親から相談された症状を患者である子供本人に尋ねると、全く違うということも

 やや高齢のお客様から『スキュータムID』のホットとクールの使い分けの質問を受けたが、使うのは11歳の孫だというので、そもそもインドメタシン製剤は年齢制限で使えない事をお話した。
 それに湿布やパップ剤での冷感とか温感というのは、あくまで感じるだけで効果は主成分によって決まる。
 急性症状で冷やすのであれば氷水を使うべきだし、温めて気持ちが良くなるのなら携帯カイロを使った方が良い。
 お客様自身は卓球により筋肉痛とのことで、鎮痛効果と浸透力の違いを成分ごとに説明したところ、フェルビナク製剤のバップ剤をお買い上げいただいた。
 それから、「さしでがましいですが」と前置きして、お孫さんを連れて薬を買う練習をさせてみてはどうかとお話しした。
 自分の健康の相談をするというのは案外と練習が必要だし、本人にしか分からない症状もあるので。
 なにしろ親子連れのお客様で、親から相談された症状を患者である子供本人に尋ねると、全く違うということも珍しくない。

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 幼児を連れたお客様から『キッズバファリンかぜシロップS』と『ムヒのこどもかぜシロップSa』のどちらが良いか質問され、後者の方が鼻炎の面倒も見てくれることを説明したうえで、発熱だけならばそもそも薬を使わないほうが良いから、どちらも咳が出てから使った方が良いとお話すると、本日はお帰りになった。
 兄弟がいるか尋ねたところ上に子供がいるようなので、元気な子供の方を別の部屋に隔離して、具合の悪い子供と一緒に過ごして観察するよう勧めた。

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 お客様から風邪薬を求められたけれど、主訴は鼻づまりと喉の痛みで咳は無いというので鼻炎薬を提案した。
 あまり知られていないけれど、多くの鼻炎薬の効能書きには「のどの痛み」と書いてある。
 しかし風邪薬を希望されたため、『エスタックイブNT』を案内して、お買い上げいただいた。
 食欲はあるとのことだったが、それは脳がエネルギーを求めているのが欲しがってるだけなので、騙されて食べないようにお話した。
 お客様は「栄養が必要だと思った」と言っていたけれど、風邪をひいたら栄養を摂るというのは戦後に日本全体が貧しかった頃の話で、消化をするのにもエネルギーが必要だから、普通に食事をしてしまうと風邪を治すエネルギーが消化に取られて、かえって治りが遅くなる。
 一般的に食べるであろう夕食の量だと、消化に使うエネルギーは5時間ほど休まないとならないくらい消費するとされている。
 風邪をひいて体を休めるというのは、内臓も含めて休ませるということなのだ。

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