ネットで調べた薬の情報は店頭で再確認を

 夫婦のお客様からリップクリームの売り場を尋ねられ、もし現に唇が割れているようであれば薬品をとお話したところで、レジが混んで来てしまったため他の人に売り場を案内してもらった。
 後でお客様のもとに駆けつけ、唇の荒れは胃も関係することを伝えた。
 胃から食道を経て、唇までつながっているので、口で起きてることは胃でも起きている可能性があるのだ。

 お客様が『葛根湯』を購入されるさいに、喉が強く痛む場合やカラ咳の場合、またすでに発熱してからでは適応しないことを伝え、家に置いておくより出先で温まるのに使うために持ち歩くようお話すると、誰かから「そういう話を聞いたから」買いにいらしたとのこと。
 夏場も、出先の冷房対策に使えますと付け加えた。

 乳児を連れた夫婦のお客様が『葛根湯』の錠剤を探している様子で、近くを通ってみたが声をかけてもらえず、ようやく錠剤を見つけてレジに持ってきた。
 しかしお会計しながら、強く喉が痛む場合や咳には適応しないことを伝えると、主訴は喉の痛みだというので、『桔梗湯』を併用する方法を案内した。
 喉の痛み以外は無いようで、しかし風邪を心配されたため、鼻水は出ていないことを確認して『銀翹散』を勧めたところ、変更となった。
 お客様が『葛根湯』を使おうと思ったのは、授乳中でも使えるとネットで見たからとのことだったが、乳児が興奮して寝つきにくくなる可能性を伝えると知らないようだったので、『葛根湯』を使う場合は授乳後の服用を勧めた。
 ネットの情報は真贋の怪しいものがあるし、情報が欠けていたりするから、自分で調べるのは良いとして、店頭でも登録販売者か薬剤師に確認してもらいたいところ。
 お客様が痛むのは喉の奥というため、胃炎の可能性もお話したけれど、そちらはピンと来ていないようだった。
 胃炎からくる喉の痛みだと、上半身を温める『葛根湯』は尚更合わず、『麦門冬湯』で潤すほうが良い。

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