同じブランド名でも成分から用途から何もかもが違うということもある

 やや高齢のお客様から、家にあるという咳止めと胃薬の飲み合わせについて質問されたが、咳止めは『アネトンせき止めZ錠』だと思うというものの正確には覚えておらず、胃薬の方は『第一三共胃腸薬』のようだった。
 風邪薬の『パブロン』シリーズや鎮痛剤の『バファリン』シリーズを例に、ブランド名が同じでも成分が大きく違う事があることをお話したうえで『アアネトンせき止めZ錠』という前提のもと、飲み合わせに問題無いことを説明した。
 お客様は、咳止めが胃を悪くすると考えて胃薬も一緒にと思ったようだったので、そういう心配であれば咳止めには『麦門冬湯』をと紹介すると、以前に漢方薬で具合を悪くしたということだったのだが、何を使ったかは覚えていなかったため、それもまた成分で変わることをお話しした。
 薬を飲むにあたって、こうやって飲み合わせを相談してもらえるのはとても良いことである。
 ただ、そのためには薬の情報は正確でないと困るけど。
 『アネトンせき止めZ錠』にしても、『アネトンせき止め液』とはまた内容が異なるので。
 あとお客様は、マルチビタミンとミネラルのサプリメントをご主人と一緒に摂っているとのことだったが、自分に良い物が家族にも良いとは限らないことと、歳を取ってからのミネラルの摂りすぎには注意が必要なことを伝えた。
 ミネラル豊富なことを謳っている塩などがあるけれど、年を取るとミネラルの排出機能が衰えてきて結石などの原因になりやすいし、やはり腎臓への負担が大きくなる。

 お客様が『ヒビエイド』をレジに持ってきたが、爪の間の皮膚が硬くなるのに使うと言うので、『ヒビエイド』は傷の修復に使うものであることを説明し、皮膚を柔らかくするには『ケラチナミンコーワ』など尿素が入った物が良いことをお話しして、そちらをお買い上げいただいた。
 選ばれたのは、同じ『ケラチナミン』のブランドだったため勘違いされたようだ。
 さっきの客様もそうだけれど、同じブランド名でも成分から用途から何もかもが違うということもあるので、気をつけてもらいたいところ。
 お客様は患部が気になるのか、お話ししている間も触りがちだったので綿手袋するように勧めると「やっぱり寝るときは必要ですか?」と訊かれたため、「いえ、起きている時もです」とお答えした。

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