎが考えられる。
     ワセリンもそうなのだけれど、手の甲の範囲に塗るのに人差し指で薬を取っていたらそれは量が多い。
     手の甲の範囲であれば、小指の爪先に引っ掛ける程度、米粒一粒分だけあれば充分なんである。
     また、今回のお客様の主訴は痒みとのことだったが、体だけではなく顔もだそうなので、患部によって薬を使い分ける方法もお話したうえで、そのままお買い上げいただいた。

     

  • ニキビへの対処の基本「洗いすぎない・何もつけない・触らない」

     お客様から出血している痔の相談を受け、特に薬の指定が無かったので内服薬として『乙字湯』を紹介し、便通を楽にする『サトラックス』を案内ししてみた。
     すると塗り薬を希望されたため、抗炎症に優れる『ボラギノールA』と出血を抑える止血剤の入っている『プリザエース』を案内し、後者の注入軟膏をお買い上げいただいた。
     やっぱり、痔の薬というと内服薬は想定外なのかな?
     痔というのは肛門の内側、「内蔵」で起きてる疾患だから内服薬の効果は侮れないんだけど。
     だからこそ、注入軟膏なんてのがあるくらいで。
     入浴はしているそうなので、炎症を強めてしまう夏野菜を避けて、皮膚の再生のために豚汁をイメージした食材を集中的に摂ってみるよう勧めた。
     特に出血しているとお風呂を避けがちなので、皮膚の再生を補助するのに入浴は大事なんである。

     小学生の子供を連れた親子が来店し、子供のニキビの相談を受けたのだが、鼻の横に大きくあったのでニキビの薬より抗生物質とステロイドの『クロマイP軟膏』を案内した。
     すると前髪に隠れて見えなかったが、おでこの全面にもあることが分かり、そちらには『クレアラシル』を提示して、患部の状態によって薬を使い分けるよう勧めた。
     また、内服薬として『清上防風湯』を紹介し、病院で処方してもらってはどうかと提案した。
     本人は石鹸で顔を洗っているそうで、変にニキビ用を謳う洗顔フォームを使うより良いことを伝え、洗うさいにはこすり洗いをせずに良く泡立てて、その泡を肌に乗せたら、そのまま洗い流すだけにするようお話した。
     皮膚の表面の汚れは泡に吸着されるから、こすり洗いをして皮膚を守る菌や脂まで落としてはいけないので。
     母親からは、乳液を使うのはどうかと質問されたので、ニキビへの対処の基本は「洗いすぎない・何もつけない・触らない」の3つが重要なことを説明した。
     薬はあくまで、一時的に炎症を抑えたり皮膚の代謝を促進するため。
     特に「触らない」は重要で、手を肩より上に上げそうになったら、意識して手を下ろす癖をつけるべきである。
     抗生剤は家にある塗り薬を調べてみるとのことで、今回は『クレアラシル』のみをお買い上げいただいた。
     家にある薬を点検するのもまた、良いことである。
     そうそう、前髪があるとそれを異物だと体が錯覚して攻撃し炎症を強めてしまうことと、下半身を冷やすと腸が担う防衛機構が誤作動を起こすためお腹周りを温めるようお話した。
     それといつもの通りであるが、キュウリやトマトといった体を冷やす夏野菜は体が抵抗してより炎症を強めてしまうので避けることと、皮膚の再生を助けるためには豚汁の具をイメージして食材を思いっきり偏らせる方法を伝えた。

     

  • 薬を買うのを人に任せちゃ駄目な理由

     やや高齢のお客様が来店し、ご主人から『ボラギノールA軟膏』を頼まれたとのことだったが、出血しているのであれば止血薬の入っている『プリザエース軟膏』をとお話しすると、もう出血はしていないとのこと。
     そして便秘しているため『コーラック』を買ってあるというものの、どの『コーラック』かは不明で、本人は便秘薬を使ったことが無く、怖がって服用していないというので、便秘と痔に用いる『乙字湯』を紹介してみたのだが興味は示されなかった。
     代わりに、腸内の水分を集め便の量を増やして柔らかくする『サトラックス』を案内すると、そちらには少し関心を寄せられた。
     ところが詳しく訊いてみると脱肛しているようで、それでは炎症を抑える『ボラギノールA』でも対応しきれないことを話しして受診を勧めたところ、自身が使うということで『新ワカ末』のみを購入して帰られた。
     ご主人が、病院に行かないのは友人が痔の手術を受け、結局またなってしまったという話を聞いて嫌がっているようだ。
     症状が違えば結果は変わる可能性があるし、何よりも手術をするかどうかは後の判断として、まず現状を知ることが大事なことを伝えた。
     今回も思ったけど、やっぱり薬を買うのを人に任せちゃ駄目なんじゃないかな。
     患者さんと頼まれた人とでは興味の対象が違うだろうし、そもそも症状については本人でなければ分からない。
     同じ薬を案内して同じ説明をしても、判断が同じだとは限らないのだから。

     お客様から「水に溶かす風邪薬を」と注文されたけれど銘柄は分からず、置いていないため他の風邪薬では駄目なのか尋ねたところ、患者はご主人で以前に動悸がしたとかで「市販薬は強いから」と言われて頼まれたらしい。
     市販薬は強いと言うよりも、単味剤で処方されることが多い医療用と違って、いろんな成分が入っているからその成分の一つが動悸を引き起こしたんじゃなかろうか。
     主訴は微熱と鼻水で、鼻水の色は透明ということから穏やかな薬として『柴胡桂枝湯』を案内したが興味を示さなかったため『パイロンS』を紹介した。
     『パイロンS』には少し興味を持ったようだったものの、反応が鈍いので『ストナデイタイム』を『小青竜湯』と現代薬のハイブリッドであることを説明すると購入された。
     養生として内臓を温めるために、長めの入浴をしたり積極的に温かい物を飲むようお話ししたのだが、聞き流されてしまった。
     やっぱり、人に薬を買うのを頼むのは駄目なんじゃ……。
     ところで、水に溶かす風邪薬について後で調べたら『パイロン 溶かしてのむかぜ薬』という商品があった。
     でも、メチルエフェドリン塩酸塩が入っているから、やっぱりこれも動悸の原因になるんじゃないかなぁ。
     まぁ、『小青龍湯』に入ってる麻黄もエフェドリンな訳ですが。
     メチルエフェドリンの方が、エフェドリンより中枢興奮作用が少ないようだから良いのか。
     一応は、『小青龍湯』には動悸を抑える半夏と芍薬が入っていて、そっちで調和を取ってるんだけど。
     ううん、やっぱりその「動悸がした」という市販薬の銘柄が分からないと判断のしようが無い。
     使った薬は、パッケージか成分表示を取っておくか、お薬手帳に市販薬の成分表示を貼っておくのを推奨したい。
     処方薬との一元管理ができるのはもちろん、後で体調が悪くなった時期と使用した薬が分かれば役に立つので。

     

  • その下痢は止めて良いのか考えよう

     奥さんから液体の下剤を頼まれたとのことでお客様が来店したのだが、薬の名前はを分からず、病院で処方され「目薬みたいな形」というので『マルツエキス』だと思われる。
     在宅介護サービスで働いてる友人から、介護に行った先の家族に「目薬です」と言われて渡されたのが『マルツエキス』だったなんて話を聞いたことがある。
     まぁ、下剤とはいえ『マルツエキス』は麦芽糖なんで、目に挿しても害はないけど笑えない(^_^;)
     要は腸に吸収されにくいから便を弛くして排泄を促すという代物。
     うちでは取り扱っていないので、似たような効果のあるオリゴ糖を案内してみた。
     そのうえで、奥さんは「よく効いたから」と『マルツエキス』を望まれているようなのだが、お腹が苦しい訳ではないというので、自然排便に近い『サトラックス』を紹介してみると、そちらをお買い上げされた。
     『サトラックス』は、センナ実が腸内の水分を吸収して、便の嵩を増やし柔らかくするので、体への負担も少なくて済む。
     お会計をしている時に、奥さんは朝シャワーの人で入浴はしないというので、寝る時間を削っても入浴をするよう勧めた。
     腸の血行を改善せずして、便秘を治すというのは難しい。
     なにしろ、腸の働きが鈍くなっているということなのだから。

     イヅミ製の『正露丸』をレジに持ってきたお客様に、下痢止めのロートエキスが入っていても良いのか確認した。
     というのも、『正露丸』は本来は飲む消毒薬であり、食あたりなど悪い物を食べた際には下痢を止めるより、早く出すのが良いからだ。
     下痢止めとして『正露丸』を使う人が多いゆえに、あえてロートエキスを入れたのだろうとは思うが、とにかく大幸薬品の『正露丸』とは処方内容が異なる。
     しかし家族からは、「下痢止めを」とだけ頼まれたそうなので、そのままお買い上げいただいた。
     ただ、一応お客様には、大幸薬品の『正露丸』とは用途によって使い分けるように伝えた。

     『セイロガン糖衣錠A』をレジに持ってきたお客様に、通常の『正露丸』と違い、抗炎症の効能が弱いことをお話すると、職業ドライバーで下痢しやすいというお話だった。
     効能と目的が合っていないように思われるので詳しく訊くとストレスが思い当たると言い、以前に『ワカ末止瀉薬』が効いて、『ストッパ下痢止めEX』のような物は使ったことが無いという。
     ただ、『セイロガン糖衣錠A』も効いた気がするということと、お客様がイヅミ製の『正露丸』にも興味を示されたため、下痢止めの目的には大幸薬品製よりイヅミ製の方が向いていることを説明し、イヅミ製の『正露丸』をお買い上げいただいた。
     あと、お会計する時に特定の食べ物を食べると下痢をするという話もあったので、アレルギーの可能性を伝え受診勧奨もした。
     食べ物のアレルギーというと、全身に蕁麻疹が出るとか呼吸困難になるとか、劇症型をイメージする人もいるみたいだけど、喉がちょっと痒くなるとか便がゆるくなるなんて、軽度で分かりにくい症状だったりということがある。
     まぁ、食べ物のアレルギーを好き嫌い程度のことと考える人もいて困りものなんだけど。