発熱に解熱剤を使うと長引くこともあります

 お客様から『イブA』と『バファリンA』の比較を尋ねられ、成分の違いを説明したけれど、主訴は発熱で、すでに三日目になり病院からも解熱剤が処方されたとのことだった。
 その解熱剤が切れるため代わりの物を買いに来たというのに、処方内容は不明で服用して6時間ほどすると、また熱が上がってくるというお話だった。
 んー、まぁ体は発熱して治したい訳だからねぇ。
 発熱することによってウイルスや菌に対抗したり、血流を良くして不要な物を回収し身体機能を保つための栄養を巡らせるのだ。
 とにかく、処方された薬が分からなければ適切な薬を選びにくい事と、発熱はまだ体が戦ってる途中なため、解熱剤を使うとかえって長引く可能性をお話し、体力の低下に備えて『柴胡桂枝湯』も案内してみたが、どうしても使いたいというので『イブA』を勧めて、お買い上げいただいた。
 医師からは、「市販薬は何でもいい」と言われたそうだから、医師も不要と考えたうえで処方したのかもしれない。
 風邪の時には内臓を休めるのも必要なので、食事は控えるようお話すると、食欲は無いというから、かえって好都合かも。
 やっぱり、『柴胡桂枝湯』が適用しそうに思えるのだけれど。
 明日は仕事が休みだというから、入浴はして発熱しようとしている体を支援するよう勧めた。

 子供を連れたお客様が『ムヒパッチA』をレジに持ってきたけれど、比較的弱めなことを伝えると、足の裏を刺されて痒がってるというお話だった。
 同じ虫刺されのパッチでも成分が異なるから、患部の状態によって使い分けた方が良いことを説明し、少し強めの『ヒドランパッチ』に変更となった

 やや高齢のお客様が『ムヒSクリーム』を購入するさいに、『ムヒS液体』に比べて弱いことを伝えたところ、家にあるとのこと。
 ただ、患部が目の近くで、『ムヒS液体』を塗ったらしみてしまったそう。
 ああ、メントールが入っていますからねぇ。
 そうであれば、『ムヒSクリーム』は悪くないので、そのままお買い上げいただいたのだけれど、クリームのほうが付けやすいと思って選んだのであって、成分の違いは勘案しなかった模様。
 同じ名前の薬でも、剤形が違うと中身も違うので気をつけてくださいな。
 もし、さらに目に近いところが痒くなった時には、痒み止めの入った目薬を塗る方法があることを伝えた。

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