整骨院は病院ではありません

 お客様が『バンテリンバップS』をレジに持ってきたけれど、用途を尋ねると高齢の母親の腰痛で、薬剤の違いを知らないようだったため鎮痛効果と浸透力の違いを成分ごとに説明した。
 すると『アスコラルL』を使っていて効いた気がしないため、お兄さんがフェルビナク製剤の物を買ってきたものの、腰の他に数箇所に貼って、しかも1日のうちに何回か貼り替えているという。
 浸透力に優れるフェルビナク製剤は貼りっぱなしの方が効果的なことをお話して、残り少ないようだったことから『フェルビナクテープ5.0』を案内して、お買い上げいただいた。
 浸透力のあるフェルビナク製剤や鎮痛効果も高いジクロフェナクトリウム製剤が、お客様から効かないと言われて運用方法を尋ねてみたら、風呂上がりに貼って朝に出かける前に剥がしているという話は、けっこう多く聞く。
 貼りっぱなしだと皮膚がかぶれると思われていることもあるけれど、それは貼る前に皮膚をよく清浄していなくて、汗やホコリなんかを封じ込めていたりするから。
 せっかく浸透力のある成分のバップ剤を使っていても、貼っている時間が短くてはモッタイナイんである。
 今回のお客様の母親は今日も病院に行っていて、いつも薬は処方されないということだったが、どうやら近所の整骨院のようだった。
 そりゃ、薬は処方されないですわ(^_^;)
 病院と整骨院の区別がついていないのだろう。
 整骨院は施術によって患者さんの症状を改善するところではあるけれど、医薬品を処方したり販売することはできない。
 湿布剤をもらったと勘違いするかもしれないが、あれは冷却材なんである。
 軟膏やクリームのたぐいも医薬部外品で、医薬品ではない。
 なので薬が必要であれば、一度は病院を受診させて下さいな。
 そして腰痛については、いつものことと油断せずに定期的に病院で検査を受けるようお話した。
 私が好きだった作家さんは、部屋が本だらけのためソファーで眠っており、それが腰痛の原因と思っていたらガンだったというお話をすると、古くて硬い布団で寝ているとのこと。
 バップ剤を何度も追加で買う費用を考えれば新しい布団を買えてしまうかもしれないし、それで腰痛が改善すればなによりである 。
 とにかく怖いのは、いつものことと思って大病を見逃してしまうことだ。

 お客様から、花粉症の目薬の違いを相談されたので『ロートアルガード』を基本に、抗アレルギーを補強した『マリンアイALG』と、角膜保護を加えた『ロートアルガードクリアブロックEXα』を案内した。
 目薬は使用できる成分が決まっていることとか、価格と効き目には関係が無いことを説明し、『ロートアルガードクリアブロックEXα』をお買い上げいただいた。
 花粉症は、腸が敵味方の識別を誤認して起きるため、お腹周りを温めて腸の働きを良くするよう勧めた。

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