漢方薬症例クイズ≪第3回≫
| 実際の症例を元に、患者さんの症例データーを提示します。
“書いてある内容”から推理して、適応すると考えられる漢方薬の名前を当てて下さい。
基本的に当店で扱っている漢方薬としますが、解答としては必ずしも限定しません。「なるほど、その方法もあるか」と思われる解答であれば、正解とする事があります。(生薬のみや民間療法などは除外します。)
正解者の中から、抽選で2名様に『花語まぐかっぷ』を菊と梅をセットで進呈いたします。
絶対の正解というものはありませんのであくまで、“あそび”として楽しんでいただければと思います。
皆様の参加をお待ちしています。(終了しました) | 市田ひろみプロデュース
花語まぐかっぷ
 服飾研究家の市田ひろみプロデュースによる、蓋付のマグカップです。
ティーバックで紅茶などを飲む時に、蓋をして蒸らすと美味しくなると云われています。 |
募集期間:4月1日(木)~19日(月)
正解発表予定:5月1日(土)
| 問題
27歳。男性。
中肉中背。顔色は普通か、やや白い。
大学を卒業して、新任教師として高校の教壇に立つ事になった。
生徒の方を向いて授業ができず、もっぱら黒板に書いてばかりの授業をしてしまうという。
何とか落ち着いて生徒たちの顔を見て仕事ができればとの事。
授業時には動悸が激しくなり、エヘンエヘンと咽喉が痞(つか)えている感じがする。
やや胃の辺りが熱いと感じる事があるが、下痢や便秘などは顕著ではない。 |
| 正解
正解は半夏厚朴湯です。
当選したのは、以下の2名の方です。おめでとうございます。
※keikoko様…選んだ理由:検索したら、症例とぴったりいっちしたので。 ※すずき様…選んだ理由:自分の症状と似ているので選びました。私の症状ならこの薬を選ぶと思うので。
※まろちゃん様…選んだ理由:患者は新任教師として不安を感じており、動悸が激しくなり、咽喉がつかえている感じがするなどの症状がみられることから。
当選枠は当初2名としていましたが正解者が多かったため、せめてもと1名増やさせていただきました。選考のさいには、答えの漢方薬を選んだ理由が書かれている人の中から抽選いたしました。理由を書いておくと当選率が上がりますので、書くだけ書いた方がお得です(^-^)v |
| 解説
名前にも付いている通り、この漢方薬の主役となっている生薬の半夏(はんげ)と厚朴(こうぼく)は、どちらも降下作用があるとされています。そのため、緊張して頭がカーッと熱くなり動悸がするような場合に適応します。
また、他の生薬の茯苓(ぶくりょう)と蘇葉(そよう)も降下作用がありますので、全体としても鎮静効果のある漢方薬だといえます。
ただしここで勘違いしてはいけないのは、冷やす作用は無いという事です。どういう事かというと、カッと怒った人に「頭を冷やせ」という言い方がありますが、そういう時のイライラ、すなわち“のぼせ”などには効きません。
半夏厚朴湯の生薬は全て燥性で、かつ茯苓以外は湿性というのが特徴になります。つまり効果が期待できる体質はそれらと反対の人、上半身に余分な水分があり虚症、あるいは手足に冷えのある人という事になります。
今回の問題では患者さんの体質に関しては言及せず、あくまで症状のみから推測してもらった訳ですが、実際に選ぶ時には注意が必要です。一番の目安は、「咽喉が痞(つか)えている感じ」でしょう。これは、梅核気(ばいかくき)と呼ばれる状態で、梅のタネが咽喉に引っかかった感じがすると例えられています。
下痢や便秘などの症状が無い事からすると、正解した方たちの解答は適切だと思います。日常的には顕著な症状は無いのに、発表会や試合などで緊張して上がってしまうような人は、ぜひ半夏厚朴湯を試してみて下さい。 補足
その他の解答の中には、サルノコシカケというのもありました。そもそも学問的にはサルノコシカケという物は存在しません。正確にはサルノコシカケ目のマンネンタケ科やサルノコシカケ科に属するキノコの総称で、漢方薬の材料としてはマンネンタケやコフキサルノコシカケが使われているものの、それらに鎮静作用があるという報告は私は知りません。
半夏厚朴湯を黄連解毒湯(おうれんげどくとう)や加味逍遥散(かみしょうようさん)と合わせて服用するという解答もあり、これは興味深いところです。黄連解毒湯は主に上半身ののぼせ症状を取り除き胃熱も改善するので、お酒を飲みすぎた場合などに良く用います。そして、加味逍遥散は月経困難や更年期障害における精神不安症状を軽減するのに使われたりします。これらを併用するというのは、選択としては悪くないでしょう。ただ、今回の問題では患者さんはのぼせの症状は訴えていませんし、精神不安というよりは緊張によるものとの推測が成り立つので、まずは半夏厚朴湯を単独で試してもらうのが良いと思われます。
そして、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)という解答もありました。動悸・息切れ・神経質という症状からすると、あながちハズレとは云えないところです。また、体内の水分の偏りを正常にする働きもあり、その点でも半夏厚朴湯の代わりになるかもしれません。ただ、苓桂朮甘湯は、より内臓への働きかけを目的としており、胃の不快感が強かったり、めまいの自覚症状がある患者に適応すると考えられるので、今回は除外しました。 解説:北村俊純 |
| 参加者コメントより
すずき・女性 漢方薬は以前服用していましたが値段が高いので続きませんでした。改善されるのもかなりの時間がかかるんですよね。短時間で体質改善する事は出来ないですかね。
体質改善というのは、まさに体質そのものを変化させていく事なので、こればっかりは漢方薬でも現代医学でも時間がかかるというのが歯がゆいところです。(北村) まろちゃん・女性 素敵なカップのプレゼントに釣られてきたのですが、なんか薬剤師さんかお医者さんになったつもりでクイズそのものも楽しませていただきました。こういう、勉強になるクイズは大歓迎です。来月も挑戦します!性別の選択肢にも心配りが行き届いていて(?)感心しました。ところで、年齢の欄数字を入れるとエラーで先に進めませんでしたので止む無く空欄としましたが、54才です。
懸賞目的のクイズとしてはやや敷居が高いかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
年齢の欄につきましてはご指摘していただいた箇所を点検したところ不具合の原因が分かり修正いたしました。お知らせしていただき、ありがとうございましたm(_
_)m(北村) |
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