薬を買う時に選ぶ前に相談してもらいたい理由

 お客様が『パブロンメディカルC』をレジに持ってきたけれど、咳の他に症状は無いというので咳止め薬を提案したところ、『ブロン』の液剤を飲んで効かなかったという。
 しかし『ブロン液エース』と『ブロン液L』のどっちだったか覚えておらず、単純に薬の強さだけで云うのであれば前者の方が効きが良いから、使ったのは後者の方だったのかもしれない。
 そして私が候補に挙げる薬を迷っていたら、お客様自身で『プレコール持続性せき止めカプセル』を選び購入された。
 効果としては『ブロン液エース』と『ブロン液L』の間ぐらいと云えるだろう。
 咳を鎮めるには消化に良い食事をするのも必要と養生法を伝えたのだけれど、急いでる様子で帰られた。
 ううむ、急いでいるのであれば、最初に自分であれこれと選んでる時間で相談して欲しかった。

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 お客様が『ヘパソフトプラス』を購入される前にステロイド剤の棚も覗き込んでいたので、無意識に患部を掻きむしってしまうような場合はステロイド剤を先に使ってから乗り換える方法もあることを説明した。
 患部を見せてもらうと、やはり血が滲むくらい掻いた痕があったためステロイド剤を勧めたが、怖いイメージがあるらしくそのまま『ヘパソフトプラス』を購入された。
 しまった( ゚д゚)ハッ!
 お帰りになった後で『ヘパソフトプラス』の主成分であるヘパリン類似物質は、血を固まりにくくしてしまうことを伝え忘れたことに気がついた。
 失血なんて大げさなことにはならないが、服や家具などに血が付いてしまう可能性がある。
 まったくもって迂闊な私が悪いのだけれど、初めから相談してもらったほうが落ち着いて応対できるし、注意事項を先に伝えることができるのも事実。
 レジに持って来られてからでは、お客様自身はお会計を済ませて早く帰ろうという気になっているうえ、対応する私の方も次のお客様が並んでしまうから焦ってしまう。
 だから薬を買う時には選ぶ前に、まず相談をしてもらいたい。

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