胃もたれは腸が原因のことがあるので、食事の内容や直近の生活スタイルなども参考にします

 お客様が『龍角散ダイレクト』をレジに持ってきたさいに、鼻水の有無を確認したところ「無い」との返事だったが、主訴は喉が痒い感じがするとのことで、私が以前に勧めて購入していただいた『パブロントローチAZ』が家に残っているというため、そちらを先に使ってみてはどうかとお話しして、今回は取りやめになった。

【第3類医薬品】《大正製薬》 パブロントローチAZ 24錠

 お客様から胃もたれの相談を受け、普段は『ソルマック』を使っていて、今回は事前に飲める物をとの要望だった。
 総合の『第一三共胃腸薬』と、疲れた胃腸を癒やす『スクラート胃腸薬S』を案内したうえで、胃もたれは腸が原因のことがあるのを説明して、『タナベ胃腸薬ウルソ』を紹介したところ、今回は『第一三共胃腸薬』を購入された。
 胃もたれというのは何も食べ過ぎだけが原因とも限らず、胃は食べた物の「貯蔵」と、「消化をする前に柔らかくする」のが主な機能であり、本格的に消化するのは十二指腸なのだ。
 だから十二指腸の機能が低下して消化が追いつかなくなると、胃の方に食べ物を送ってこないように指示を出して胃もたれになることがある。
 その場合は単純に消化剤を服用すれば良いというものではなく、腸の働きを助ける必要があるのだ。
 『タナベ胃腸薬ウルソ』の主成分であるウルソデオキシコール酸は、十二指腸において消化を助ける胆汁酸の一種であり、病院では肝臓疾患に処方される。
 そして胆汁酸は十二指腸から再び吸収されて肝臓へと戻り、体の中で循環していて、『タナベ胃腸薬ウルソ』は、このウルソデオキシコール酸を入れ替えるのが目的なので、一時的に服用するより一週間ほど通して服用する使い方が効果的。
 いわば、車のオイル交換みたいなものである。
 それから、胃もたれの原因が胃にあるのか腸なのかを調べる方法の一つとして、水とお湯のどちらを飲んで楽になるのか確かめるというのがある。
 水を飲むと楽になるのであれば、食べた量が胃の機能を一時的に上回っていて胃炎を起こしている状態と考えられるから、胃を休ませてあげるのと胃壁を守る処方の薬を選択する。
 反対にお湯を飲んで楽になるようならば、胃と共に腸の機能が低下していると考えられるため、健胃剤が入っているか腸の働きを助ける処方の薬が候補となる。
 するとお客様からは、「感覚的で難しいね」と言われたので、だから私たちも胃腸薬の相談は逃げ腰になってしまうことを話しした。
 そしたら今度は「自分の売り込み?」と訊かれたから、「まだまだ勉強が必要な身です」と答えた。

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